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年末や年始のご挨拶には、ちょっとした手土産を持っていきたい。何か気の利いた品物がよいが……また、マナーにも気を付けたい。「教えて！goo」でも「手土産にケーキって どうですか？」と、ユーザーから質問があった。そこで今回は、訪問時にワンランク上の贈りものができないか、また失敗しない贈り方について、マナー講師の矢部さんに教えてもらった。■手土産は本来消えもの、日持ちがするものを選ぶ
お宅にお呼ばれした際、手土産に適しているものはなんだろうか。
「手土産のマナーとしては『消えもの』、『日持ちがするもの』を選ぶことが基本です。手土産はあくまで気持ちなので、手元に残ってしまわないものを選びましょう」（矢部さん）
手土産と聞くと話題のスイーツや生菓子を連想する人もいると思うが……。
「親しい間柄で、訪問の際に一緒にいただくこともあります。しかし生ものは賞味期限が短いので、相手の都合を考えていないことにもなってしまいます。たとえば、ケーキを用意していたのに、手土産でももらってしまうという可能性もあります。親しい間柄なら『一緒に食べるケーキを持って行くね』と事前に伝えておくとよいでしょう」（矢部さん）
事前に伝えられる間柄なら、生ものでも問題はなさそうだ。
■高齢者と子供がいる場合は事前確認を
家族構成が分からない相手への贈りものに最適なものはあるのだろうか。
「手土産はよほどの大家族でない限り2,000～3,000円程度の金額で選びます。一度開けたら食べきらなければいけないものではなく、個包装されたものであれば人数もあまり気にしなくてよいです」（矢部さん）
確かに個包装だと必要な分だけ食べることができるので、家族構成を知らなくても安心して贈ることができそうだ。高齢者や子供がいる家庭で気をつけることはあるだろうか。
「小さいお子様、アルコールがNGな方がいらっしゃる場合は、贈りものにアルコールが使われているか確認しましょう。特にお子様に関しては、アレルギーの確認が必要です。高齢者へは、噛み切りにくいもの、硬いものなどを避ける配慮が必要です。食事制限のある方もいらっしゃるので確認しておきましょう」（矢部さん）
高齢者や子供のことも、事前に確認しておくと間違いがないようだ。
■贈りものを送る際に気をつけること
贈りものを贈る際に気をつけることはないだろうか。
「高額な手土産は相手に負担をかけてしまう場合もあります。しかし伺った際、手厚いおもてなしを受けたら、後日別途お礼をしましょう。その際は訪問先の近くで品物を買わないことが大切です」（矢部さん）
ほかにもあるだろうか。
「きちんとした訪問の場合、熨斗紙をつけたほうがより丁寧です。熨斗紙をつけることで『よろしければ後ほどお召し上がりください』という意味になります。すぐに開けていただき、喜ぶ顔が見たい場合はリボンのラッピングにするとよいでしょう」（矢部さん）
お中元、お歳暮についても教えてもらった。
「お中元、お歳暮はお世話になっている方へのお礼です。お中元を贈ったらお歳暮を贈るのが原則となります。どちらかにしたい場合は一年間お世話になりましたという意味を込めてお歳暮にしましょう。郵送の場合は手紙を添えて、ネットで注文した場合は別便でお手紙を送りましょう」（矢部さん）
手土産は相手の自宅近くでは購入しないこと、また熨斗紙をつけることで一層丁寧になると分った。お中元やお歳暮もマナーを知った上で贈ると、より気持ちが伝わるだろう。年末年始は、ワンランク上の挨拶ができそうだ。
●専門家プロフィール：矢部 恵子
（株）エリタージュ代表取締役。パークハイアット東京勤務後、スイスにて就職。帰国後、外資系証券会社勤務を経て、銀座フィニッシングスクール ティアラファクトリーを設立。現在は、銀座校・パリ校にて、上質なプロトコールマナーを指導している。
