■きのこや果物だけではない、秋の味覚
秋が旬の食材といえば、ナシやマツタケなどを思い浮かべる人が多いかもしれない。他にはどんな食材が旬を迎えるのだろうか。
「夏野菜のイメージがあるナスも“秋ナス”として旬を迎える種類があります。皮が薄くて柔らかく、甘みが強いのが特徴です。水分をたっぷり含んでいて火が通りやすいため、焼きなすや、揚げ浸し、天ぷら、味噌汁などがおすすめですよ」(はくさん)
新鮮なナスを見分けるポイントは、「皮の色が濃く、表面にハリ・つやがある」、「へたとガクがしっかりと立っている」、「ずっしりと重みを感じる」の3点だそう。さらに、体にうれしい食べ方もあるとか。
「油と一緒に調理することで、体内の酸化を抑える抗酸化作用が期待できます。同じく抗酸化作用のあるごま油を使うと効果が高まります」(はくさん)
一方で「ナスは油を多く吸うため、油分の摂りすぎには注意が必要」とはくさん。適量をおいしく食べ、健康維持に役立てたい。
秋といえば魚もおいしい季節だ。その代表格といえば「サンマ」だが、他にもおいしい魚があるという。
「カツオは秋にも旬を迎えます。春は“初ガツオ”というのに対し、秋は“戻りガツオ”と呼びます。毎年北と南を行き来する回遊魚で、北上する春と南下する秋が旬になるのです。秋のカツオは脂がのっているのが特徴です。切り身を選ぶときは、鮮やかな赤身があるもの、ドリップ(身からでる水気)がないものが新鮮な証拠です。ニンニクやネギと一緒に食べると、ビタミンの吸収率を上げてくれますよ」(はくさん)
春とは一味違う“戻りガツオ”、ぜひ味わってみたくなる。
■秋の味覚が堪能できるレシピ
秋ナスと戻りガツオのおいしさが引き立つレシピを聞いた。まずは「ナス南蛮」だ。
「材料(2人分)は、ナス(3本)、片栗粉(大さじ3)、ごま油(大さじ3)、砂糖(大さじ1)、しょうゆ(大さじ1)、酢(大さじ1)、だしの素(小さじ1/2)、水(大さじ1)です」(はくさん)
作り方は簡単だ。
「まず、砂糖、しょうゆ、だしの素、水をあわせておきます。ナスはヘタとガクを切り落とし、一口大に乱切りして水にさらしてください。ナスの水気をペーパーで拭き、片栗粉をまぶします。フライパンにごま油をひき、ナスを入れ、中火で揚げ焼きにします。柔らかくなったら最初に合わせておいた調味料を加え、和えたら完成です」(はくさん)
次は、戻りガツオが味わえる「カツオのごまみそ和え」だ。
「材料(2人分)は、カツオ(柵100g)、高野豆腐(10g)、片栗粉(適量)、揚げ油(適量)、白ごま(大さじ1)、しょうが(少々)、甘みそ(小さじ2)、砂糖(小さじ1)、しょうゆ(小さじ1/2)、酒(小さじ1/2)、水(50ml)です」(はくさん)
こちらも手軽に作れるレシピだ。
「高野豆腐は水で戻してしぼります。高野豆腐とカツオを2cmの角切りにして片栗粉をまぶし、それぞれ160~170℃の油で揚げてください。鍋にしょうが、甘みそ、砂糖、しょうゆ、酒、水を入れて煮立たせ、揚げたカツオと高野豆腐に絡めて、ごまをふったら完成です」(はくさん)。
どちらもごはんに合いそうで、食欲が沸いてくる。
■フライパンでできる、ヘルシー大学芋
最後に、デザートやおやつにぴったりの、フライパンでできる「ヘルシー大学芋」のレシピを聞いた。
「材料は、さつまいも(1本)、砂糖(大さじ3)、みりん(大さじ1)、しょうゆ(小さじ1)、水(大さじ1)
サラダ油(大さじ2)、黒ごま(適量)です」(はくさん)
続いて作り方だ。
「さつまいもを洗って皮付きのまま小さめの乱切りにし、水にさらします。耐熱容器に入れ、600wのレンジで5分加熱してください。フライパンに油をひき、さつまいもを入れて強火で揚げ焼きにします。全体にこんがりと焼き色がついたら、ペーパーで余分な油をとり、砂糖、みりん、しょうゆ、水を入れて絡め、黒ごまをまぶして完成です」(はくさん)
フライパンで作れるので油の量を控えることができ、ヘルシーに仕上がる。
いかがだったろうか。さまざまな食材に目移りするこの季節、まずははくさんに伺ったことを参考に、食卓に秋の味覚を招いてみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:はく
栄養教諭、管理栄養士、調理師。子供たちが心身ともに健康的に過ごすためのサポートを目指し、栄養諭として小学校で食育や給食管理を行う。SNSでは栄養教諭として働く人や目指している人をサポートするために、Instagramにて「はーたん」というユーザー名で給食管理や食育指導を中心に情報を発信中。
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