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鳥のフンと言えば白……と思いきやフンではなく尿だった!

鳥のフンと言えば白……と思いきやフンではなく尿だった!この世の中に鳥のフンの直撃に遭った人がどれぐらいいるだろうか。特に生物の動きが活発になるこの時期、自然豊かな地方に限らず、都心においてもその被害は多発している。電線の下を歩いていたら、街路樹のそばを歩いていたら、ビシャツとフンが落ちて来るのは偶然なのだろうか。フンの色の違いや細菌も気になるところだ。そこで、鳥のフンの性質や特徴、排せつの習性などに詳しい、神戸どうぶつ王国動物管理部の藤岡健児さんに解説してもらった。

■よく見る“白いフン”と呼ばれるもの、実は尿


まずは鳥のフンと言えば白をイメージする人も多いと思うが、中には「いや、黒かった」「緑だった」と、フンの色には違いがある。これってつまり、鳥が摂取した食べ物の違いにより、色が違うということだろうか?

「鳥の種類によって食性が異なるので、糞便の色も異なることはありますが、基本的には摂取した物の色に左右されます。一般的には黄褐色~深緑色の糞便が多いです」(藤岡さん)

一般的には黄褐色~深緑色? では道路などでもよく見かけるあの白いのは……?

「一般的によく見る“白いフン”と呼ばれるものは、実は尿酸という尿(おしっこ)です」(藤岡さん)

筆者は完全に白いあれをフンだと思っていたが、そうではないとのこと。ただ、白い色の便がないわけではないという。

「『白色便(尿酸ではないもの)=炭水化物の未消化(膵臓からの消化酵素が出ていない)』、『黒色便=上部消化管(特に胃)で出血している』等と、その鳥の状況がある程度把握できます。つまり、糞便の色からその鳥の体調が分かるんです」(藤岡さん)

ちなみに筆者は白と黒と両方の直撃経験があるが、黒色便の鳥は体調が悪かったのかと思うと、あの時の怒りと衝撃も少し収まる気がする(?)。

■鳥のフンを直撃しやすいタイミングと狙われる色


思い返すと朝の通勤時に電線の下を歩いていたら直撃、街路樹の下で虫よけスプレーを使ったら直撃したのだが、これは何か因果関係があるのだろうか? 人は朝起きると用を足すことも多い。鳥も朝は排便しやすい……なんてことがあるのだろうか。

「朝に排便しやすいとかではなく、単純に木や電線での鳥の滞在時間が長ければ、そこで排便する機会も多くなります。虫よけスプレーに限らず、何かしら鳥が興奮して、飛び去る際に糞便することはあります。これは鳥が飛ぶために体を軽くしなければならないためだと考えられます」(藤岡さん)

では、“白い車が鳥のフンの被害に遭いやすい”というデータを英ブリストル大学が発表したが、それは、鳥が白い色を見るとフンをしたくなる習性があるからなのか。かくいう筆者も白いTシャツ、白のジャケット着用時に直撃を受けている。

「英ブリストル大学の研究でも、なぜ白色に排便するかのはっきりした理由はわかっていないようです。一方で、赤い車には18%と一番よくフンをして、白い車に関しては7%だったという別の調査結果もあるので、実際は車の色云々ではなく、どこに車を停めているか等が問題なのかもしれません」(藤岡さん)

特別なタイミングや狙われる色があるわけではなさそうだが、鳥が滞在しやすい電線の下にいることや、鳥を興奮させる行為は鳥のフンの被害に遭いそうなので注意したい。

■鳥のフンは実は危険?


鳥のフンには細菌が含まれており、鳥インフルエンザなどの感染症が知られているが、人に感染する危険はあるのだろうか。

「まず人間の感染症(細菌が原因とは限らない)の60%が動物由来の感染症であることから、『鳥の糞便=危険』と、むやみに恐れないで欲しいです。しかし、感染症法(厚生労働省)によって分類されている感染症の中に、鳥から感染する感染症も含まれているのも事実です」(藤岡さん)

例えば、どのような感染症があるのだろうか。

「鳥インフルエンザ(ウイルス感染)は感染した鳥やその排せつ物、死体、臓器などに濃厚に接触することによってまれに感染することがあります。この場合、人間のインフルエンザ様の症状が多いですが、進行性の呼吸不全で死亡例もあるようです。その他にもオウム病(クラミジア感染)は鳥の糞便に含まれる病原体を埃とともに吸い込んだり、ペット鳥に口移しで給餌することによって感染します。この場合、軽い風邪のような症状~高熱や全身の倦怠感などインフルエンザ様症状を示しますが、重症の場合は死に至ることもあります」(藤岡さん)

やはり、かなりの危険性があり、恐ろしいと感じてしまうのだが……。

「『鳥の糞便=危険』という考えではなく、上記のような知識を持っておき、むやみに鳥あるいはその糞便に接触するのではなく、また触った場合も手洗いやうがい等のごく当たり前の対応をしていれば、多くの場合は問題になることはありません」(藤岡さん)

鳥のフンの被害には正しい知識を持って対処するのが一番のようだ。電線の下はなるべく歩かないなどの予防を心がけ、被害に遭ってからも手洗いやうがいをきちんとして、感染症などの二次的被害から身を守りたい。

なお、「鳥のフンを服にかけられた場合、皆さんはどうしていますか?」「教えて!goo」で、鳥のフンを直撃して困った皆さんの対処法が紹介されている。気になる人は、こちらもチェックしてみて。

●専門家プロフィール:神戸どうぶつ王国 動物管理部 藤岡健児
全天候型対応の花と動物と人とのふれあい共生パーク。多数の展示植物が配置された温室では、数多くの鳥が放し飼いになっていて直接触れあえる。今回は同園の獣医師・飼育員を交えて、鳥のフンへのアドバイスを行ってくれた。
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