現在、高村直助の「会社の誕生」と言う書籍を読んでいます。
下記に引用します。
高村直助の「会社の誕生」 P8
==引用開始==
一八六六年(慶応二)八月、幕府はフランスとの間に六〇〇万ドル借款の契約を結んだが
==引用終了==
と言う文章がありました。
フランスはフランス革命当時からフランが使われ近代まで継続していたので、この時期にはフランでの借款と言うのが正しいのかなと言う違和感があったのですが、これについて丁寧に理解したいです。
自分の作業仮説としては、
1.借款と言えばドル換算で書くのが歴史的な著述における暗黙の了解なので、本当はフランでの借款であった。当時の基軸通貨にあわせて書いた(基軸通貨は例えばで書いたので、当時のドルが強くなければこの説はNG)。
2.フランスは本当にドルレートで借款をしていた。
3.どこかでドルとの交換をしていた。
のどれかかなあ、と思っているのですが、未だ釈然としません。
ネットで調べたところ、どのサイトもドル表記であってフラン表記ではありませんでした。
この辺りの事情をお分かりになる方がいらっしゃいましたら教えて下さい。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
幕末の時代、メキシコを初め中南米で鋳造されていた1ドル銀貨
(正式な呼称は8レアル銀貨)が日本では洋銀と総称されて、外国
との取引で用いられていました。
スペイン領アメリカは銀の産出が多く、銀貨の品質が安定して
いたため、16~19世紀にかけてメキシコドルやスペインドルと
呼ばれて、この銀貨が世界規模で流通していました。
「ドル」というのは、この1ドル銀貨のことです。
イギリスは18世紀後半から金本位制に移行していきましたが、
それ以外のヨーロッパ諸国では19世紀半ば頃まで銀本位制や
金銀複合本位制が採用されていました。銀は価値の基準だった
のです。
この銀貨としてのドルを米国通貨としてのドルと勘違いする人が
多いのですが、そもそも、この時代には米国ドルは、まだ力を
持っていません。英語では"silver dollar"で"U.S. dollar"では
ありません。米国でも、この銀貨が1ドルとして通用したので、
結局は当時の米ドルと同じ価値になりますが。
元々ヨーロッパでは神聖ローマ帝国で鋳造されていたターラー銀貨
が国際通貨でしたが、8レアル銀貨は高純度のターラー銀貨とほぼ
同量の銀含有量であったため、ターラー銀貨と同等の銀貨と捉えら
れ、その結果、英語圏でドルと呼ばれるようになります。
メキシコドルは1854年以降に清に大量に流入していて、当時、
アジアの国際通貨となっていました。もっと前のアヘン戦争でも
清は賠償金としてイギリスに600万ドルを支払っています。
フランが国際通貨として通用するのは、あくまでヨーロッパ諸国に
おいてですが、このメキシコドルはヨーロッパを含め世界的に通用
する国際通貨だったのです。
1866年にはイギリスが香港で香港ドル銀貨を鋳造するようになり
ます。後に明治政府が貿易に用いることを目的として発行した貿易
銀や本位貨幣として発行した銀貨も、メキシコドルの形式や規格を
ほぼ踏襲しているのです。
洋銀
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%8B%E9%8A%80
メキシコドル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%AD …
横須賀製鉄所の約定書においては「ドルラル」("dollar"のこと)
と表記されています。
尚、1858年の日米修好通商条約で決められた交換レートによる金の
流出に関しては、近年の研究では、それほど大きくなかったという
見方が定説となっています。1860年の万延の改鋳によって金含有量
を減らしたことで、海外と同水準に調整されています。
回答ありがとうございます。
おおお〜!!! 凄いすっきりしました。なるほど〜!!!!
英語の「ドル」の発音は「ドル」でも「ダラー」でもなく、「ダゥアァー」だと思っていたのですが、「ターラー」から来ているのなら納得です。かなり腑に落ちました。
No.1
- 回答日時:
おそらく日米修好通商条約における金銀交換レートの取り決め問題の影響だろう。
これは国際交換レートとの差が大きく、日本から米国金融家が大量の金を国外に持ち出して銀と交換するだけで3倍の儲けとなり、その銀を日本に持ち出して金と交換するだけで又々3倍の儲けとなった。これを何度も何度も繰り返すことで米国は国が買えるほどの大儲けとなった。
また大量の金が流出したために日本経済はガタガタになり、幕府は信望を失い幕藩体制が崩壊を招いて明治維新を迎えることとなった。
例えば、米国がロシアからアラスカを買ったのは、この日本から詐欺で収奪した儲けた資金の一部が原資となっている。
また米国リンカーン大統領は、この日本から搾取した資金を軍資金に回してもらって南北戦争に勝利した。
当時の日本は実は世界有数の金満国家であり、米国はまだまだ貧乏な新興国家だったが、ある意味この搾取事件は日米の経済環境を逆転させる契機になったともいえる。
話はこれで終わらない。
1965年に南北戦争が終わると、日本がガタガタになって幕府もガタガタになった状況を観て、必要なくなった中古の武器や軍服を日本に売りつけることを思いついた。
しかし、いくら厚顔無恥な米国金融家も自分が表に立って売り捌くのは止めにして英仏と組んで売り捌くことにした。
薩長には関係が深い英国を通じて、幕府にはやはり関係が深いフランスを通じて売り捌くことにしたのだ。
このように幕末の英仏の動きの背後には、米国金融家が日本から搾取したお金を元手に激しい南北戦争を誘発させ、さらには日本の内戦を加速して中古の軍需品でさらなる大儲けをしようという所謂死の商人としての姿が垣間見える。
このように、当時の世界金融は日本から莫大な金を搾取した米国のドルが幅を利かせていたわけだ。
フランスからの借款とはいえ、おそらくフランスが、米国金融家が日本から搾取した金を借りて日本に又貸したものだろう。話としては、幕府は元々日本のカネだった資金を借りたことになる。
だから借款にも米ドルが使われた。幕府の借款先は、実態としてはフランスではなく米国金融家だったのではないかと思われる。
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