■男女で差はあるのか?
男女で未練に差があるといわれる理由から教えてもらった。
「理由のひとつは、人間にも生物として多くの子孫を残すための遺伝子があるという説によるものです。体の構造上、男性は一生の間に多くの子どもを作ることができるため、複数の女性を恋愛対象(性的対象)として見る傾向にあります。そのため別れた相手への恋愛感情が消えず、未練が残りやすいのです」(杏奈さん)
1人産むのにも命懸けの女性には、男性と異なる傾向があるという。
「女性は、選りすぐりの男性だけを選ぼうとする傾向があります。よって『この人は違う』と思うと、恋愛感情も消失しやすいのです」(杏奈さん)
もうひとつの理由として、「男は強くあるべき、女は守られるべき」という考え方が根付いていることが挙げられるとのこと。
「男性は幼少期から『弱みを見せてはいけない』と育てられるため、恋愛に関しても、彼女の愚痴や失恋のショックを他人にさらけ出せません。不満や悲しみ、後悔も、人に話したり泣いたりできれば癒やされますが、それができずに感情が残ってしまいます」(杏奈さん)
女性は弱くても許されることが強みということか。
「女性同士は共感、共存の性質を持っているので、友人に泣きながら彼氏の愚痴を言っても、『〇〇ちゃんは悪くない』、『相手の男がダメなのよ』と擁護してもらえます。だからこそ、失恋のショックや心残りなこともすべて話し、気持ちをスッキリさせることができるのです」(杏奈さん)
ここまでの話を聞く限り、やはり女性より男性の方が未練を残すことが多そうだ。だが一概にそうとも言い切れないらしい。
「性別関係なく『別れ方』が原因で未練が生じることが多いです。相手と話し合い納得して別れられていれば、心残りや好意はすぐに消えなくても、時間をかけて癒やそうと思えたり次の恋愛に活かす決意に変えられます。別れ方に納得していないと、『理由を知りたい』『自分の気持ちをわかって欲しい』といった感情が未練になります」(杏奈さん)
失恋により自信を失うことで、他にもさまざまな気持ちが湧き出るようだ。
「例えば、相手に甘えすぎていたと気付き『謝りたい』『もう一度チャンスが欲しい』と後悔したり、別れて何年も経ってから『◯◯が理想の人だったのかも』と懐かしんだりします」(杏奈さん)
未練とは、性別による程度の差に関わらず、別れ方に納得していないと生じるものなのだ。
■未練を絶つ方法
男性が未練を断つ方法について、アドバイスを貰った。
「過去の彼女よりも素敵な女性を射止めることですね。今が最上という満足感があれば、過去は気にならなくなります。そのためにも、自分磨きをし続ける必要があります」(杏奈さん)
失恋を誰にも打ち明けられていない場合は、話す機会を作るとよいそうだ。
「男性から恋愛相談を受けると、自分では整理できているつもりでもそうではないことがほとんどです。悲しみや後悔も人に話して受け止めてもらうことで手放せます。その際に、自分の思い込みや余計なプライドに気付かされることもあるかもしれません。今は匿名の電話相談サービスもありますので1人で溜め込まないで欲しいです」(杏奈さん)
女性の場合はどうか。
「未練が執着や後悔になっている人は、『人に話す』『次に活かす方法を考える』『許せない気持ちを手放す』『自分を磨いて自信をつける』ことで、気持ちに折り合いをつけて下さい。執着や後悔が消えると『なぜあの人にとらわれていたのだろう』と感じる人も多いですよ」(杏奈さん)
今回の恋愛する者の永遠のテーマである「未練」に関する取材で、それは男女差なく生じることがわかった。終わった恋愛から湧き出る感情を受け入れ、それを手放すと、軽やかな気持ちで次へ進め成就率も上がるそうだ。苦しい未練も乗り越えるべき試練と受け止め、次の恋愛へ繋げられるとよいだろう。
●専門家プロフィール:杏奈 薫
草食系恋愛コンサルタント。4歳から恋愛オタク。不登校を経て、劇的なモテ体質へ変化した経験を生かし、1回のコンサルティングで恋人ができる人が続出中。テレビ番組「MATSUぼっち」などにも出演。FacebookやTwitter、YouTube、Instagramで「杏奈薫」と検索するとフォローが可能。ブログやLINEも好評。
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