いずれ持ち家を持ちたいと思っている者です。
最近一つ気になる中古物件を見つけました。
ど素人な上、知識もないため、疑問に思ったことを販売元の不動産屋さん以外の方に、客観的なアドバイス頂ければと思います。
気になる物件というのが、RC構造で連棟式住居です。連棟式のため個別の建て替えはできません、と記載があります。既に築20年以上経っており、昨年末全面リフォーム済みとありますが、
◎この先、このような住居だと、建て替えせずあとどのくらいもつものなんでしょうか?
◎リフォームしたことにより、強度(?)や寿命は延びるものなんでしょうか?
◎いざ購入したとして、簡単な修繕でも定期的に続ければ、寿命は延びるでしょうか?
素人のため漠然とした情報のみで、判断しづらいと思いますが、平均的な話で結構ですので教えてください。
No.3
- 回答日時:
実際モノはみてきましたか?
金額はいくらですか?
この二つが揃っていないと、なんの意味もありません。
普通に考えてそんなもんだろう、そうするだろうとしか思いません、
RC構造だし、場所がよければ決めてもよいと思います。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちわ
建物の寿命って、あちこちで色々に書かれていてとても気になりますよね。
私たち消費者に一番身近なのが税務署での固定資産として評価される「耐用年数」ですよね。
税務署では住宅の場合47年で、事務所等は50年が鉄筋コンクリート建物の耐用年数だとされています。
http://www.jfast1.net/~nzeiri/syokyaku/taiyo_tat …
(98年に短縮されたので、それ以前は65年、60年で規定されていました)
一方、建築工学での材料としての鉄筋コンクリートの寿命は60年が常識と計算されていたりします。
ところが新幹線のトンネルや高架が竣工してから十数年でぼろぼろになってしまった事件は有名ですね。
これは一体何から計算してるんだろう?と個人的にいろいろ根拠を調べたことがありました。
建築工学の60年という数字は、「コンクリート中性化」の進行が60年目に2センチ下の鉄筋に達する、
=鉄筋がさびて、RC構造は寿命を迎える、
・・・という計算なのだそうです。
コンクリートの中性化とは何か?というと、本来強いアルカリ性で健全性を保っているコンクリートですが、空気中の二酸化炭素(主に中で住んでいる人間が吐く息)に当ってアルカリ度を徐々に失い、中性になってしまうことをいいます。
・・・さてどうして60年なのか?ですが、これは2センチの厚さ(かぶり)があるコンクリートが鉄筋に当るまで、
つまり深さ2センチまでアルカリ消滅が達するのがおよそ60年、というシミュレーション計算結果が昭和のはじめごろ立証されたことが根拠らしいです。
・・・なので、かぶり厚が2センチ以上あればもっと長寿命で、それより少なければ比例して下げて考えれば良い、という原則が成り立つことになっています。(普通の建物の地上部分は2センチの「建て前」です)
・・・ところが新幹線事件のように、完成からいくらもたたないうちにダメになってしまう木造より弱い(?)RCが現に存在したりおかしいじゃないか、ということが起きて混乱しますね。
これは建設された年代で、当時の世相から大体寿命がわかるようになってるんだそうです。
戦前にできたRCだと、非常にすばらしい材料(極上の川砂)が自由に採取できたので「理論値」通りか、それを超える寿命が保たれているようです。
昭和40-50年代にできたRCだと、こんどは建設ラッシュの材料不足と石油ショックの物価高騰で安い海の砂を使うようになりました。これが海砂の塩分による鉄筋崩壊を起こして問題になりました。
昭和60年代以後になると海砂はいけないことが判明したので、塩分をきちんと洗浄した砂を使うようになったのですが、それでも問題が起きることがわかって業界が騒然となったそうです。これが今でも問題が長引いている「アルカリ骨材反応」という問題です。
これは特定の硅素を含む砂がコンクリートの自己崩壊を起こしてしまうのですが、同じ砂でも問題が起きる場合と大丈夫な場合があって大変業界の人々を悩ませたそうです。
今では「乾式製造法」というセメントの省エネ製造法が原因で、セメントのアルカリ分がよけいに濃縮されてしまうことがアルカリ骨材反応を起きやすくしていることがわかって、平成以後に建てられたRCでは工夫がされている一応の建て前になっています。(今後どんな問題が出てくるかまだ誰もわからないといえそうです…)
・・・ですので買い手の私たちができるチェックポイントとしては…
まず、「かぶり厚さ」がかならず2センチ以上あることを確かめてみましょう。
これは難しそうですが、各地の市役所の建築指導課などで「鉄筋探査機の貸し出し」を実施している自治体が多くなっていますので、まずお住いまたは購入予定の自治体に相談してみてください。
私の経験では、ちょっと操作がむずかしいので2、3日ぐらい借りるようにしてあらかじめ近所の電柱などを実験台に操作練習してみるといいです。
実はコンクリートが鉄筋から2センチない工事、というのも結構ざらにありますのでこれが困ります。
賃貸マンションだったら出ていけばよい訳ですが、自己の資産になるととんでもないはずれくじを引くことになります。
自治体の無料貸し出しが運悪く使えない場合には、民間のレンタル屋さんで相談してもいいと思います。
「昨年末全面リフォーム済み」という内容が、内外装だけなのか、コンクリート構造まで含んでいるかが問題の焦点ですが、2センチのかぶり厚がない建物に、さらにセメントを盛る、ということが事実上なかなかできないので、どうしても鉄筋の浮いて見えてきた部分だけ補修用セメントで直す、ということしかできないのが現状です。
また、海砂やアルカリ骨材反応の問題は、かぶりの厚み以外にのしかかってくる根本的な問題ですので竣工年代から大体予想してみるしか防御策がなさそうです。
>◎この先、このような住居だと、建て替えせずあとどのくらいもつものなんでしょうか?
これは長々と書いてしまい申し訳ありませんが、上記の経過を考えあわせてみてください。
>◎リフォームしたことにより、強度(?)や寿命は延びるものなんでしょうか?
単純な考えで、天然の環境で起きる「中性化」の進行を食い止めるために、二酸化炭素がコンクリートの地肌に接触しないような膜をつくることは延命になると思います。
(しかし、二酸化炭素の遮断を保証しているリフォーム工事が現実にあるのかどうか疑問のほうが大きいと思いますので、ここは純粋にコンクリート自体の寿命のバロメーターであるかぶり厚で考えたほうがいいと思います)
>◎いざ購入したとして、簡単な修繕でも定期的に続ければ、寿命は延びるでしょうか?
今の所、RC構造のメンテナンスは「鉄筋がさびることを防ぐ」のがほとんど全てになっています。
ですので、鉄筋のさび劣化の防止については、まめな修繕が寿命の延期につながってくれることになりそうです。
しかしアルカリ骨材反応が発生している物件の場合は、中身から駄目な癌の状態、ですので、補修でどれだけ保ってくれるか、まだ今後のなりゆきを見守っていかないとわからないようです。
(街を歩いていて、まだそんなに寿命でもないビルなのにもう取り壊しなの?と思う建物は、この問題で取り壊し建て替えになっている例が多いみたいです)
アルカリ骨材反応の問題はかなり深刻ですので、立地条件などですぐに決めてしまう前に、よく予習されてからじっくり選ばれたほうがよろしいと思います。
どうぞ、一生の御買い物として悔いのないようになさいますことをお祈りしています。
お礼が遅くなり申し訳ありません。
この度は、誠に丁寧ににお答えいただき有難うございました。
初めて知ることも多く、大変ためにになりました。
今後の家選びの参考にさせていただきます。
No.5
- 回答日時:
基本的にRCは60年程度の寿命といわれています。
しかし先の回答にあるように様々な問題により、早く寿命を迎えてしまうケースもあります。
また施工上や環境上の問題からひびわれが発生しそこから中性化や鉄筋の錆の発生などにより寿命を速めている物もあります。
なお、アルカリ骨反応については、昭和62年にJISで材料の特性を試験方法が規定されていますので、その結果大丈夫となった材料でしたら、それほど心配する必要はないと思います。
中性化などは復元する技術もありますし、塩害についても脱塩工法もあります。費用を投じれば長寿命かはかなりできると思いますが、どこまで劣化しているかが問題で、これは建設時の材料などの問題だけでなく、その後の劣化状況にもより(例えば沿岸地域では外部から塩分の侵入の可能性があり劣化が早い)、劣化は今までのメンテナンス状況により大きく左右されるケースですので、メンテナンス記録は要チェックです。
ちなみにコンクリート構造物に関してはリフォームというと一般的には内装など仕上げや設備機器の修繕などを指しており、あまり表面に見えない構造自体の修繕は意味していないことが多いので、リフォーム済みといっても構造的なメンテナンスが行われているかどうかは別問題です(通常コンクリート建物の構造に関する修繕に対しては「補修」または「リニューアル」という用語が用いられます)。
劣化や寿命以外にもう1つ問題があるのは、以下の点です。
>RC構造で連棟式住居です。連棟式のため個別の建て替えはできません、と記載があります。
これはおそらく区分所有法が適用される区分所有建物(いわゆる分譲マンションなど)に該当する物件である可能性が高いです。
区分所有建物は建物のある土地や建物の構造を共有している関係上、法律上その各住戸の所有者全員の共有物として扱われます。このため、集会を開いて所有者の3/4以上の賛成決議を得なければ、共有物の変更はできないことになっています。
すなわち、自分の部分を修繕したいと思っても、共有部部に当たるところは勝手に修繕できないことになっています。
共有部分というのはかなり広い範囲が適用され、柱・壁・床・梁などといった構造物だけでなく、窓ガラスも玄関扉も、共通する設備部分も共有物です。
区分所有法に該当する建物でしたら、以上のように分譲マンション同様の扱いとなりますので、リフォームするにも他人の許可が必要になることがあります。
また、共有部分を補修する場合、自分とは直接関係のない部分でも(例えば他の住戸のガラスが台風で割れたときなどその修繕費)、一定の割合で費用負担をする必要があります。
このため分譲マンションなどでは、修繕積立金などを行っていますが、質問のケースのような場合、一見マンションのように見えないため、戸建て間隔で居て管理組合などを設けず、管理を行っていないケースもあります。
以上のように区分所有建物かどうかは重要な点ですので、戸建て間隔で購入すると痛い目に遭うこともありますので、この点は確認する必要があります。もし区分所有建物でしたら修繕積立金の状況など管理状況をよく確認することも必要です。
最後にもう1点、築20年以上と書いてあるのでよくわかりませんが、今から25年前の1981年に耐震基準が変更になり、それ以前の物の中には現在の耐震基準を満たさない物件が3割ぐらいの確率であるそうです。
だから漠然と20年以上というのではなく、きちんと確認申請が行われた日を確認することも重要です。
購入前には
1)過去のメンテナンス状況
2)区分所有法などによる所有権の関係やそれに関する管理状況
3)耐震基準の関係
をチェックすることが必要だと思います。
お礼が遅くなり申し訳ありません。
この度は、誠に丁寧ににお答えいただき有難うございました。
ご意見を伺い、客観的に物件を見直すことが出来ました。
今後も、このご意見を家選びの参考にさせていただきます。
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