■喉の痛みが長引く原因は?
お話を伺ったのは、坂井耳鼻咽喉科院長の坂井邦充先生。まずは、風邪をひいた後、喉の痛みが長引く原因について聞いてみた。
「風邪をきっかけに、急性扁桃炎といって、扁桃腺の炎症が起こる場合があります。また、上咽頭(じょういんとう)や喉頭(いんとう)など、口を開けただけでは見えない部位で炎症が続いている場合もあります。熱が下がった、もうだるくないなど、体調は良くなったけれど、のどの痛みが続く時、一番多い病気は、この上咽頭炎です」(坂井先生)
人間の喉は咽頭と喉頭からできている。咽頭は鼻の奥から食道までの部分で、上咽頭、中咽頭、下咽頭に分かれている。上咽頭炎とは、名前の通り上咽頭に炎症が起きる症状。慢性化すると息苦しさをはじめ、めまいや頭痛、耳鳴りなど、さまざまな症状が全身に表れる。違和感を覚えたら早めに病院で治療しよう。
「また、急にのどの奥(のどの下の方)に強い痛みと飲み込みにくさを感じ、どんどん症状が強くなってくる場合には、『急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)』が起きている可能性があります。気道狭窄による呼吸困難に陥り、致命的になることもあります」(坂井先生)
急性喉頭蓋炎は、B型インフルエンザなど、細菌感染が主な原因で引き起こされる。窒息の危険性があるので、症状が分かった時点で即入院となることが多いという恐ろしい病気だ。
■癌の可能性もある!
では、風邪をひいていないのに喉の痛みが続くという場合、どんな可能性があるのだろうか?
「魚の骨などの異物が刺さっていることによる痛みのほか、喉を取り囲んでいる神経の痛み(神経痛)や、癌などの悪性腫瘍が出来ている場合などがあります」(坂井先生)
ただの風邪だと思っていたら癌だった……なんていう可能性も。風邪とその他の病気との見分け方は、
「一概には言えませんが、ピンポイントで痛みを自覚する場合は、先ほど挙げた病気を疑います」(坂井先生)
とのこと。自己判断するのは難しいので、異変を感じたら早めに医療機関を受診しよう。
なお、「教えて!goo」では「風邪と思っていたら実は違う病気だった経験、ありますか?」というアンケートも実施中。体験談をお持ちの方はぜひこちらにも回答してみて。
(酒井理恵)