
今回は年末年始に的を絞って、通常時ではほぼ発生し得ない、年末年始特有の葬儀の追加費用を紹介する。詳細について話を伺ったのは全国で家族葬を執り行っているという心に残る家族葬の葬儀アドバイザーだ。
■年末年始の葬儀にほぼ確実に発生する追加費用とは
年末年始の葬儀にだけ特別に発生する追加費用を明らかにする前に、そもそも葬儀費用にどんな内訳があるのか葬儀アドバイザーにまとめていただいた。
(1)遺体の搬送費用
(2)安置費用(ドライアイスと安置施設の使用料)
(3)斎場や火葬場の使用料
(4)棺や骨壷、お花、祭壇などの費用
(5)葬儀社さんの人件費
(6)飲食や接待の費用
(7)寺院費用
ではこの中のどれが年末年始の葬儀に追加費用としてかかるのだろうか。
「(2)のドライアイスの料金と安置施設の使用料と(6)の遠方の家族や親戚、参列者の接待費用として宿泊施設を手配したときの費用です。宿泊施設は年末年始は割高になるので、通常時よりも多く追加費用が発生します」(葬儀アドバイザー)
なるほど。宿泊施設の追加費用は理解できたが、ドライアイスの料金と安置施設の使用料が追加費用としてかかる理由はなんだろうか。
「年末年始は火葬場がお休みになることが殆どなんですが、そうなると亡くなってから火葬するまでに日が空きます。火葬するまでの間のドライアイスの費用と、もしも安置施設を利用した場合の使用料が日数分かかってしまいます」(葬儀アドバイザー)
ちなみに火葬場の営業再開後は、しばらくは火葬場が立て込み予約が困難になるため、更に期間は延びる可能性があるというので、この点も注意が必要だろう。
■費用以外にもあった年末年始特有の葬儀の注意事項
次は費用以外で、年末年始特有の葬儀の特徴について伺った。
「寺院は行事等で年末年始は非常に忙しいので菩提寺への連絡は早めにするとよいでしょう。また金融機関もお休みとなる可能性が高いので、葬儀費用を現金で支払う場合は早めに用意するか、あるいはカードが利用可能な葬儀社を探すと良いでしょう。あとは葬儀とは直接関係ありませんが、年賀状も亡くなったタイミングが年内か年明けかで対応が変わるので注意が必要です」(葬儀アドバイザー)
残念ながら年末年始に行われる葬儀には苦労が多そうだ。
■火葬だけ先に済ませて、落ち着いたら葬儀をするという選択肢もあり
年末年始に行われる葬儀の特徴について触れてきたが、ご覧いただいた通り、非常にタイトで費用も通常以上にかかってしまうことが明らかになった。このような事態に対して、なにか対策はないのだろうか。
「火葬だけ先に済ませ、落ち着いたら葬儀をするという選択肢も十分検討の余地があります。お伝えしたように、火葬場のお休みが理由で期間が延び、費用も上がっていくので、先に火葬さえしてしまえば、日程上も費用の面でも負担は最小限に抑えられます。ちなみにこれは骨葬といい、東北や九州を中心に当たり前のように行われています」(葬儀アドバイザー)
いかがだっただろうか。出来ることは多くないかもしれないが、何よりも大事なことは後悔のない葬儀を送ることだ。これだけは忘れないように気をつけていただきたい。
専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー
火葬料も含まれた追加費用のかからない格安な家族葬を税込み14万3000円から全国で執り行っている。24時間365日受け付けており、寺院の手配や葬儀後の各種手続きなどのアフタフォローにも対応。
記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
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