
■納豆の食べ方いろいろ
納豆はご飯と一緒に食べるという印象が強いが……。
「納豆自体は淡白な味わいですので、相性の悪い食べ物は見当たりません。どうしてもご飯に合わせるイメージが強いため、醤油で味付けがあたりまえと思ってしまいますが、もっと自由にいろいろなものを試してよいのではないでしょうか」(石井さん)
石井さんによると、江戸時代には主に味噌汁の具として食されていたとのこと。醤油以外で味付けする場合、どのようなものが考えられるだろう。
「オーソドックスなところでは塩、ウスターソース、酢、大根おろし、ごま油、オリーブオイル、マヨネーズ、はちみつ、バルサミコ酢、ヨーグルト。ご飯以外にも、チャーハンやカレー、パンにのせる、そばやうどん、パスタなどに和えるのも、もはや馴染み深い食べ方でしょう」(石井さん)
また、納豆をペースト状にしてソースのベースにすれば、うま味調味料としても使えるという。具体的にどのように使うのだろう。
「例えば、サラダドレッシングにしたり、トンカツなどの揚げ物にかけたり、ソーメンや冷やし中華などのかけ汁やつけ汁などにしたりするのもよいでしょう。ひきわりタイプのドライ納豆でも、サラダや麺類へのトッピング、味噌汁や雑炊などに入れてコクを追加することができます」(石井さん)
白いご飯以外にもカレー、パン、麺類まで広げると、醤油以外の組み合わせがたくさん生まれてくる。和食の域を超え、洋風、中華風などにまで及ぶ。
■トッピングするとおいしいもの
ソースや隠し味にする食べ方は分かったが、納豆を主役にするようなアレンジはないだろうか。納豆をリッチにしてくれる、トッピングのアイデアも教えてもらった。
「トッピング系は、大きさを揃えれば何でも使用できます。揚げ、山芋、大根、きゅうりなども千切りにすれば大丈夫。イカ納豆などもこのバリエーションの一つですね」(石井さん)
なんと、大きさを合わせれば、何でもトッピングできてしまう。
「ほかにも梅干しの刻み、刻みたくあん、野沢菜などの菜漬けの類、奈良漬の刻み。漬物類も合います。しらす、ひき肉のそぼろ、胡麻、天かす、鰹節、おぼろ昆布、いくら、鮭のほぐし、松前漬けやナッツなどもなかなかオツなものです」(石井さん)
納豆は、漬物、肉類、魚介類など、色々な種類の食べ物と合わせておいしく食べられることがわかった。どれも身近な食材ばかりなので、すぐにでも試してみることができるのも嬉しい。
今回の記事を参考に、納豆の新しい食べ方を試してみてはいかがだろうか。やみつきになるほどおいしい組み合わせが見つかるかもしれない。
●専門家プロフィール:石井泰二
国内外の納豆情報総合サイト「納豆wiki」を運営し、日本の地納豆や近代納豆成立について紹介している。