ひき始めの時期に「まあただの風邪だろう」と甘く見ているとそれが長引き、様々な症状を引き起こしてしまう恐れもある。厄介な風邪への対策方法について「教えて!gooウォッチ」で探してみたところ、以下の3つが発見されたので、紹介しよう。
■風邪をひかないための2つの予防策
まずは風邪をひかずに過ごすための効果的な予防策をおさえておきたい。医療法人長岡内科医院院長の鈴木飛鳥先生によれば、風邪に対する予防策は大きくわけて2つあるという(教えて!gooウォッチ「医師が指南!効果的な風邪の予防策」より)。
「1つ目は風邪の感染経路を遮断し、感染源との接触をさけることで物理的に風邪ウイルスとの接触機会を減少させること。2つ目は風邪に対する抵抗力を高めて風邪にかからない体作りをすることです」(鈴木先生)
また、前者の「風邪の感染経路の遮断」の中でも特に重要なのは手洗いだそう。
「手についたウイルスを洗い流す『手洗い』は最も効果的な予防法であり、石鹸による手洗いは呼吸器感染症による医療機関受診を45%減少させます。同時に注意することはウイルスに汚染された可能性のある手で目、鼻、口に触れないようにすることです」(鈴木先生)
風邪にかからない体を作るためには栄養バランスのとれた食生活や、習慣的な運動を心がけることも大切だという。やはり日頃の生活が一番大事だということだろう。
■それでも風邪をひいてしまった場合は?
十分に注意を払っていても風邪をひいてしまうことはある。鈴木先生によると、風邪の「治療の基本は安静、十分な睡眠、水分および栄養補給」で、「直接効果のある薬が今のところありません」とのこと(教えて!gooウォッチ「医師も行っている風邪のひきはじめの対策」より)。
風邪にはこれを飲めば治るという薬が存在しないのだ。その上で鈴木先生が風邪をひいた際に対策として行っているのが身体を温めることだという。
「ウイルスは温度が上昇すると増殖スピードが抑制されるので、私は風邪のひきはじめにはリラックスできる程度に身体を温めるようにしています。これはウイルスの増殖を抑制し免疫力を高めるという点で有効です」(鈴木先生)
また、風邪をひいてしまった時の食生活としては以下のようなものがおすすめだそう。
「風邪のときにおすすめの食べ物や飲み物は、温かくエネルギー源である炭水化物や糖質、良質なタンパク質や各種ビタミンを含むものです。これらをバランスよく、体に負担のかからない形で摂取することが大切です。具体例としては、おかゆ、雑炊、うどん、しょうが湯、ゼリー、果物ジュース、ヨーグルト、豆腐、緑黄色野菜、スポーツ飲料などです」(鈴木先生)
風邪をひいてしまった場合はできる限りあたたかい環境で体をゆっくり休め、必要なエネルギーを無理のない形で摂取することを心がけたい。
■さらに風邪が本格化してしまったら?
それでも風邪の症状が進行して本格化してしまった場合は、奪われた体力をいかに効率よく回復させるかが重要になる。管理栄養士の村上安曇さんによれば、風邪をひいている時におすすめの食事は以下の通りだ(教えて!gooウォッチ「管理栄養士がすすめる!風邪をひいたのときの食事」より)。
「おかゆやうどんなど消化のよい主食に、卵や鶏肉、白身魚など、たんぱく質が豊富で低脂肪の食材を使ったおかずを組み合わせてください。ビタミンを含む野菜が添えられていればベストです。ほうれん草やかぼちゃはビタミンAが豊富なので、少量でもプラスして欲しいですね。冷凍のかぼちゃなら、電子レンジにかけるだけで食べられます。つぶして牛乳でのばせば、簡単にポタージュスープ風になりますよ」(村上さん)
また、風邪にともなって熱が出てしまった場合は水分補給が大事だという。
「発熱すると、汗をかいて水分とエネルギーがたくさん消費されます。睡眠をとって体を休め、お茶やスポーツ飲料などで十分な水分補給をしましょう。落ち着いたら、エネルギー源となるおかゆや麺類をとります。食欲がないときは、果物やジュースでもいいです。ビタミンCを含むイチゴやミカンなどは、さっぱりして食べやすいです」(村上さん)
弱った体に対して効率よくエネルギーを取り込んであげることを優先し、無理せず、じっくりと体力を回復させるのが一番のようだ。これらに気をつけて健康的な冬を過ごそう!