この人頭いいなと思ったエピソード

 昨今狂犬病が話題になってますね。
 日本では犬への狂犬病ワクチンの接種が義務付けられてますが、
狂犬病は全ての哺乳類に感染可能なので、「犬にだけ」
ワクチン接種しても、感染予防としてはあまり意味を
成さないのでは?と思われます。
 そこで質問ですが、何故他の動物には、これらの義務が
ないのでしょうか。また今後義務化がなされる動きは
ないのでしょうか。どなたかご存知でしたら、よろしく
お願いします。

A 回答 (12件中1~10件)

 獣医師です。

狂犬病は専門外なのですが(専門の人なんて日本には数人しかいませんが)、一応専門的知識は持ち合わせていますので、ちょっとみなさんの回答に補足します。

 馬は普段から人を咬みます。牛や猫は普段は滅多に人を咬むことはありませんが、発症すれば咬むこともあるでしょう。また、咬む咬まないに限らず、家畜を扱うときは大量の唾液には暴露されることが多々あるので、狂犬病が入ったら間違いなく脅威になります。

 日本の場合、野生動物に狂犬病ウイルスが侵入することがなかったので、疫学的に犬だけ重視していれば十分である、ということが現在に至るまで犬のみにワクチン接種が義務づけられている理由です。

 野生動物の間で狂犬病が蔓延している国(多くの国がそうです)では、狂犬病対策はもっと複雑です。
 牛にワクチン接種を実施している国もありますし、ドイツやスイスではワクチンを混ぜたエサを蒔いて野生キツネにワクチン接種を行っています。
 吸血コウモリが狂犬病を保有しているような地域(ラテンアメリカ)では、その洞窟ではウイルス濃度が非常に高くなるため、エアロゾルで感染してしまうといった恐い話もあり、そういう地域では家畜に抗凝固剤を投与し、その動物の血を吸ったコウモリが死ぬような対策をとっているそうです。

 これに対し、野生動物にウイルスが侵入していない日本では、最も他の動物や人間にウイルスを感染させやすい動物、すなわち最も人間の身近に多数いて、人や他の動物を咬みやすい犬を対策しておけば十分、という事情があるわけです。

 もう4年ほど前、韓国の獣医さんと狂犬病について話す機会があったのですが、あちらでは野生のタヌキが狂犬病を持っている確率が高く、感染したタヌキが里に下りてきて牛舎に入り(エサを食べるため)、牛に噛みついて牛の狂犬病が年に何頭か発生するそうです。
 その獣医さんも実際に見たことがあり、どんな症状か詳しく聞いたのですが、BSEと見分けが付かないですね。
 診断するためには当然、その牛を殺さなくてはなりませんが、発症している牛なんて手が付けられず、危険なウイルスを保有していることも相まって非常に恐いそうです。まあ私も扱うならBSE感染牛の方が100倍マシ、と思いますが・・・

 ですから狂犬病がもし入ってしまって、しかも野生動物にまで侵入してしまうようなことがあれば、もっと複雑な対策が必要になるでしょうが、現状では犬さえ抑えておけば大丈夫、というわけです。
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この回答へのお礼

 獣医師様からの回答有難うございます。
 イヌ以外の伝播に関する情報ありがとうございました。
少し腑に落ちました。
 所で、狂犬病に関する法律は、戦後制定されたものですよね。
戦前の日本では、ネズミやタヌキ等の野生動物が、ウイルスを保有
し得るなかったんでしょうか?何らかの理由があるんでしょうか?
或いはウイルスは、戦後海外から入ってきたとか?
これに関しては興味があるので、自分でも引き続き調べますが
もし何かご存知でしたら教えてください。

お礼日時:2006/11/23 18:42

 No.11さん、



>本来は人間側が接種するものなんじゃないかと思います。
>でも副作用が強いとかで犬に接種する事になったと聞いたことがあります

 それは違います。人間側で接種しなくて良い理由は、他の回答を読んでいただければお判りになると思います。
 副作用については、大昔のワクチンにはありました。感染動物の脳材料で作っていた時代の話ですが。現在では他のワクチンと同様、培養細胞で作られています。
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こんにちは。


本来は人間側が接種するものなんじゃないかと思います。
でも副作用が強いとかで犬に接種する事になったと聞いたことがあります。
接種するにしても(犬に)毎年は必要ないでしょうね。
回答じゃなくてすみませんm(__)m
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この回答へのお礼

 回答有難うございました。
確かにワクチンは、年一回する必要はないかもしれないですね。
まあでも、免疫応答がどの程度維持されるかは知りませんが、国が推奨している接種時期が年一回というなら、その期間しか持たないことが
科学的に検証されているのでしょう。

お礼日時:2006/11/27 18:44

 Jagar39です。



>犬より人に対する感染力が強い動物」がいることも当然考慮せねばならず

 これに対してkudann2001さんは、ウイルスの変異とか強毒株のことを持ち出されましたが、本当はここは動物側の要因を考慮すべきところです。

 動物側で考慮すべき要因は2つ。「感受性」と「ウイルス排泄量」です。

 まず感受性ですが、同じウイルスでもほんの少量暴露されただけで感染してしまう動物と、大量のウイルスに暴露しなければ感染が成立しない動物、さらに大量のウイルスに暴露しても感染しない動物、と"感染に必要なウイルス量"が動物によって異なる場合があります。

 次にウイルス排泄量ですが、同じウイルスによって発症しても排泄するウイルス量が違えば、それだけ「次の動物に感染させる汚染源としてのリスク」が違ってきます。

 極端な話、感受性が高くて排泄量が多い動物が存在すれば(少量のウイルスで感染し、発症すれば大量のウイルスを排泄する)、その動物種はそのウイルスの「増幅動物」となり、防疫上極めて重要な動物種になります。口蹄疫というウイルス病での豚が典型的な増幅動物です。

 「犬より人に対する感染性が強い動物」という場合、人の感受性の方は変わらないわけですから、問題視されるべきはその動物種のウイルス排泄量、ということになるわけです。

 で、私が「考慮する意味がない」と書いたのは、このウイルスは咬傷による感染で、接触とかエアロゾルによる感染ではないので、ウイルスの排泄量より「咬まれるような接触があるか否か」の方が大きな問題になるわけです。咬まれれば全てのほ乳類が相互に感染させることができるのは既にわかっている事実ですから。

 というわけで、この段階ではまだ「ウイルスの変異や強毒弱毒」といったレベルまで話が辿り着かないわけです。

 動物種による感受性及びウイルス排泄量、またウイルス株による病原性の違いといったことは、当然研究されてデータも存在し、論文発表もされているでしょうが、それこそ私は狂犬病の専門家ではないのでそこまでは詳しくないです。
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この回答へのお礼

 再度ご丁寧な回答感謝します。
成程、jagar39様の言うことはよく理解できました。
 ところで現在、公的機関の方に質問を(当初の質問内容)
している最中ですが、返事がまだなので、一旦この質問を締め切ろうと
思います。
 当初の質問は、jagar39様始め皆さんの回答から、納得することが
自分なりに納得することが出来たと思います。
 それでは有難うございました。

お礼日時:2006/11/27 18:48

 Jagar39です。


 No.8のwarudoriさんの回答で概ね正しいです。
 ただ、私はウイルス屋なのでウイルス学的な間違いをそのままにすると気持ち悪いので訂正しておきます。

 まず一点目ですが、狂犬病ウイルスの増殖組織は唾液腺ではありません。
 咬傷により感染が成立すると、まずその部位の筋肉でウイルスは一時増殖し、その後神経に侵入し、脳(中枢神経)に達し、そこで再び増殖します。
 脳で増殖したウイルスが神経を伝って唾液腺にも出現する、ということです。唾液腺で増えているわけではありません。

 このことが何を意味するか、というと、感染しても発症していない動物に咬まれても、感染する危険性は小さいということです。クリティカルには発症前だけれども唾液腺からウイルスが排泄されている、というタイミングはあり得ますが。

 もうひとつの意味することは、咬まれてから筋肉内でしばらくの間一時増殖していますので、その間に免疫を付与すれば発症することはない、ということです。咬まれた後のワクチンが有効なのはこの理由によるものです。
 神経に侵入されれば、基本的にウイルスを排除する手段はもうありません。

 二点目。
 >犬の細胞で出来た狂犬病ウイルスと他の動物の細胞で出来た狂犬病ウイルスでは人への感染力に違いがでる可能性がある

 聞いたことないですね、そんな話は。
 元々狂犬病ウイルスは、ほぼ全てのほ乳類で感染することが既に確認されています。
 世界的には犬からの感染が最も多いですが、他の動物からも感染は報告されていますし、先に書いたように吸血コウモリからは咬まれることだけでく、エアロゾルによる感染、すなわち接触しなくてもコウモリがいる洞窟に入っただけで感染した例も報告されています。

 元々全ほ乳類の細胞に親和性を持つウイルスですから、動物種による人への感染力の差というものはあまり考慮する意味がありません。
 また、それを考慮しなくてはならないのなら、「犬より人に対する感染力が強い動物」がいることも当然考慮せねばならず、狂犬病対策を犬だけに絞る根拠が危うくなってしまいます。
 というわけで、ここだけはその獣医さんの勘違いかと。
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この回答へのお礼

 ありがとうございます。
 ウイルス屋さんですか。いや、よくわかりました。

 >犬の細胞で出来た狂犬病ウイルスと他の動物の細胞で出来た狂犬病ウイルスでは人への感染力に違いがでる可能性がある
 聞いたことないですね、そんな話は。
↑やはり、そうですか。それから、
また、それを考慮しなくてはならないのなら、「犬より人に対する感染力が強い動物」がいることも当然考慮せねばならず、
↑これはでも、あり得ませんかね?狂犬病の変異とか、強毒株は
あまり問題にならないんですか。

お礼日時:2006/11/23 22:24

昔、獣医師に聞いた話ですので記憶の間違えが多少あるかもしれませんが参考まで・・・。



・検疫や犬への接種徹底により日本の狂犬病対策に何ら問題は出ていない。法律を改正して他の愛玩動物にまで接種義務を増やす必要がない。行政がペットの猫の登録まで管理するとなると大がかりな作業となり予算もかかる。
・人間に対する狂犬病ワクチンも開発されている。狂犬病ウイルスは特殊で、噛まれた後に直ぐワクチンを接種することでも予防が出来る。
・狂犬病ウイルスは唾液腺付近で増え、噛みつく事で感染する。一番危険なのは犬であり、現時点の日本では猫での問題は起きていない。
・狂犬病が細菌ではなくウイルスによって引き起こされる病気であるという事。細菌と違ってウイルスは自ら増殖する事ができず、宿主細胞に自らの遺伝子を送り込む事によって自らのコピーを作ってもらう特徴がある。
そのため、犬の細胞で出来た狂犬病ウイルスと他の動物の細胞で出来た狂犬病ウイルスでは人への感染力に違いがでる可能性がある。

私は上の理由で納得しています。
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この回答へのお礼

 回答有難うございます。
 成程そうですか。でも
・そのため、犬の細胞で出来た狂犬病ウイルスと他の動物の細胞で出来た狂犬病ウイルスでは人への感染力に違いがでる可能性がある。
↑これは、本当ですかね。種特異性が見られないウイルスなのに、そんなことがあるんですかねえ。どうなんでしょうか。

お礼日時:2006/11/23 22:13

 Jagar39です。



>戦前の日本では、ネズミやタヌキ等の野生動物が、ウイルスを保有
し得るなかったんでしょうか?何らかの理由があるんでしょうか

 元々日本には狂犬病ウイルスが存在せず、戦前~戦後に狂犬病が侵入したときも、犬から野生動物には行かなかった、ということでしょう。
 犬から野生動物に感染が拡大するには、野生動物と犬が接触すること、その時犬が感染していること、接触した野生動物と犬が闘争すること、という条件が必要ですが、日本に侵入した狂犬病ウイルスの件数自体が少なかったので、運良く野生動物には行かなかった、ということでしょうね。

 野生動物に行ってしまえば、野生動物から再び人間界にウイルスが侵入するルートは多数あります。
 牛や羊は山に放牧されることが多いので、タヌキやキツネにウイルスが侵入していると、これらの家畜から人間界に再び侵入するリスクが高いです。すなわち、狂犬病対策も牛や羊に対して何か手を打たないといけないでしょう。
 タヌキは放牧でなくても牛舎にはよく侵入しますよね。そこでエサを牛と争っていたりします。しょっちゅうではないですが、足に咬傷がある牛を見かけます。

 日本は島国なので、陸伝いに野生動物が侵入することはなく、狂犬病の防疫対策上はたいへん有利なのです。
 日本の他に狂犬病を根絶させている国は、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ(国じゃありませんが)など、島国ばかりです。(でもオーストラリアを島国というのはちょっと違いますよね・・)
 さしづめ、ニュージーランドに狂犬病が侵入、野生動物にまで定着してしまったら、全ての羊に対してワクチン接種、という対策を取ることになるでしょうね。

 そんなわけで、感染した動物は犬に限らず全ての動物でリスクはあまり変わりません。
 しかし疫学的に日本では、犬を押さえておけばほぼOK、という状況であるわけです。

 狂犬病の疫学の歴史については私もそれほど詳しくはないので、何か判ったら教えていただければ嬉しいです。
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この回答へのお礼

 再度お返事有難うございます。
 ネットで検索してみた所、かなりの所まで調べることが
出来そうです。また厚生省か農水省等に問い合わせてみようと
思います。詳細は後日、こちらに掲載出来ると思います。
 試しに検索してみた結果では、奈良時代?の文献にに狂犬病の
記載があるらしいです。
それはそうだと思います。大陸であれほど蔓延しているものが、
日本で見られないとは思えないです。

お礼日時:2006/11/23 22:05

>諸外国から色々な動物がペットとして輸入され、身近に飼育されてますよね。

 では現在、これらに対して何の対策もしないで大丈夫?

対策はされています。
動物の輸入は動物検疫所での検疫を受けなければなりません。

・農林水産省動物検疫所ホームページ
http://www.maff-aqs.go.jp/
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この回答へのお礼

 再度回答ありがとうございます。
・対策はされています。
・動物の輸入は動物検疫所での検疫を受けなければなりません。
↑失念してました。
そうですね。でも(逆らっているわけではないですよ)それだけで
何とかなるなら、そもそもそんな、話題にはならないですよね。

・ネコから他へは比較的感染しにくいと言われています」
↑これについては、何か情報ないでしょうか?

お礼日時:2006/11/23 18:24

どこにいるのか?


・神経組織、唾液腺、唾液中です。 ところが、尿や糞、体液(血液など)にはほとんど存在しません

という事は・・・・伝染するルートによるからですよ

 動物が人間を噛んでほとんど感染するこの一番の感染ルートです

 猫が引っかいても・・・・感染しません
 馬・・・かみません
 豚・・・かみません
 ・・・・・・・・・・・・・・・・
 となると家畜から伝染したすることは、非常にまれであります

  と考えると

 身近にいて人間を噛む 動物は・・・・・・なんでしょうか???

 
 要するにウイルスを持っていても感染する危険性が少ないのは、退けます
 過去に感染例が無いものは除外になります

 ようするに

 ワン子ですね・・・・・・・・・

 ワンコを対象にすれば効率が良いんですね

 要するにワンコはワンコに噛み付きます

 他の動物でもやたら噛み付く動物は可能性があります
 猿とか・・・・・・

 ワンコが噛み付くのは・・・人間に買われている・のが多いが人間がすんでる居る所にいるので
 ワンコが・・・猿や・・家畜に噛み付くことは少ない

 ましてや家畜が家畜を噛みつく

 馬は馬を噛む??? 
 豚が豚を噛む???

 なんで確立より

 ワンコが 噛み付く確立が高いからでしょうね


 伝染ルートですは
 
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この回答へのお礼

 回答有難うございます。
・馬・・・かみません
・豚・・・かみません
↑いや、そんなことないですよ。普段でも相当噛みますよ。
まあでも、イヌが一番身近だから、という理由ですかね。
でもそんな理由からだけで、法律に制定されるでしょうかね?

お礼日時:2006/11/23 18:20

犬だけの病気じゃないですよ


名称が狂犬病だから勘違いちますが
狂犬病ウイルスはヒトを含む総ての哺乳類に感染するのですけど

狂犬病ワクチン:何故犬にだけ?
これは狂犬病予防法によるものです

この法律は、動物の狂犬病のうち、犬の狂犬病に限りこれを適用する。
事によるが
但し、厚生大臣は、犬、牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる以外の動物について狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があると認めるときは、動物の種類、期間及び地域を指定してこの法律の一部を準用することができる

ですので他の動物は感染とかが確認された時の応急です

そこで質問ですが、何故他の動物には、これらの義務が
ないのでしょうか?

犬以下から感染する恐れが、ほとんど無いからです

これらの義務が
ないのでしょうか?

現在は義務はありませんが、他の動物で感染する可能性が増えると
法律が改正されると思います


また今後義務化がなされる動きは
ないのでしょうか・・・

但し、厚生大臣は、犬、牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる以外の動物について狂犬病が発生して公衆衛生に重大な影響があると認めるときは、動物の種類、期間及び地域を指定してこの法律の一部を準用することができる

現時点では、臨時に指定ができますので・・今のところこれで対策は十分だと思いますので・・・・現在その見込みはありません
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この回答へのお礼

回答有難うございます。

・そこで質問ですが、何故他の動物には、これらの義務が
ないのでしょうか?
・犬以下から感染する恐れが、ほとんど無いからです
↑下記にも記載しましたが、何故、感染する恐れが、殆どないのでしょうか?もし理由をご存知でしたら教えて下さい。
 回答にもありました様に、全ての哺乳類へ狂犬病は感染しますよね。
なのに「狂犬病予防法が原則としてイヌに対して適応される」のは、何故か?と言うのが、質問の趣旨です。
 答えとして「イヌ以外の動物では云々」と言うことでしょうが、
繰り返しになりますが、では何故イヌ以外では伝播が殆どないのか?と言うのも質問の趣旨なのです。

お礼日時:2006/11/23 15:27

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