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ドイツ国歌(1番、現在非公認)のもので、Deutschland ueber alles という歌詞がありますが、ueberは「優れている」という意味もあるのでs「すべてに優れているドイツ」=「世界に冠たるドイツ」という意味だと信じていました。
しかし、これが誤訳だとするサイトがあります。
/DeutscheNationalhymne.pdf#search='trutze'

Trutzeという単語が辞書になくて、調べていたら行き着いたサイトです。
ここではMusik geht ueber alles (音楽が一番大事)という例を挙げて、「世界で一番大事なドイツ」とし、「世界に冠たるドイツ」は語訳だと断じています。

私はそんなに誤訳だとは思いませんが、実際どうなのでしょうか?ueber allesの意味はどのように解釈するものでしょうか?

質問者からの補足コメント

  • つらい・・・

    Tastenkastenさん、申し訳ございません。ベストアンサーにしようとクリックするのですが、何度試しても変化しません。グーグルに原因があるわけではなさそうですが・・・
    いろいろ調べてみて対処したいと思っております。本当に申し訳ございません。

      補足日時:2015/09/11 11:57

A 回答 (2件)

リンク・アドレスが不完全で出なかったので探しました。


http://www.elearning.he.tohoku.ac.jp/sugiura/leh …

相手は某大学のドイツ語の教授ですが(笑)。
外国語がある程度できるようになってくると、他人の翻訳が間違っているのではないかと疑う機会が増えます。私にもそういうときがありますが、よく調べないと、やはり元の訳であっていた、ということも多いので、うかつに指摘するのは危ないんです。
私は独文専攻ではないので断言はできませんが、この方の指摘は勇み足のようです。
über allesだけでは、「すべてのもの以上に」というだけで、「大事」なのか「勝っている」のかはわからないはずです。引用している例がDie Musik (geht) über alles.の一つだけで、それもなぜかgehtをわざわざ括弧に入れています(しかも、「 兄弟にような/兄弟にようなに」なんていう変なタイプミスもそのままになっています)。「大事」という意味になるのは、gehenという動詞と一緒に使われるからだと思いますが・・・。鬼の首でも取ったような書き方がちょっと気になります。
一つの訳が適切かどうかは、語学的な知識だけではなく、文脈を見ることが必要ですし、文学的センスも問われます。この場合、「それ(ドイツ)がいつも兄弟のように結束して守り抗えば」という複文の内容を受けることを考えると、「この世で一番大切なドイツ」という訳では全然つながりません。「世界に冠たるドイツ」という訳も正確ではないでしょうが、これは「詩らしい翻訳」をしなければならないときには避けられないことです。正確に逐語訳をするなら、「もしドイツが(自らを)守るために、また(他に)対抗するためにいつも兄弟のごとく結束すれば、この世の何ものにも勝る」ということになるでしょう。つまり、「世界に冠する」ではなく、「何ものにも勝るだろう」「勝れ!」という願望表現です。ついでに言うと、この教授は触れていませんが、Trutzeという語は、Schutzという語と語呂をあわせて調子を取るために付け加えられた「冗語」で、意味は重要ではありません。SchutzとTrutzeは、類似の意味の言葉として重ねられているので、「抵抗」という意味をことさら訳出する必要はないといえます。これについては、Wikipediaドイツ語版の「ドイツ国歌」の項に述べられていて、参考文献も明記されています。
https://de.wikipedia.org/wiki/Lied_der_Deutschen …

以上のことを考えると、Wikipedia日本語版に出ている訳は妥当と思います。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4 …

あと、この歌の成立史を考慮しないといけません。長くなるのでここには書きませんが、もともとハイドンが作曲した歌詞は全く違うものです。über allesを含むこの詞が書かれた当時はまだドイツという国はなく、小国に分かれていました。その少し前から、ドイツ人の祖国とは何か、という問題が出てきて、1815年にはDeutscher Bund(ドイツ同盟)というものができました。Hoffmann von Fallerslebenという人が、1841年にドイツの運命を思って書いた詞で、ドイツという国を作るための結束を訴えたものであり、über alles in der Weltはもともと高慢、優越性、支配欲を表すものではありませんでした。「世界に冠たる」という訳でよいだろうなどと書いている日本語のサイトもありましたが、これは、のちのナチス時代に都合よく使われたことからくる印象です。

Textverständnis:
Hoffmann von Fallersleben war voller Sorge um des Vaterlandes Schicksal und erfüllt nach einem demokratischen, freien und geeinten Deutschland. Deshalb schrieb er "Deutschland, Deutschland über alles". Dies war kein Hochmut, keine Überheblichkeit, keine imperialistische Gesinnung oder gar Herrschafts- oder Gebietsanspruch. Es war der ehrliche Wunsch nach Überwindung alles Trennenden und nach der Einigung Deutschlands, das damals aus vielen Einzelstaaten bestand.
http://www.rk-julbach.de/allgemeines/dienst_hymn …

ナチスが「世界に冠たる」というような意味で使ったことは確かです。つまり、über allesだけでは意味が定まらず、どうとでも取れるということです。動詞が欠けているのですから仕方がありません。1941年に製作されたナチスのプロパガンダ映画の題名は「Über alles in der Welt」です。当然「世界で一番大切」などと言う題名であるわけがありません。「世界で何ものにも勝る」という意味に決まっています。
ほかにも例はいくらでもあります。例えば下のサイトは、バイエルン州の経済的発展に貢献した州知事、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスに関する南ドイツ新聞の記事です。読むのは少し難しいと思いますが、農業から工業への転換、企業の誘致や原子力施設の建設などとともに、東西ドイツ統一の事情との関連にも触れながら書いてあります。こういう内容の記事のタイトルとして「Bayern über alles」と書いてあるとき、「バイエルンが一番大切」という意味になるでしょうか?
http://www.sueddeutsche.de/wirtschaft/kommentar- …

次のサイトなどは一目瞭然です。「Pasta – Nudeln über alles」。「パスタは一番大切」ではなく、「パスタは最高!」に決まっています。
http://www.brigitte.de/rezepte/rezepte/nudeln-10 …

ほかにも、テレビドラマシリーズに「Preußen über alles... - Bismarcks deutsche Einigung」などというのがありました。

Wiktionaryの英語版にも、über allesの意味として次のように書いてあります。

(used after a country name, usually ironic or humorous) Invokes a perception of the specified country as superior to others, or having a supreme status when compared to others.
https://en.wiktionary.org/wiki/%C3%BCber_alles

このüber allesというドイツ語は英語圏にも広まっていて、そのまま使われることが多いようです。最初に日本語のgoogleでüber allesを検索にかけたところ、英語のサイトばかり出てきたほどです。ドイツ語の記事を探すために、ドイツのgoogleに切り替えて、ドイツ語のサイトに限定して検索しなければなりませんでした。上のWiktionaryの説明のあとの「quotations」をクリックすると、引用文が展開します。そのうちのあとの方はMike Hockneyという作家の「Prohibition A」という小説中の次の文章です。

Pax Americana and all that bullshit? Grissom said. 'America über alles. You want to make the rest of the world our slaves.'

「世界の残りをわれわれの奴隷に」と書いてあります。英語圏ではこういう意味で広がっていて、新聞の見出しなどにも使われています。

Merkel über alles(笑)
http://www.economist.com/news/britain/21584347-w …

「一番大切」の意味になるのはgehenとともに使われた場合です。

Die Treue geht ihm über alles.
忠誠が彼には一番大事だった。

組み合わされる語によって意味が決まります。

über alles erhaben sein
なによりも崇高である

über alles geliebt
なによりも愛された

などなど。

御指摘の論文は、少々雑なようですが・・・
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この回答へのお礼

>リンク・アドレスが不完全で出なかったので探しました。
大変御手数をおかけし、申し訳ございませんでした。

この方はただの趣味人かと思っていましたら、大学の先生、それもドイツ語の教授だったのですか!学生が気の毒に思います。

>「それ(ドイツ)がいつも兄弟のように結束して守り抗えば」という複文の内容を受けることを考えると、「この世で一番大切なドイツ」という訳では全然つながりません。

そうですよね。変だと思いました。Tastenkastenさんの訳は素晴らしいです!

>über allesを含むこの詞が書かれた当時はまだドイツという国はなく、小国に分かれていました。その少し前から、ドイツ人の祖国とは何か、という問題が出てきて、1815年にはDeutscher Bund(ドイツ同盟)というものができました

高校の世界史でフィヒテが「ドイツ国民に告ぐ」Reden an die deutsche Nationというものを書いて、初めてドイツ国という概念が認識されるようになったと勉強しました。

挙げていただいたSueddeutsche Zeitungの記事は頑張って読みました。
ドイツ滞在時に背伸びをして、時々Der Spiegel やFrankfurter Allgemaineを買っていました。日本に関する記事を拾い読みしていたのですが、シュトラウスはよくバイエルンの右翼大物政治家としていろいろ書かれていました。

バイエルンを農業国からハイテク国に導いた功労者という評価は、当時の東西分断とか外部要因にも依ったことや、政治家として独裁とか、産業界との癒着、バイエルンに航空機宇宙産業や原発を誘致したことの光と影について述べられていますね(読み間違っていなかったらの話ですが・・・汗)

いつものことながら、懇切丁寧な解説をありがとうございます。久しぶりにシュトラウスの記事を読んで懐かしく思いました。

お礼日時:2015/09/09 15:17

わざわざ御連絡ありがとうございます。

ほかの方はクリックできるようなので、サイトの不具合ではなさそうです。このサイトでは、締め切り後でもベストアンサーは選べますので、ゆっくりお調べになってください。
ドイツにいらっしゃったことがあるというのは初めてお聞きしました。バイエルンの記事もすぐに理解されたようですし、本当はかなりドイツ語がおできになるのでは?
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この回答へのお礼

Tastenkastenさん、ありがとうございます。80~82年にドイツにいました。4ヶ月ゲーテでまなびましたが、大学の教養でやっただけのドイツ語の知識で、Mittelstufeから始めましたので、基礎ができていませんでした。ご紹介いただいた『中級ドイツ語の仕組み』を読んでみて、知識の欠損に恥じ入っております。愚問の類いも多いかと思いますが、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。貴殿はドイツ語がご専門でないなんて信じられないようなドイツ語の大家でいらっしゃいますね!

お礼日時:2015/09/14 09:24

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