アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

初投稿になります。
物理化学を学んでいる大学の2回生です。よろしくお願いします。

さて、私はこれまで大学で、「アトキンス物理化学(上)(下)」を使って物理化学をおおまかに勉強してきましたが、エントロピー・エンタルピー・ギブズエネルギーといった熱力学法則の基礎にまつわるものの理解が不十分なようで、それらの話が絡んでくると理解できなくなります。
そこで、春期休暇を使ってこれらを自習しようと考えたのですが、アトキンスの説明ではいまひとつ理解できず、誤記が多いので信用もできません。

というわけで、エントロピー・エンタルピー・ギブズエネルギーといった概念や、そこから派生する関係などについて根本から説明のある参考書や問題集をご存じの方は教えていただきたいと思います。
よろしくお願いします。


なお、有機化学の勉強に使ってきた「マクマリー有機化学概説」は個人的に非常に読みやすく感じました。型にはまった説明よりも、噛み砕いた口語的な表現や詳しい図、導入から発展まで細かく分かれている演習問題などが気に入っております。
物理化学に関しても、こういった参考書があればうれしいのですが・・・

A 回答 (9件)

当方は物理化学専攻ではないので適切な回答者というわけでもないが・・・、


「熱力学」の学習者(現在も進行中)側の立場でアドバイスさせて頂く。

エントロピー・エンタルピー・ギブズ(自由)エネルギーといった概念の理解が必要と言うことであれば「熱力学」そのものが該当すると思われるので、「熱力学」と銘打った書籍を当たられてみては如何だろうか・・!?

当方は、
「熱力学-現代的な視点から」田崎晴明著 (培風館)
という書籍で学習を継続しているが、質問者様が「アトキンス物理化学」を使用しておられるとのことで、偶々上掲書籍の参考文献記述に目を通したところ、P・W・アトキンス物理化学も上げられており、そこに
-----本書(田崎書のこと)での化学熱力学の記号や用語は、主としてこの教科書(アトキンスの書籍のこと)を参考にした。-----
・・・と紹介されているので、アトキンスから続く熱力学の書籍として、読むことが出来るのではと思い挙げさせて頂いた。
エントロピー、ギブス自由エネルギーに一節を割いて説明があり、エントロピーもヘルムホルツ自由エネルギーの中で説明がある。

一度手に取られて内容を見てみられては如何・・・!?

参考URL:http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/td/
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
田崎氏の著書は他の回答者様の間でも話題が出ておりますが、賛否両論、といったところでしょうか。
とにかく内容を見てみようと思い、昨日図書館に出向いてこの著書を探したのですが、貸し出し中ということでした・・・
近いうちに借りられると思うので、そうしたら一度目を通しておこうと思います。
「熱力学」系統の本も、ざっくりと目を通して行きたいと思います。

お礼日時:2011/02/22 16:12

ANo.1です。


スミマセン。
一部誤りがありましたので以下に修正させて頂きます。

間違い::エントロピーもヘルムホルツ自由エネルギーの中で説明がある。
修正::エンタルピーもヘルムホルツ自由エネルギーの中で説明がある。
    • good
    • 0

去年から熱力学を勉強し直しています。


大学に入って初めてエントロピーを習ってから50年たっています。

第一法則、第二法則、可逆変化、不可逆変化、カルノーサイクル、効率、エントロピー
一般論で話が展開して行く分には「なるほど!」と納得できるものです。
でもそのあとで不可逆変化でのエントロピー変化を計算するあたりから「??!」となってきます。
本によって取り上げる例が変わってきます。異なる式や解釈が入ってきます。なぜそういう表現や解釈が可能なのかにはほとんど触れられていません。
不可逆変化でのエントロピー変化を可逆変化でのエントロピー変化で行うという当たりでは本によっての記述の違いが目立ってきます。「エントロピーは状態量である」と書いていながら状態の決まらない場面に平気で形式的にあてはめようとする例も出てきます。

エントロピーが分かりにくいにくいという結果になっているのは前提の異なる解釈や表現が混ざり込んでいる事に理由があるのではないかと考えています。学習しているのは平衡状態の熱力学でのエントロピーです。非平衡状態を扱ってはいません。表現は全て平衡状態についてです。でも非平衡状態での解釈や表現が混ざってきています。
熱伝導は平衡状態での現象ではありません。「熱の移動があればエントロピーが変化する、その時のエントロピー変化は△S=Q/T1-Q/T2と書くことができる」という式があちこちに出てきます。これは平衡状態の熱力学の範囲外の式です。この元にあるのは「温度Tの熱浴に熱Qの出入りがあればエントロピーがQ/T変化する」という記述です。問題のある表現であるとは思われていないようです。田崎氏の本ではこれをいきなり書いてあります。でもエントロピーの導入のところを見てもらうと分かりますが「△S=Q/Tと書くことのできるのは可逆的な変化で移動した熱量Qに対してである」という限定が付いているはずです。熱伝導は可逆変化ではないのでこの表現を使う事が出来ないのです。エントロピーが生まれるとか流れるとかの表現も非平衡状態の熱力学に移行することを意識した解釈です。
不可逆変化が起こってもエントロピーは生まれてきません。その変化が起こった結果として実現した平衡状態でのエントロピーは初めの状態でのエントロピーよりも大きくなっているはずだという事だけです。状態が決まればエントロピーは決まるのですからどこかから湧きだしてくるという余地はないのです。移っていくことのできる状態をエントロピーで指定しているのです。
物理系の研究者の書いた熱力学は、ほとんどが非平衡状態での熱力学への移行を断りなしにすべり込ませています。化学系の研究者が書いた本は、解釈は物理系の本の記述に追随しながら、平衡状態での熱力学に関係した表現だけをつまみ食い的に採用しています。

ギブスのエネルギーも変数変換で形式的に得られるという立場がほとんどです。
でも不可逆変化に対応することのできる熱力学的な量はエントロピーしかなかったはずです。エネルギーでは対応できないというのはどの教科書にも最初に書いてあります。
ある不可逆変化に伴って熱量Qの移動が起こればエントロピー変化は △S≧Q/T です。
Q=△U+P△Vを入れると △S≧(△U+P△V)/Tです。
温度、圧力が一定の条件では △S≧ △(U/T)+△(PV/T)=△(U/T+PV/T)
Q=0の時に起こる不可逆変化については△S≧0で考えることができるのですがQ>0の時は
△(S-U/T-PV/T)≧0で考えることになります。
修正されたエントロピー S’=S-U/T-PV/T を考えれば△S’≧0です。
でもこれをひっくり返して修正されたエネルギー G=U-TS-PVを考えて△G≦0としたのはエネルギーの方が扱いやすいということかもしれません。その分、意味が曖昧になってしまったようです。

ギブスがこういう関数を考えたのは化学反応の起こる方向の判定はどうやれば可能になるかということだったという文章が山本義隆の本に書かれています。
普通の熱力学的な系を考えると、圧力と温度を決めれば状態は決まってしまいます。その条件でなおかつ変化が起こるとすれば系を記述する変数が増えていなければいけません。粒子数が変化するという自由度を入れれば化学変化や相変化に対応するものになります。こういう変数の数の変化が起こっているというのはGを考える最初に断っていなければいけないもののはずです。はじめになにも書いていない本がほとんどですので学生は「?!」となってしまうのです。ルジャンドル変換ですべての関数が出てくるという事だけしか書かれていなければまた「?!」になるでしょう
    • good
    • 0

#3です。

少し訂正があります。
不可逆変化と断って置きながら△S≧0としています。
これは△S>0としなければいけないところです。
一ヶ所ではありません。全部訂正して下さい。

>「不可逆変化でのエントロピー変化を可逆変化でのエントロピー変化で行う」

これは意味不明ですね。
「不可逆変化でのエントロピー変化を可逆変化でのエントロピー変化で評価する」という文章を書いたつもりでした。エントロピーは状態量ですから実現した状態が同じであれば可逆変化であっても不可逆変化であってもエントロピー変化は同じなのです。非可逆変化で実現した状態へのエントロピー変化を異なる道筋での可逆変化を想定して評価することになります。これが平衡状態を記述する量でもって不可逆変化の判定を行うことができるというエントロピーの働きのからくりです。
このからくりを理解するためにQ=0のばあいに起こる不可逆変化を例にとって考えるという段取りが入ってきます。熱の移動と物質の移動の例です。ある平衡状態から別の平衡状態に不可逆変化で移る場合です。
よく出てくる例は3つです。△Sを可逆変化で評価して△S>0が成り立っている事を確かめます。
(1)真空への自由膨張・・・平衡圧力Pが実現する、
(2)圧力P1,P2の2つの気体の混合・・・平衡圧力Pが実現する
(3)温度の異なる2つの物質の間で熱の移動が起こり平衡温度Tが実現する

(1)は載っている率が高いです。(2)は設定が少しややこしいので載っていない場合が多いです。
(3)は扱いが別れます。
熱容量C1、C2,温度T1,T2の2つの物体を考えて△Sを出している本と、△S=Q/T1-Q/T2としている本があります。後者の方が目につく率が高いように思います。
フェルミもファインマンもこの式です。ネット上で有名な「E-manの物理」でもこの式です。
でもこれは平衡状態を前提にしていない場面での式です。この2つの式は一致しません。前者の式を踏まえて少し長い考察を付け加えると後者の式を出すことができます。そうすることによって隠れた条件が見えてきます。
(C1>>C2で1を熱浴とした時のエントロピー変化が出てきます。でもこのエントロピー変化が決まるのは2が平衡状態を実現しているということでの跳ね返りで1も平衡状態が実現しているということが決まるからです。1,2がともに熱浴であるというような場面には当てはまりません。どちらの熱浴でも平衡状態は実現していないからです。)


平衡状態から平衡状態への不可逆変化に伴うエントロピー変化の大きさを道筋の異なる可逆変化から評価するという、一番のポイントになるところで論理の展開に食い違いが生じるのですからエントロピーはどういうものであるかが分からなくなるのは当然だという気がします。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

#3を含め、非常に丁寧な回答ありがとうございます。
エントロピーの解釈や適用条件について、また道筋の考え方については整理できた気がします。
が、正直なところ全て理解したとはとうてい言えない現状です・・・
本回答は大切に保存しておいて、自分の理解が追いついてきたと自覚したときに再読したいと思います。
申し訳ありません。

また、本回答を理解するためにエントロピーの概念について詳しそうな本を探していた際
「ゼロから学ぶ エントロピー」西野友年 著 という本を発見しました。
難しい式をとりはらって考える読み物、といったコンセプトで、初歩の初歩から勉強しなおしたい私にはピッタリな本だと感じました。
皆様の教えてくださった著書とこの本、それにアトキンスを読み比べつつ、理解を深めていこうと思います。

お礼日時:2011/02/22 16:41

分からなかったら


ΔG<0のとき
反応が自発的に起こると考えればいいです。
ΔGの計算方法は、どの物理化学の本にも
載っていると思うので書きません。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>ΔG<0のとき
>反応が自発的に起こると考えればいいです。

そのようですね。私もその事を知ったのが最近なんですが・・・
よく「ΔGを計算しなさい」・・・といった問題を解かされるんですが、機械的に計算を行うばかりで計算結果の持つ意味を考えなかった、そのために今、理解不足で悩んでいる気がします。

お礼日時:2011/02/22 17:02

私のような凡人を含めた普通の人では,それらは,一回勉強しただけでさらっと理解できてしまうことが希ではないでしょうか.何度も反芻したり,いろいろなケースを考えたりしながら,徐々に理解が深まっていく性質のものだという気がします.さて,



>アトキンスの説明ではいまひとつ理解できず、誤記が多いので信用もできません。

私は学生時代に原著で勉強しましたが,そういう印象はありませんでした.誤植が多いのは,訳本なのでは?

参考書についてですが,熱力学だけの範囲では,エントロピーは,数学的・形式的に記述されていて,なかなか分かった気になりません.なぜなら,そこには分子論的な具体的な内容を含まないからです.そこで私の提案としては,統計力学からのアプローチしてはいかがでしょうか?

参考文献:
●バークレー物理学コース「統計力学」丸善
●「統計力学」久保亮五著 共立出版
●"Molecular Driving Forces" Dill & Bromberg, Garland Science

特に,"Molecular Driving Forces"は統計熱力学とその化学や生化学への応用を現代風に,そして平易に解説した本で,私としてはおすすめです.英語だけど.
    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>私のような凡人を含めた普通の人では,それらは,一回勉強しただけでさらっと理解できてしまうことが希ではないでしょうか.何度も反芻したり,いろいろなケースを考えたりしながら,徐々に理解が深まっていく性質のものだという気がします.

その通りだと思います。私の、こと熱力学分野に関する場合は食わず嫌いだった一面もあると自覚しておりますが(汗)
またアトキンスの件ですが、語弊があったかもしれません。本文中というよりは、練習問題や章末問題の解答に誤りが多く感じられるのです。なお、訳本を使用しております。


>そこで私の提案としては,統計力学からのアプローチしてはいかがでしょうか?

確かにアトキンスにおいても、分子統計力学的な立場から説明している項はスムーズに理解できた感がありました。
統計力学については次の学期で学習する予定ですし、熟読しておいて損することはなさそうですね。
お勧めいただいた著書は、次に図書館へ出向いたときに探してみたいと思います。

お礼日時:2011/02/22 17:15

[1] 入門化学熱力学 : 現象から理論へ, 山口喬, 培風館


http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/b …
[2] 熱力学, 阿竹徹ほか, 丸善
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/b …
[3] はじめての化学熱力学, 菅宏, 岩波書店
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/b …
[4] 熱・統計力学, 戸田盛和, 岩波書店
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/b …
[5] 熱力学入門, 佐々真一, 共立出版
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/b …

型にはまった説明よりも噛み砕いた口語的な表現が好き、ということでしたら[1]がいいでしょう。少し風変わりな章立てになっていますけど、一読の価値ありです。

[2]と[3]は、アトキンスと同程度の化学熱力学の教科書です。オーソドックスな構成で、エントロピー・エンタルピー・ギブズエネルギーといった概念や、そこから派生する関係などについての説明が丁寧に書かれています。

[4]は、前半の70ページが熱力学の教科書になっています。物理の人の書いた熱力学の入門書なのでエンタルピー・ギブズエネルギーに関する解説は(ほとんど)ありませんけど、エントロピーと第二法則については、とても丁寧に書かれています。オーソドックスな構成です。

[5]も物理系の入門書ですので、エンタルピー・ギブズエネルギーに関する解説はありません(最終章に化学ポテンシャルの扱いがあるけど、化学系教員ならこの章の記述に違和感を覚えると思う)。「前提」→「定理」→「証明」という形式で話が進んでいくので、噛み砕いた口語的な表現が好き、というひとには向かないかも知れませんけど、田崎先生の本よりは読み易いと思います。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
全く最初から熱力学を勉強するなら[1]から順に、といったところでしょうか。大変助かります。
とりあえず、春期休暇中に1~3の著書へ目を通して行きたいなと思います。

ところで、基礎的な問題が解説も含めて収録されている著書をもしご存知なら教えていただきたいです。
理論を読んだだけだとすぐに忘れてしまって・・・

お礼日時:2011/02/22 17:27

難しく考える必要はありません。


発熱量が大きいほど(ΔHが小さいほど、負の値のときが発熱です)
反応が起こりやすく、エントロピー変化が大きいほど(ΔSが大きいほど)
反応が起こりやすく、絶対温度Tが大きいほど反応が起こりやすい。

S=lnWなので
W(取りうる状態数)が大きいほどSが大きくなります。

私は、学生のときバーロー物理化学を使いましたが
これは、お勧めできません。

最近では、サイモン、マッカーリが人気があるようですが、
これは、熱力学用というより量子化学用です。

新物理学シリーズの熱力学を読んでみましたが、
これを理解するにはかなり時間が必要だと思います。

私がお勧めするのは、ブルーバックスの「熱力学で理解する化学反応のしくみ」
です。

数式も少ないですし、値段も安いです。
    • good
    • 1

> 全く最初から熱力学を勉強するなら[1]から順に、といったところでしょうか。



あ、いや、そういうことではないです。図書館などで[1], [2], [3]を比べてみて、気に入ったものをひとつ選んで使うのがいいと思います。[4], [5]は、エントロピーに関する理解を深めるための参考書です。[4], [5]は、化学熱力学の教科書ではありませんので、ご注意ください。

> 基礎的な問題が解説も含めて収録されている著書をもしご存知なら教えていただきたいです。

ごめんなさい。私が知っている物理化学の演習書で、ひとに勧められるものはないです(市販されている演習書に良いものはない、という意味ではなく、きちんと探したことがないのでよく知らない、ということです)。

基礎的な問題だけでよいのならば、アトキンスの章末の演習aの解答は演習bに比べればずっとまともなので、演習aだけやる、というのもいいんじゃないかなと私は思います。教科書の本文を読み返してもよく分からないものは、印をつけておいてスルーすればいいです。印をつけておくのは、後から考えてみたら自分の勘違いだった、ということがよくあるからです(少なくとも私にはよくあることです)。

また、ありがちですけど、解法と解答を隠してアトキンス(や他の教科書)の例題を解く、というのもいいです。というのは、例題は練習問題よりも誤植が圧倒的に少なく、また解説量も圧倒的に多いからです。

アトキンスの章末の問題(数値問題、理論的問題)は、やたら数だけ多いので、自習には薦められません。全てを解くのは、時間の無駄です。また、あれだけの数の問題から解く価値のある問題を選び、問題文の不備を修正し、解答集の模範解答を添削することのできる人は、そもそも問題をやる必要のない人じゃないかなと、私は思います。

ちなみに、回答#7の[1], [2], [3]の章末問題は、それぞれ
 [1] 巻末に答えだけあり
 [2] 答えなし
 [3] 巻末に略解あり
となっています。これらの問題の難易度と解答の正確さは、自分で解いていないので、私には分からないです。ごめんなさい。
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!