![おいしいみかんの見極め方と大量消費できるおすすめレシピ](http://oshiete.xgoo.jp/_/bucket/oshietegoo/images/watchmain/1/543218228_659f6c64d32a5/ORG.png)
■テーブルの上のカゴではなく、冷暗所で保管
食べきれずに放置してしまうと、皮が硬くなってしまう。そんなみかんを有効活用する方法はあるのだろうか。
「表皮が硬くなるのは乾燥が原因です。中身の水分がだんだんと減っていくのです。表皮が硬くなってしまったら、横に半分に切って絞り、ジュースにするのがよいでしょう」(門田さん)
ただ、そのようなみかんは食べごろを過ぎてしまっている。保管時点での工夫が必要だとか。
「みかんを入手したら、まず傷んでいるものを取り除きましょう。袋に入っていたなら袋のまま、箱に入っていたなら箱のまま、冷暗所で保管するのが理想です」(門田さん)
「コタツの上のカゴから取って……」というスタイルはベストな保存方法ではないというわけだ。
「ヘタの付近から水分が蒸発します。一つひとつよい状態で保存するためには、ヘタを下に向けておくとよいですよ。また、箱入りのものは上に新聞紙をかぶせておくのも効果があります」(門田さん)
上にあるヘタを下にして保管するというのは意外だ。
■ヘタの軸が細いみかんがおいしい
そもそもおいしいみかんなら、手が止まらずにどんどん食べてしまうという人もいるかもしれない。選びのポイントは……。
「おいしいみかんの特徴としては『外皮の色がまんべんなく濃いみかん色をしている』、『油胞(果皮の小さなつぶつぶ)の一つひとつが小さく密度が高い』、『軸(ヘタのなかに見える切り口)が細い』、『果頂部(ヘタの反対側の頂点)のところがぎゅっとくびれていて、ずっしりと重い』などです。外皮が少し浮き上がっていてぶかぶかなのは、品質がよいとはいえません」(門田さん)
さらに産地も確認したい要素だ。門田さんいわく「販売店によってはいろいろな産地を混ぜて売ることがあり、そうすると1個1個のおいしさに偏りがでてしまいます」とのことだ。
食べごろはヘタで見極められるそうだ。
「ヘタが黄緑色なら食べごろで、緑色だと熟しきっていないということになります」(門田さん)
さっそくスーパーや青果店で、見極めてみたくなる。
■「みかんたっぷりサラダ」でたくさんおいしく消費
そのまま食べることが多いみかんだが、料理としてもおいしくいただけるという。「みかんたっぷりサラダ」のレシピを紹介してもらった。
「材料(4人分)はみかん(小)12個、アボカド1~2個、ドレッシングとしてたまねぎのみじん切り大さじ3、お酢大さじ3、塩小さじ1/3、こしょう少々、オリーブオイル大さじ2、ハチミツ大さじ2、干しブドウのブランデー漬け大さじ2です」(門田さん)
つくり方はシンプルだ。
「みかんは皮をむいて横半分に切り、アボカドは2㎝角に切ります。ドレッシングの材料をすべて合わせ、みかん、アボカドと混ぜれば完成です」(門田さん)
さっぱりとした風味ときれいな色味で食卓を彩ってくれそうだ。より手軽においしく食べる方法もある。
「簡単な料理なら、みかんのトーストがおすすめです。食パンにバターを塗って、ハム、ちりめん(しらす)、みかんを全体にのせます。とろけるチーズをかけてオーブンで焼いたら完成です」
意外な組み合わせだが、ちりめんとみかんの風味がどのようなハーモニーを生み出すのかぜひ試してみたい。
国内の生産量が多く、私たち日本人に馴染み深いフルーツであるみかん。選び方一つをとっても、知らないことが多いのに気づいた。今シーズンのみかんは甘くておいしいという。あらためてそのおいしさを堪能してみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:門田智子
愛媛大学農学部大学院農学研究科卒業(農学修士)。料理研究家・栄養士・TOMOクッキング校長。企業の講師や雑誌への寄稿など、とくにみかんの料理研究家として50年以上にわたって、幅広く精力的に活動している。
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