【大喜利】【投稿~9/18】 おとぎ話『桃太郎』の知られざるエピソード

ギモン(1)

なぜ乗り継ぎ便だと安くなるんですか?普通に考えたら人件費も燃料費も余計にかかりますよね?他の国に行く人に自分の航空会社を使ってもらうためというのは分かりますが、採算は取れているのですか?

ギモン(2)

ファーストクラスやビジネスクラスはなぜあんなにもバカ高いんですか?利用する人は会社のお金で乗っている人が大半ですか?自腹で乗る人は、飛行機のフライトにあれだけお金をかけるってことは、もちろん滞在先のホテルは航空券代の何倍もする超豪華スイートルームに宿泊するんですか?

ギモン(3)

昔は今より海外航空券が安かったのは何故ですか?逆に今はどうしてこんなに航空券代が高くなっちゃったの?例えば、北米路線(エコノミー)は15年前の3倍くらいします。このまま海外航空券の価格は上がって行く一方なの?

ギモン(4)

ジェット燃料の代替燃料はいつ頃実現するんですか?原油が底を尽き始めたら、海外渡航は夢のまた夢っていうぐらいの贅沢になっちゃいますか?

A 回答 (1件)

各疑問に答える前に、航空料金の基本的なことを書きます。



まず航空料金には一応「正規料金」というものがあります。これはIATA(国際航空運送協会)が承認した運賃で、同じ航路ならどの航空会社を使っても同じ料金になり、この場合の航空券は「この区間の航空券を持つ旅客を輸送する運賃」となるものです。

たとえば成田-ハワイの片道正規運賃は15万円です。この運賃を払うと、IATAに加盟しているどの航空会社でも空きがあるかぎりは乗ることができ、便の変更も自由、なんらかの理由ですべての航空会社の直行便が飛ばない場合は、乗り継ぎでも輸送する、という航空券でこれが「正規」という意味になります。

各種の航空券はこの「正規」からいろいろな制約(早割りやキャンセル料が高い券など)をつけることで、安く売っているのが、各航空会社から出ている「正規割引料金(PEX)」です。
また、旅行代理店はツアーのために年間を通して大量に席を購入するため、航空会社と値引きの交渉を常にしています。ツアーが安くなるのはホテルと抱き合わせで販売しホテル代金も航空代金も大幅な値引きを引き出しているからです。
また、このツアー用の大量購入分から流れてくるのが「格安航空券」で、予約は取れたが航空会社が決まらない、というのは各航空会社から旅行者が購入した分を割り振って残った席に格安航空券のみの予約者を割り振って、飛行機に乗せるからです。

まとめると
・航空会社には正規料金があり、バカ高くそのかわり融通が利く(ただしLCCはIATAに加盟していないので除く)
・正規料金から制約をつけることで、航空会社は正規割引料金の航空券を販売する
・旅行代理店はツアーのために、航空会社と交渉し安く大量に席を購入する
というのが基本です。

ギモン(1)
 乗り継ぎ便だから安いとは限りません。検索してみると乗り継ぎ便のほうが高いことのほうが多いです。

しかし、旅行会社は常にいろんな航空会社と交渉し、大量に座席を確保しています。
そのため、乗り継ぎ便なども確保しています。しかし、乗り継ぎ便は直行便よりは不人気ですので、航空会社も旅行者に安めに卸すことになり、その分航空券そのものが安くなります。

またアジアや中近東などの、そもそも需要が少ない航空会社は需要を作り出すために、安く卸すこともあります。たとえばウズベキスタン航空を使ってタシケントで乗り継ぎ、トルコのイスタンブールなど就航都市への旅客需要を作りだしています。そのツアー代金が日本人にとっては格安でも、ウズベキスタンなどの途上国では大きなお金になるからです。
ウズベキスタンの平均年収は5万円程度ですので、4万円のツアー代で半分が航空会社に渡るとしたら、10人も乗れば、CAさんの1年分の収入があることになります。
このような航空会社は旅行会社との交渉で、再三ギリギリまで安く席を販売することで経費をまかなっています。また、旅行会社が席を購入してくれれば、たとえ誰も座っていなくても販売代金だけで赤字にならないように飛ぶことができます。

ギモン(2)
ファーストクラスやビジネスクラスの一番の目的は、疲れずに・なるべく時間のロスがなく・自由に、航空機を使えるようにすることです。

会社で航空券を購入している場合、正規料金であることがほとんどです。それは、忙しいビジネスマンが商談の時間が遅れて飛行機に乗り遅れた場合にすぐに次の便に振り返られるようにすることが念頭に置かれているからです。その「忙しいビジネスマン」はひとつの商談で数千万から億の商談をしているような人のことをいいます。
ビジネスクラスなどのチェックインがエコノミーと別なのは、ギリギリにチェックインしても乗れるようにしているからです。通常、国際線エコノミーの締め切りは1時間前ぐらいですが、ビジネスは30分前ぐらいだったりしますし、降りるときも先に降りたうえに預け荷物も最初にでてきて、なるべく早く空港から出発できるようになっています。空港によってはビジネスクラス専用入国審査・税関などの設備が整っているところもあります

また、そのようなビジネスマンは出張先の現地についてからも、逆に帰国して出社しても、疲れをなるべく残さずに仕事をすることが求められます。ですので、何もできない飛行機の中ではなるべく快適に疲れを癒す(少なくともなるべく疲れないようにする)ことが優先して、フルフラットなどの充実した装備になっています。

ただ、ビジネスクラスはビジネス上の理由が大きいですが、ファーストクラスになると「贅沢」のための設備であることも多くなります。
実は、日本人には信じられないでしょうが、世界の大富豪は「庶民と同じ席に座る」のはイヤなのです。
たとえばアメリカでも、役員などの食堂と一般従業員の食堂は分かれているのが普通で、従業員とコミュニケーションを取らないのが普通です。
これがアラブあたりの大富豪なら、本当に階級差を感じるぐらいです。

そういう「お金に糸目をつけない」人のための席がファーストクラスで、たとえばヘリで自社ビル屋上から空港まで送迎してもらえるとか、空港も専用のラウンジのソファーに座ったらそのまま出国手続きがすべて終わって、電動車で搭乗口まで送ってもらえるとか、日本では考えられないようなサービスを受けられるのがファーストクラスです。
もちろんビジネスクラスと違って、こういう人たちはスイートルームを借り切るような人々ですし、ビジネスクラスを利用するビジネスマンはセキュリティのために一流ホテルに泊まります。
これも日本ではありえないですが、海外ではお金をかけないとホテルなどでの「安全」が買えないからです。ヘリで空港まで行くのも、安全対策の面もあるのです。

ギモン(3)
昔より航空券が高くなったのはいくつか理由があります。
・原油価格が高騰したから
 1080年ぐらいの原油価格が1バレル$40ぐらい、90年代は$20ぐらいで最安値、2004年ぐらいから原油価格が上がり始めて最高はリーマンショックの直前で$140現在は$100より下なら安い、というレベルです。つまり燃料費が5倍なので高いのです。

・安全費にお金がかかる
 2001.9.11のテロ以降、航空機の安全対策に費用がかかるようになりました。

・ジャンボの退役と直行便の就航
 ジャンボジェットで親しまれたボーイング747はエンジンが4発もあるため、燃費が悪く多くの航空会社が利用をやめ、燃費のよい少し小さい機体に変えています。また小さい機体で直行便も多くなっています。
 このため、大量の座席で一度に同じ場所に大量に運ぶ、ということが少なくなってきたので航空券の値引きも難しくなってきています。

・航空会社の直接販売
 特に米系の航空会社は、最近旅行会社への大量販売をほとんどしなくなり、ネットを利用した正規割引運賃の販売を強化しています。
 そのため、旅行会社で購入してもネットで購入しても同じ金額になることも多く、結局座席数の少なくなった路線は、高止まりすることになります。

これらの要因が複合的におきて、航空券が高くなっているのですが、一番の原因はなんと言っても原油高です。

ギモン(4)
 今アメリカで「シェール革命」という石油の値段が下がる技術開発が進んでいます。このため、アメリカ国内の使用量分をアメリカ国内だけで賄えるほど、生産量が上がるようになってきました。
 この技術を世界的に使えば、飛躍的に生産量が増えるといわれています。

ですので、今後100年ぐらい石油は枯渇しないのではないか、といわれるようになりました。

また、ミトコンドリアなどを使って、航空燃料に近い石油を作る技術も開発されています。まだ実用段階ではありませんが、100年もあれば実用化されるでしょう。

ということで、少なくとも飛行機が飛ばなくなる心配は、私たちが死ぬまでは大丈夫でしょう。

この回答への補足

原油の価格は、私が記憶している90年代が一番安かったのですね。

補足日時:2013/10/22 11:06
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この回答へのお礼

子供のような質問に詳しくてわかりやすい回答をいただき誠にありがとうございました。とくにビジネスクラスに関する説明がとても興味深く、参考になりました。
phjさんはお仕事柄、航空業界に詳しいのでしょうか?それとも様々な分野に博識をお持ちなのでしょうか?phjさんのように疑問のに思ったことにわかりやすく答えてくれる家族や友達がいたらいいなと思いました!

お礼日時:2013/10/22 11:05

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