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友人に溶接経験者がいて、15mm以上の厚みがあるS45Cの部材同士で溶接ができるか聞いてみたところ、問題ないとのことだったのですが、ネットでいろいろ情報を調べている内に気になる点を発見しました。
それは炭素量を比較的多く含む鋼材の溶接でビード部の低温割れです。
これは溶接後、室温に戻るまでの間や室温に戻ってから数時間~数十時間経過した時などに起こると言われているようですが、他では耐衝撃などを求めない場合はさほど気にする必要はないとも書かれていて、実際の使用法に耐衝撃が求められないなら問題ないのかとも思いますが、中炭素鋼を突合せ溶接部で、溶接後の時間経過後に低温割れが起こり易いという部分が気になって仕方ないです。
溶接する金属の低温割れはルートやビードの谷間の縦割れ、横割れなどがあるので、割れ防止に母材を200度まで予熱し、後熱なども考慮に入れながら溶接するのが望ましく、耐衝撃が求められる場合は、溶接後は最終的に部材を焼き鈍しするのが理想だとも書かれていました。
それを友人に話しましたが、耐衝撃を求めないならそんなことは問題ないと言いつつも、低温割れに関しては、「それは解ってる」とは言いませんでしたが、「割れた事なんてない」とは言ってました。
溶接後の割れを実際に経験していないからかも知れませんが、数をある程度こなしていている中でその予熱方を知らないか試みずに今までに失敗がないのなら、本当にS45Cは低温割れを起こしやすい部材なのかが疑問です。
実際の話しどうなのでしょうか?

質問者からの補足コメント

  • うーん・・・

    なるほど詳細ありがとうございます。
    材質落とすか悩んでますが、低炭素も高炭素材もヤング率は一定の様なので、あまり極端な負荷が掛かり続けなければ、設計上で材質選択を神経に考慮する必要はないのかと思い始めました。
    ●溶接された板は、0~50㎏前後の断続的な捻じれや曲げの力の作用を取り付けられた部品直下で受ける。部品は溶接でその板に取り付けられており、板と部品の接合は、厚みが互いに15mm以上で接合面積は凡そ100mm四方です。板側は常に取り外しができるようシャシーにボルトで固定されます。
    ●S45Cは振動吸収の目的で最終的に硬い素材として選択しただけです。
    SS400でも役を果たせれば材質落とそうと考慮中です。
    もしSS400なら、素人溶接でも予熱無しで溶接棒の種だけ念頭に置けば低温割れの可能性は皆無ですか?溶接技術は未熟ですが、SS400なら自分でやろうと思うのです。
    よろしくお願いします。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2021/05/15 17:54

A 回答 (2件)

S45Cの溶接は、ワタシは発注先を吟味してやっています。

端的に言って、初心者や高炭素鋼材の特性を知らない(勉強する気が無い)者に溶接してほしくないからです。

※S45Cは、中炭素鋼なのか高炭素鋼なのか意見が分かれるところですが、S45Cから溶接の予熱/後熱両方が必要とされるので、高炭素鋼と見なしてよいでしょう。

※御指摘通りS45Cの溶接は、割れやすいのは確かです。
 高炭素鋼の低温割れは、溶接による熱硬化が原因なので、厳密に言うと衝撃荷重かどうかは関係ありません。応力集中部があると、割れる可能性があります。

※実際に『熱処理ナシ』で割れるかどうかというと・・・実際に割れたことがあります。
 但し『ギリ中炭素鋼』とも言えるS45Cでは、高温クラック・低温クラック共に発生頻度は高くなく、高炭素材の溶接回数をあまりこなしていない作業者は、『S45Cでもフツーに付けられる』と考えがちです。
 しかし理論上は、それは『たまたま』壊れなかっただけで、低炭素鋼の溶接や、溶接後の熱処理を行ったものと比べると、クラックの潜在的な危険性は高いと言えます。

※設計で、ある程度クラックを防止出来る方法もあります。(但し、どれほど効果があるか?は同じ部材で溶接を変えて比較実験をしたことが無いので、何とも言えませんが・・・・)
 具体的には、捨てビードを取る、或いは捨てビードが取れない場合は、母材のキワまでビードを乗せず手前でやめる、溶接棒を選ぶ、などです。
 捨てビードは、例えばホンダさんのバイクのフレームでよく見られ、ビードを短くするのは、いすゞさんがトラックのフレームに取り付ける高荷重ブラケット類でやっている方法で、どちらも応力集中部を作らない工夫です。
 溶接棒は、耐割れ性を考慮して、低水素系の素材のものを選択します。また高温クラックがあるので、なるべく低電流で溶接する様にします。(当然溶け込みが浅くなりますが、その妥協点を状況に応じて見出すのが溶接技能者のウデであって、そんなところも『発注先を吟味する』理由です。)

‣・・最後にアドバイスするとしたら‣・・結局のところ、その部品を設計した時に、どれほど安全係数(或いは負荷倍数)を取っているか?にかかっています。

 限界ギリギリで軽量な設計なら、溶接クラックを考慮する必要があり、予熱/後熱処理をした方がよいですが、設計がかなり安全寄りなら、敢えて熱処理をしないという選択もアリです。

 まぁS45Cほどの硬い材料を使うということは、強度的には結構厳しい部品ではないかと想像されるので、予熱/後熱処理は『お守り代わり』としてでも、やっておいた方が無難だとは思います。(S45Cがオーバースペックなら、比較的低炭素のSS400を使った方が安いし溶接し易いです。SS400は基本的に板材ですが、t=22ぐらいまでは出回っています。)
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

詳細ありがとうございます。
なるほどそういうことですか。。。S45Cはオーバースペックなんですかね。
硬さは振動吸収の目的で選択しました。
その役を果たせれば溶接し易い手間の掛からない400でも問題ないのですが、硬い素材の方が曲げや捻じれに対して抵抗できるのかと思って選択しました。

お礼日時:2021/05/15 18:01

S45Cは炭素がたくさん入った鋼材ですから、溶接したら焼きが入って割れやすくなります。



一般的に溶接加工する鋼材の含有炭素は0.3%以下ですが、0.45%前後の炭素を含んだS45Cは「予熱することにより溶接は可能」という中炭素鋼に分類されます。

そして溶接後は焼き鈍しをして割れ対策を行い、さらに焼きを入れて指定の硬さにするなど、溶接前・溶接後に手間のかかる鋼材です。
したがってよほど硬さが必要な場所にしか使われません。

でもS45Cは中炭素鋼・高炭素鋼のホンの入り口で、S55CやS60Cなど炭素の多い鋼材も溶接しますから、熱処理に注意すれば大丈夫ですよ。
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この回答へのお礼

詳細ありがとうございます。
どこまで硬さを求めれば良いのかは疑問です。
S50Cは市場でよく見かけますが55Cとか60C辺りは材料屋でまだ掲載見たことないです。
ただ熱処理だけすれば、耐割れ見込んで炭素量気にすることなく溶接できるのは将来的な一つの選択肢として知識の定着になりました。

お礼日時:2021/05/15 18:09

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