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日銀の資産が悪化すると信用がなくなる??詳しく教えてください。
日銀の資産が悪化すると信用がなくなるというメカニズムがいまいちよくわかりません。日銀券は国債によって信用づけされているという意味もよくわかりません。
日銀の供給する資金は全て日銀の資産に裏付けられているのでしょうか??でも、資産がなくても問題ないのではないかと思っていまいます。

A 回答 (1件)

質問者さまは、やや難しく考えすぎていらっしゃるのではないでしょうか。



ご質問は
(1)日銀の資産が悪化すると信用がなくなるというメカニズム
(2)日銀券は国債によって信用づけされているという意味
(3)日銀の供給する資金は全て日銀の資産に裏付けられているか。資産がなくても問題ないのではないか。

の3点かと。

(1)について、まず、日本銀行券は日本銀行の負債であることがポイントです。
単純化して考えます。あるとき、日本銀行は一定額の資産を保有し、同時にバランスシート上、その資産と同額の負債すなわち日本銀行券を発行していたとします。

その後、何らかの理由により日本銀行の資産が悪化、すなわち資産の価値が下落したとします。負債である日本銀行券の発行額は変わりませんので、このとき日本銀行は「保有する資産以上の負債すなわち日本銀行券が存在する」ことになります。

資産の額を上回る負債(日本銀行券)は、それが返済される裏付けを失うので、その分、信用力が低下します。

かつて、14世紀に後醍醐天皇が楮幣(ちょへい)と呼ばれる日本で初の紙幣を発行しました。
しかし、当時の朝廷は事実上スカンピンで、仮に楮幣を朝廷に持ち込んでも交換できる資産を保有していません。庶民はそのような紙切れと、米など生きるために必要な財産を交換するはずもなく、信用ゼロの楮幣はまったく流通しませんでした。

かつて、米国は自国が保有する膨大な金(きん:gold)を背景にドル紙幣を増刷しました。
しかし、ベトナム戦争などを経るうち、発行したドル紙幣の額が保有する金の量を上回ってしまうという事態に至りました。金との交換性を失ったドルは急速に信用力を失いました。

それらと基本的に同じことです。

次に
>(2)日銀券は国債によって信用づけされているという意味

まず、日本銀行券は日本銀行の負債です。
では、日本銀行の資産とは何か、具体的にどのような資産を保有しているのでしょうか。

日本銀行の資産と負債の内訳をみてみます。
まず総資産は約124兆円。うち国債が80兆円と最大、次に(民間銀行に対する)買付金が36兆円です。
負債は、総負債は総資産と同額の124兆円。うち、日本銀行券が77兆円。次いで売現先勘定(とは何かは本質問とは直接の関係はありませんので、説明は省略します)が23兆円、などです。

つまり、
総資産124兆円のうち国債が80兆円。
総負債124兆円のうち日本銀行券が77兆円、です。

負債である日本銀行券の信用の裏付けとなっている資産が(政府・財務省が発行する)国債なわけです。

次に
>(3)日銀の供給する資金は全て日銀の資産に裏付けられているか。資産がなくても問題ないのではないか。

これについては2点あります。
第1に、バランスシート上、日本銀行の資産と負債は必ず一致するので、負債である日本銀行券に対応して同額の資産は必ず存在し、その資産に日本銀行券(の信用)は裏付けられていることになります。

次に、バランスシートはとりあえず置いておいて、ご質問の「資産がなくても日本銀行券(負債)を発行しても問題はない」場合があるのではないか、という点に関して。

確かに、個人についても、企業についても、政府についても、中央銀行についても、“実物資産以外にも信用・信頼できる資産・財産”があれば、それを裏づけに負債をつくることは可能でしょう。

個人では、さしあたって資産は持っていないが、必ず返済するであろうという人物としての信用力とか。
企業では、土地などの担保となる資産はないが、経営者が信頼に足る人物であるとか、“優れた技術力”といった言わば無形の資産を持っているとか。

中央銀行の発行する紙幣に関しても、遠からず同様のことが言えます。

事実、米国の中央銀行(FRB)が発行する「ドル」には、裏付けとなる資産は実はありません。
FRBは保有する金(きん:gold)を遥かに上回るドルをすでに発行しています。
つまり、ドルは“資産の裏付けはないが、それを補って余りある何らかの信用”に裏付けされているわけです。

資産に代わる信用とは何か?

簡単には言えませんが、世界最大の経済力、世界最強の軍事力、さらには、さしあたってドルに代わる国際通貨が他にない、などの理由がドルに関しては考えられます。

したがって、会計上(バランスシート上)は負債が資産を上回る、つまり資産の裏付けのない日本銀行が発行されることはありえないのですが、“資産に代わる何らかの信用が裏付けとなる”といった考え方は成り立つと思います。

最近、「ドルやユーロに比べて、円は相対的に信用力が高いので円高が進む」などというときに使われる信用という言葉は、資産以外の信用を意味しています。
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