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初めて発刊された雑誌は大政奉還の年?日本の雑誌の歴史を紐解いてみた

初めて発刊された雑誌は大政奉還の年?日本の雑誌の歴史を紐解いてみた皆さんは定期的に読んでいる雑誌はあるだろうか? 知りたい情報をインターネットで入手できるようになり、「紙離れ」がうたわれて久しい。それ故に、廃刊、休刊する雑誌も数多いのも事実。その一方で、「雑誌を読むのが習慣になっている」という人もいれば、2014年の休刊から今年の3月に復活したギャル向けファッション誌『egg』のように、電子書籍という活路を見出した雑誌もある。そんな雑誌であるが、どのように誕生し、親しまれるようになったのだろうか。公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の水野敦史さんに、話を伺った。




■大政奉還の年に初刊行


国内で最初に発行された雑誌についてまずは聞いてみた。

「洋学者、柳河春三が『Magazine』の訳語として『雑誌』という言葉を用いて創刊した『西洋雑誌』が、日本における初めての本格的な雑誌といわれています。刊行されたのは1867年(慶應3年)の10月です」(水野さん)

1867年といえば大政奉還があった年。驚くべきことに、時代が江戸から明治に移った年に国内初の雑誌が刊行されたという。ちなみに、その内容は……。

「オランダで発行された雑誌を翻訳したものでした。商業誌というよりは、新しい時代の思想や文化を紹介する啓蒙的色彩の強い内容が多かったということです」(水野さん)

海外文化の普及と共に発刊されたことが明らかに。

■もっとも歴史が古いのは『中央公論』


現在、国内で刊行されている雑誌のなかで、最も歴史が古い雑誌は何なのかも聞いてみた。

「最も長寿の一般誌は『中央公論』(中央公論新社)です。1887年8月に『首巻号』という形で発売されていますが、雑誌として定期刊行を開始したのは1887年(明治20年)12月10日。学生有志で組織された会の機関誌としてスタートし、創刊時のタイトルは『反省會雑誌』。定価は3銭でした」(水野さん)

参考までにお金の価値に触れると、当時は卵1個が1銭くらい(現在は25円くらい)だったので、現在の価値に直すと75円ほどといったところか。では、その次に古い雑誌は何だろう。

「『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)です。1895年(明治28年)11月15日に創刊しました。当初は『東洋經濟新報』というタイトルで旬刊(5の日発売)。定価は7銭でした」(水野さん)

旬刊とは10日ごとに刊行することだ。週刊ではなかったということだろうか。

「そうですね。『週刊東洋経済』は1919年の10月4日号から週刊(毎週月曜日発売)となり、それが国内でもっとも古い週刊誌となりました。現タイトルに改題したのは、1961年の新年号からです」(水野さん)

■100年以上の歴史を持つ七つの雑誌


『中央公論』は実に130年以上の歴史を誇ることになるが、その『中央公論』や『週刊東洋経済』以外にも100年以上続く雑誌はあるのだろうか。

「5誌あります。創刊が古い順にお伝えすると、1903年4月創刊の『婦人之友』(婦人之友社)、1904年5月創刊の『新潮』(新潮社)、1905年7月創刊の『婦人画報』(ハースト婦人画報社発行、講談社発売)、1913年5月創刊の『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)、1916年1月創刊の『婦人公論』(中央公論新社)です」(水野さん)

なお、誌名、出版社名は現在のもので、創刊当時のものとは異なる。さすがにどれも名の知れた雑誌だが、筆者はビジネス情報誌の『週刊ダイヤモンド』が100年以上の歴史があることに驚いてしまった。

この先も時代の変化とともに世の中のニーズは変わっていく。だが雑誌はこれだけ長い歴史があり、その内容、読者への提供形態を変えながらも、続いていくことを願うばかりである。

●専門家プロフィール:公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所
出版業界唯一の調査研究機関として、『出版月報』、『出版指標年報』などの刊行のほか、出版セミナーを開催している。
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