■新鮮さを維持できる保存方法
ユーザーからの投稿にもあるように、大根を冷蔵庫で保存すると数日でパサついてくるのが気になるところである。新鮮さを維持するためには、保存する向きがポイントだとか。
「丸ごと1本保存する場合は、まず全体を新聞紙や厚紙で巻きます。そして葉の部分を上、白い根の部分を下にして、直射日光が当たらない暗い場所に“立てたまま”保存しましょう。大根が畑で育っている状態をイメージしてください」(福来鳥)
畑の環境に近づけることが、新鮮な状態を保つ上で重要なのだ。カットした大根の場合は、保存袋に入れて冷凍保存するとよいという。
「おいしい大根の条件として、葉の付け根がみずみずしく白く光っていることが大切です。それらは『ピカピカ大根』といわれています。もともと水分量が多い野菜ですが、たっぷり水分を含んでいる大根はよりおいしいです。漬物や炒め物で使う場合は、1日くらい太陽に干すと甘味が出ます。野菜の甘味と大根が持つコクが出て、また違ったおいしさを味わえますよ」(福来鳥)
「採りたての状態は、水分をたくさん含んでいていちばんおいしい」とのこと。スーパーや八百屋で大根を買う時は、真っ白で艶めく「ピカピカ大根」を探したい。
■アレンジしやすい大根レシピ
1年中スーパーで見かける大根だが、種類によってその旬は異なるそうだ。それぞれに適した調理方法とあわせて紹介してくれた。
「いちばん有名な『青首大根』は1年を通して旬です。お店で見かける機会も多いですね。漬物をはじめ、さまざまな料理に合う万能な大根です。12月下旬から1月末までが旬の『三浦大根』は、煮物にするとおいしいです。お正月料理にも活躍しますよ。当店でお出ししている『鎌倉大根』は、11月から12月中旬までが旬です。てんぷらやジュースといった変わり種のメニューにも使えます」(福来鳥)
おうちで簡単にできる「福来鳥」おすすめのレシピも教えてもらった。
「まず、大根を3~4cmほどの厚さにカットしましょう。お鍋に米のとぎ汁をたっぷり入れ、強火でアクを取りながら茹でます。竹串が通るほどの柔らかさになったら、水で冷やします。熱したフライパンにオイルを引き、大根の両面に焦げ目が付くほどに焼けば『大根のステーキ』の完成です。みそやチーズなど、好みの味でお召し上がりください」(福来鳥)
トッピングや調味料の組み合わせで、多彩なアレンジが楽しめそうだ。「もう一品」という時に手軽に作れるのが「大根のきんぴら」だ。
「大根をお好みの形にカットして天日干しをします。酒やみりん、しょうゆなど、お好きな味付けで炒めれば出来上がりです」(福来鳥)
愛知県の「守口大根」や石川県の「源助大根」、東京都の「亀戸大根」など、大根には「地方大根」とよばれる品種が日本中にあるという。自分の住んでいる地域の「地方大根」を使ったレシピに挑戦するのもおもしろそうだ。この冬は大根を有効活用し、いつもと違う大根レシピを楽しんでみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:福来鳥
鎌倉に店を構える大根料理店。大根を使ったランチやディナーを楽しめ「大根カレースープ」や「大根のデザート」など多彩な料理が自慢。オンラインショップで「ザ・SOUP大根」も販売している。
画像提供:ピクスタ