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代理、委任と法律用語がありますが、どのように違うのでしょうか?強弱があるとしたら権限がどちらが強いのですか?また、同じ行為において代理と委任を同時にさせることはできるのでしょうか?代理者に委任する・・・??質問が的をえていないかもしれませんが、詳しく教えてください。

A 回答 (4件)

>どのように違うのでしょうか


法律的には全く違います。
が、実体的にはほとんど重なります。

委任というのは契約の種類。代理というのは法律関係の一つ。
委任契約は代理権の授与を伴うのが通常なのでほとんど重なりますが、概念としては、全く別ものです。
委任契約とは、簡単に言えば「法律行為(≒契約)を誰かに頼む契約」です(なお、法律行為以外の場合は、準委任と言って一応委任とは別の契約です。ただし、実際にはほとんど違いはありません。)。
代理とは、簡単に言えば代理人の意思表示の法律上の効果が本人に直接帰属して代理人には帰属しないという関係を言います(なお、意思表示以外の行為を代りに行う場合は、準代理と言って一応代理とは別の関係です。)。
委任契約は多くの場合代理権の授与を伴いますから、多くの場合重なるので、実体的には委任≒代理ですが、委任が代理権の授与を伴わないこともありますし、また、委任以外でも代理権の授与を伴う場合はあるので、両者は概念的に別のものということになります。

例:佐藤さんが鈴木さんに「なんか飲み物買ってきて」と頼んで、鈴木さんが「いいよ」と言って飲み物を買いに行き、自分で選んだ飲み物を買って帰ってきました。

これは、佐藤さんと鈴木さんの間で、「鈴木さんが飲み物を売っている誰かと飲み物の売買契約を締結して引渡しを受けて持って帰って佐藤さんに渡す」という「委任契約」です。この委任契約の中核は、「鈴木さんが飲み物を売っている誰かと飲み物の売買契約を締結」することです。

ここで二つの考え方ができます。
一つは、鈴木さんは佐藤さんの代理人として代理権の授与を受けて誰かと当該代理権の行使として佐藤さんに代って売買契約を締結した。
もう一つは、鈴木さんは佐藤さんの代理人としではなく、鈴木さん自身が売買契約の当事者として誰かと売買契約を締結した。
理論的にはいずれもあり得ます。鈴木さんと誰かとの間の契約は、代理かも知れないしそうでないかも知れないということです。
代理と考えた場合には、代理人である鈴木さんと誰かとの売買契約の効果は本人である佐藤さんに直接に帰属します。すると、代理人鈴木さんの売買契約によって本人佐藤さんが直接に飲み物の所有者になります。従って、佐藤さんは、鈴木さんに対して、所有権に基づく引渡しと委任契約の履行としての引渡しの二種類の請求ができることになります。
代理でないと考えた場合には、売買契約の効果はあくまでも鈴木さんに帰属するので飲み物の所有者は売買契約の当事者である鈴木さんです。佐藤さんは、鈴木さんに対して、委任契約の履行としての引渡しだけを請求できることになります。
なお、仮に代金を鈴木さんが立て替えていたならば、鈴木さんは佐藤さんに委任事務処理の費用として代金を請求できます。

とまあそんなわけで、委任とは、他人に何かしてもらう「契約」、代理とは、他人が「本人の代りに」何かしてくれる「関係」だと思えば大体合ってます。

ちなみに、代理権授与契約というものを考えることができますが、この契約は、「代理権を授与する」という内容の契約であって、それ自体は代理ではありません。代理権授与契約で授与された代理権を根拠に代理行為を行うことが代理です。

>?強弱があるとしたら権限がどちらが強いのですか?
次元が違うので比較はできません。

>同じ行為において代理と委任を同時にさせることはできるのでしょうか?
意味が解りません。
委任契約と同時に代理権の「授与」を行うことはできます。
委任により授与された代理権を以て実際に代理行為を行うのは委任よりも後の話なので「同時」などということはあり得ません。
「委任契約を締結することを内容とする」委任契約を締結してそのために代理権を授与すれば、代理行為で委任をするということになるので、代理と委任を同時にしていると言えますが、それは委任であろうとなかろうと同じですし、多分そういう意味ではないでしょう。

以上
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この回答へのお礼

やっと理解できました。親切、丁寧な回答ありがとうございました。具体的なやりとりは理解しやすかったです。

お礼日時:2015/05/24 23:10

「代理」は、法律行為の分類で、「代理”行為”」と使用します。


「委任」は、法律行為のさらに細分化した契約の一種です。「委任”契約”に基づいて・・・」と使用します。
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簡単に説明します。



委任して、代理権を与える場合もあるし、
代理権を与えない場合もあります。

代理権を与えられない委任の場合は、対外的
行為が出来ません。

委任以外でも、代理権を付与されることもあります。
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■代理とは?


「代理人」とは、あなたに代わって意思決定をし、代理行為をする者のことです。あなたの信任を受けた者を「任意代理人」、法律の規定による者(親権者や成年被後見人など)を「法定代理人」といいます。

したがって、代理権の範囲も、「任意代理人」は、あなたとの定めた範囲もしくは財産の現状維持などの保存行為などで、一方、「法定代理人」は、親権者や後見の代理権など各法律で定められています。なお「代理人」は、法律で要件が定められています。

<代理の要件と効果>
(要件)
  ①あなたが代理人に代理権を与えること(代理権授与)

②代理人があなたのためにすることを示すこと(顕名=けんめい)

③代理人とあなたの相手方の間に有効な代理行為があること

(効果)
あなたとあなたの相手方の間に直接に法律効果が生じます。(代理人とあなたの相手方の
  間には法律関係が生ずるのではありません。)

■委任とは?
「委任(委任契約)」とは、ある事務の処理をあなたが他人に任せること⇒「法律行為をすることを委託する契約」⇒をいいます。この委任したことを記した書面が「委任状」です。、なお、「任意代理人」に、あなたが代理権を与えるためには、この「委任契約」が必要となります。
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この回答へのお礼

すごくよくわかりました。けっこう難しいのですね。丁寧な説明で理解しやすかったです。

お礼日時:2015/05/24 23:08

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