
■食材の知識を深め、食費を抑える
総務省が発表している「消費者物価指数(CPI)2022年1月分」によると、大きく値上りしている項目のひとつは「生鮮食品」だという。
「食費の節約に効果的なのは、『買い物時間を短くすること』と『保存・調理方法の幅を広げること』です。コンビニやスーパーで滞在時間が長い人は、短い人よりもたくさんの商品を購入するというデータがあります。その場で商品を眺めていると、セール品や、新商品、限定品などをつい買ってしまうのです。事前に買うものを決め、なるべく目的のものだけ買うようにしてください」(武山さん)
武山さんいわく、海外の物価上昇に影響され、生鮮食品は今後も値上りが続くと予想されるとか。
「旬の時期に安くなっている食材を購入したり、お買い得品をまとめ買いしておくのもよいでしょう。『まとめて購入すると食材を腐らせてしまう』、『普段使わない食材だと調理法がわからない』という人もいますよね。保存法や調理法についての知識の幅を広げることで、安くなっている食材を活かしやすくなりますよ。わかりやすい解説サイトや動画もあるので、ぜひご活用ください」(武山さん)
「今はこの食材が安い」、「保存すれば何日持つ」という見極めができれば、買い物の選択肢も広がる。お得な商品を活用できるよう、食材に関する知識を日ごろから溜めておこう。
■服飾費はひと月あたりの購入額を決める
衣食住のうち、衣服にかける金額はまとまった出費につながりやすい。どのように調整すべきか。
「服飾費に関しては『ファストファッションや古着を着用する』、『購入する金額を決める』という方法がおすすめです。ファストファッションは、年々デザインがよくなっています。取り扱っている服の種類も増えてきているので、選択肢も豊富でしょう」(武山さん)
「古着に抵抗がなければ、最近充実しているフリマサイトを使うのもおすすめ」と武山さん。
「月の服飾費を『月収の手取りの何%』と決めて購入する方法も効果的です。もちろん割合は人によって変わりますが、私の場合は『手取りの5%以内』に収まるようにアドバイスしています。つまり、手取り25万円の人だと月に12,500円以上は服飾費にかけないようにするのです」(武山さん)
冒頭で紹介した「消費者物価指数(CPI)2022年1月分」では、食費に並んで光熱費の値上りも目立つという。
「光熱費に関しては、電力自由化が進み、各社で価格競争が起こる状態になりました。その結果、ガス代と通信代とをセットで支払うとお得になったり、ポイントが貯まったり、サービスが豊富です。光熱費比較サイトなどを確認し、契約会社を変えることも検討してみてください」(武山さん)
「家計の負担を軽減したい」という相談者に特に効果がある方法は、「家計簿をつけること」だそう。シンプルな方法だが、購入したものを「別のもので代用できないか」、「購入をやめても問題ないか」などを考え、無駄を減らすきっかけとなる。「自分が何にどれくらい使っているか」を把握し、振り返る習慣をつけることが節約への第一歩かもしれない。
●専門家プロフィール:株式会社エイチームフィナジー
「世の中からお金の不安をなくす」というミッションのもとに「ナビナビ保険」や「ナビナビ資産運用デザインゲーム」など金融領域を中心に有益なサービスを多数提供。
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