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俳句にあまり関心がないのですが、新聞で下のような漱石の句を目にしました。
「秋風の聞(きこ)えぬ土に埋めてやりぬ」

<裏庭の猫の墓の近くに埋め、この句を墓標に記す。漱石の書斎から二つ墓が見えた。>そうです。
質問は、漱石の気持ちを教えて下さい。
(不肖・私は次のように解釈しました。秋風の聞こえぬ―すなわち四季の移り変わりの分らぬ―ところに埋めてしまい、漱石は悔やんでいる、と。)

A 回答 (2件)

「やりぬ」には意図的にそうしたという気持が読み取れるので、「埋めてしまい」とはなりません。


俳人でもあった漱石は芭蕉や一門の句にも通じていたと思いますが、例えば、

よもすがら秋風聞くや裏の山(曾良)
一晩中、眠れず寺の裏山に吹いている秋風の音を聞いていると、師匠(芭蕉)と別れた寂しさが身に染みてくる。

これを下敷きに考えると、早く先立った犬がいつまでも漱石を慕って悲しむ事のないように、との願いでしょう。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございます。
「秋風」とは、<漱石を慕って悲しむ事)を意味しているのですね。
<早く先立った犬がいつまでも漱石を慕って悲しむ事のないように、との願い>なのですね。
先人の俳句が、脈々と受け継がれているのですね。

お礼日時:2018/08/26 15:13

この句で検索なさると良いと思います。

おくりがなは省いて、「秋風の聞こえぬ土に埋めてやりぬ」でググるとたくさんの方が背景を解説してくれています。

秋風は一般的には、ものさびしさ、わびしさ、切なさ、夏の終わり、これから訪れる厳しい季節の予感、そういったものを表します。
夏は気温も高く、草木は盛大にしげって生き生きとしています。人間のイベントでも華やかで楽しいイベントがいっぱいです。
秋はこの夏が終わり、実りの時期を迎えてもいますが、厳しい季節を意識せざるを得ない時期です。秋=飽きの連想から男女の別れを意味することもあります。

その秋に吹く風はすでに涼しく、冬風ほど厳しく冷たいわけではありませんが、その分盛り上がっていた気持ちからすっと醒めた寂寥感、喪失感を感じやすい時期です。

とすると、四季の移り変わりを意味してはいないでしょう。
寂しさや厳しさを感じさせないところ、今までの犬との温かく幸せだった思い出だけを思い起こさせるような場所に埋めてやった、と解釈するほうが自然かと思われます。
この句から私は、漱石の、埋めたものとの間のしっかりした愛着、その絆を結んだ相手を失った悲しみ寂しさを強く感じましたが…。
何を埋めたとも書いていないところが秀逸だと思いました。犬を亡くした人以外も共感できる句だと思います。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
「秋風の聞(きこ)えぬ」とは、
<今までの犬との温かく幸せだった思い出だけを思い起こさせる>
と意味するのですね。<しっかりした愛着>(とその他)を詠っているのですね。
人口に膾炙している句に、たまたま新聞の片隅で出会いました。

お礼日時:2018/08/26 17:20

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