
■円安の影響が少ない旅行先
円安の今、おすすめの海外旅行先を教えてもらった。
「航空券代や燃油サーチャージ、物価の面から東南アジアがおすすめです。燃油サーチャージはコロナ以降、原油価格の高騰により値上がりの傾向にあります。飛行距離が長くなるほど高くなるため、比較的距離が近い東南アジアはお得ですよ」(石田さん)
日本より物価が安い国が多い東南アジアだと滞在費も抑えられる。ただしシンガポールは物価が高いため、低予算の場合は避けるのが無難だとか。
「街歩きが好きな人は、公共交通機関が発達しショッピングやナイトライフも充実しているベトナムのホーチミンや、マレーシアのクアラルンプールなどがおすすめです。ベトナムのダナンやインドネシアのバリ、フィリピンのセブといったビーチリゾートは、日本のリゾートより安価に贅沢な時間を満喫できますよ。のんびりしたい人はラオスやカンボジアなどが狙い目です。タイは年々物価が上がっていますが、バンコクやプーケットなどは今も大人気です」(石田さん)
欧米はどうだろう。
「欧米は日本より物価の高いところが多く、現地までの距離も遠いため、円安の今は割高に感じます。それでも行きたいという人は、ヨーロッパでも比較的物価が安いスペインがイチオシです。スペイン人は優しくフレンドリーなので、一人旅はもちろん、友達同志や家族旅行も楽しめるでしょう。また、東欧のチェコやポーランドは、西欧に比べて物価が安く街もきれいですよ」(石田さん)
ロサンゼルスやニューヨークは避けた方がよいそう。
「誰もが一度は行ってみたいと思うロサンゼルスやニューヨークは、インフレが進み治安も悪化しているため、おすすめしにくい状況です」(石田さん)
円安の今、海外旅行に行くなら「シンガポール以外の東南アジア」が第一候補となりそうだ。
■世界情勢が不安定な昨今、海外旅行しても大丈夫?
世界各地の物騒なニュースを目にすることが多い昨今、そもそも海外旅行をして大丈夫なのだろうか。
「行ってみたい国や場所を見つけたら、ニュースや報道をうのみにするのは控えましょう。在住者などの情報をネットやSNSで検索したり、実際に現地を旅したことがある人の話を聞いたりするのがよいです。メディアで伝えられるような緊迫した情勢不安や治安の悪い場所は、特定の地域のみの場合がほとんどです」(石田さん)
とりわけ重要なのは、「観光しても安全な場所と避けるべき場所を把握すること」と石田さん。
「宿泊場所を選ぶ際は、設備の快適さや場所の利便性だけでなく、治安がよい立地かどうかも必ずチェックして下さい。安全に見える場所も、一本道を挟むと治安が悪いエリアに入ってしまうケースはよくあります」(石田さん)
トラブルや犯罪に巻き込まれないための準備や心がけも必須だ。
「観光地はスリや強盗が多いので、必ずバッグは口を閉め、肌身離さず体の前側に斜めがけにするよう心がけて下さい。当店でも扱っているような利便性が高くおしゃれなトラベルアイテムもたくさんありますので、快適に旅ができるグッズを揃えるのも楽しいですよ」(石田さん)
旅行中は、“警戒心を持っての行動”が鉄則だ。
「旅先では気分が高揚し開放的になりがちですが、夜に人通りの少ない場所を歩いたり、必要以上に親切な人について行かないようにして下さい。見ず知らずの人から薬物入りの食べ物や飲み物をもらった後に眠ってしまい、強盗などの被害に遭ったという悲しい事件も耳にします」(石田さん)
最後に石田さんは、「今旅行できる場所も、今後情勢が変わり渡航できなくなる可能性もあります。しっかり準備をした上で、行きたい場所への旅を楽しんでほしいです」とアドバイスをくれた。旅は行きたいと思い立ったが吉日。今回伺ったお話を参考に、円安や世界情勢を踏まえ入念な下調べと事前準備のもと、海外旅行を楽しもう。
●専門家プロフィール:石田 めぐみ
心トキメク旅をコンセプトに、スーツケースやトラベルポーチなど旅行に役立つアイテムを展開する「Aww(アウ)」代表。世界中の旅好きと繋がるトラベルコミュニティも運営。コミュニティInstagramも好評。
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