■うるう年は400年で97回訪れる
地球が太陽の周りを1周する日数(公転周期)を基準にした暦を太陽暦と呼ぶ。しかし、地球の公転周期は、正確には365.242…日と、切りのよい数字ではない。1年を365日と固定すると、毎年少しずつ季節がずれていくことになる。そこで、このずれを調整するために設けられたのがうるう年だ。
「紀元前45年、ローマで導入されたユリウス暦では、単純に4年に一度のうるう年を設けていました。しかし、それでもわずかにずれが出ていたため、16世紀後半にローマ教皇グレゴリウス13世の指示により、改良が加えられました。これが、現在日本を含め世界で使われている『グレゴリオ暦』です」(日本カレンダー暦文化振興協会)
グレゴリオ暦は太陽暦の一種。グレゴリオ暦では、うるう年を以下のように定めている。
(1)西暦年数が4で割り切れる年をうるう年とする。
(2)ただし、西暦年数が100で割り切れて400で割り切れない年は平年とする。
2020年は4で割り切れるのでうるう年だ。しかし、2100年は4でも100でも割り切れるが、400で割り切れないのでうるう年ではない。このとき、2096年から次の2104年までの間はうるう年がないことになり、「4年に一度」ではなくなる。
■未解決事件はうるう年に起きている!?
歴史に残る大きな出来事で、うるう年に起きているものを一部紹介しよう。
1964年は、ご存じの通り東京オリンピックが開催された年。東海道新幹線が開通されたのもこの年だ。4年後の1968年には、昭和犯罪史に残る三億円強奪事件が発生した。さらに、三億円事件と並ぶ“昭和の未解決事件”として有名なグリコ・森永事件が起こったのも1984年、うるう年だ。
直近のうるう年は、北海道新幹線開通や伊勢志摩サミット開催などの出来事があった2016年。同年、スマホ向けゲームアプリ『ポケモンGO』や映画『君の名は。』が社会現象となったことも記憶に新しい。
オリンピックイヤーとなる今年、はたして後世に残るビッグニュースは生まれるのだろうか。要注目だ。
●取材協力:一般社団法人日本カレンダー暦文化振興協会
参考文献:岡田芳朗『暦の大事典』
(酒井理恵)