幼稚園時代「何組」でしたか?

ヒロスエ映画「わさび」で話題な映画監督リュック・ベッソンが、「フィフスエレメント」で出会い「ジャンヌダルク」撮影後たった2年ですぐに女優ミラ・ジョボビッチと離婚、というニュース。皆さんも記憶に新しいと思います。そこで西欧人の宗教観に疑問なのですが。

カトリックのイタリア人は簡単に、中絶はもちろん離婚できないと聞きました。フランス人も同じラテン系旧教国なのに、なぜベッソンはすぐに離婚した?抵抗はあったのだろうか?宗教の影響力は今ではかすんでしまったのだろうか?

A 回答 (1件)

 


  イタリア人とフランス人で、国民気質の違い、文化の違いなどはあると思えます。しかし、「宗教観の違い」というのは、それほどないと言うのが正しいと思います。ローマ・カトリック教会の信仰についてなら、イタリア人の方が、より身近に感じ、生活に浸透しているということはあるかも知れません。歴代教皇は圧倒的にイタリア人ですし、枢機卿もイタリア人が多く、ヴァティカンの役職にあるのもイタリア人が多く、第一、ヴァティカンの公用語または日常語は、ラテン語とイタリア語のはずです。
 
  イタリア人には、それだけ教皇庁が身近にあるということですし、ローマ・カトリックの信仰も、生活のなかに密着しているのだと云えます。フランス人も、無論、カトリック信徒の人は、宗教が生活に密着しているはずですが、都市に住むカトリックの人などは、生活への密着さが薄れているのかも知れません。
 
  それはとまれ、ローマ・カトリック教会は、信徒に、「離婚・中絶」を公式には認めていません。信徒もそれに従うべきでしょう。しかし、イタリアもフランスも、「信教の自由」はあるのであり、無神論者だと言って、国外追放になる訳ではありませんし、カトリックの戒律を守らなかったからと言って、そう簡単に「破門」されたりはしません。無論、信徒として相応しくないというので、「破門」されることはあるかも知れませんが、それは、赦しを請えば、教会は、信徒への復帰は許してくれるはずです。
 
  問題は、特定個人について、その人が果たしてカトリック信徒かどうかも分からないのでは、カトリックの教義は関係ないのではないかということです。イタリアやフランスが、カトリック信徒の圧倒的に多い国であるのは事実ですが、別に、その国の国民だから、カトリック信徒とは限らないのです。また仮に信徒としても、色々な考え方があり、「堕胎」はかなり重い問題ですが(教皇庁も、これについては、強硬な姿勢を示しています。堕胎を容認しようという進歩的枢機卿でも、教皇になれば、不寛容にならざるを得ません)、「離婚」については、教皇庁も、あまり強制的には信徒に求めていないというのがあります。これは、イタリアでもフランスでもそうです。
 
  イタリアでもフランスでも、離婚したい場合、「結婚が正式に成立していない」ということを証明して、正統に離婚(というか、結婚していないのだから、いままでの間違いを修正する)ことが、古くから行われていました。
 
  「結婚が正式に成立していない」とはどういうことかと言えば、「結婚」に必要とされる条件が、実は満たされていなかった、ということで、これは、イタリアやフランスでは、将来の離婚の可能性も考え、結婚の時、わざと条件を満たしたかどうか、曖昧な状態に、司祭もするという例があるようです。有力者同士の結婚で、離婚が見込まれる場合は、元々、条件を厳密にしておかないと言うことで、離婚の必要が生じると、その条件の曖昧さで、「結婚は成立していない」と宗教上はなり、世俗法律上は、婚姻の解消=離婚ということになり、どちらも問題ないということです。
 
  これは、カトリック信徒で、事情がある場合にこうするので、そのこと自体が、それほど大きな問題だとは考えられていないはずです。「事情がある場合」というのが重要で、どうしても合わない夫婦を、そのまま離婚させないでおくよりも、宗教上も、結婚は成立していなかったとして、離婚を認める方が、教会としても、信徒の要望に応えることになるのです(そういう考えを、カトリック内部でも取る人が増えているはずです)。
 
  まして、そのベッソンという人が、もしカトリック信徒でない場合は、離婚しようと何をしようと、個人の自由ということになります。
 
  イタリア人はすべてカトリック信徒ではありませんし、フランス人もそうです。無神論を標榜したり、プロテスタント信徒になる人もいれば、イスラム教徒や、なかには仏教徒も稀にはいることでしょう。また、たとえ、カトリック信徒であったとしても、個人によって、信仰に考え方の区別があり、映画監督などになれば、独自の思想を持っている人が多いでしょう。
  
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この回答へのお礼

早速のそれも詳細なお返事、大変ありがとうございます。

>「結婚が正式に成立していない」
なるほど契約を曖昧にして逃げ道を用意するケースもあるんですね。
いやー勉強になります。

>個人の自由
いや確かにそのとおりですが、伝統的な西欧の国って、因襲とか社会通念で
がんじがらめという印象があったので。旧教圏内において少数者として
メディアに叩かれたりとかあるのかな、そういった意味で内外からの抵抗感
の様なものがあったのかなと、思いました。

大変参考になりました。ありがとうごさいます。

お礼日時:2002/03/23 15:10

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