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ディーゼルエンジンの潤滑油の再利用は出来ないのでしょうか?エンジンオイルを交換した後の廃油を遠心分離機にかけて、水分、スラッジ等を除去したものを再利用したいのですが。オイル分析ではそんなに悪くない数字が出ます。しかしエンジンメーカは使用を推奨しません。欧州では、新油に再生油を混ぜて売らなければいけない法律まであるらしいのですが。再生油の問題点を教えてください。

A 回答 (3件)

>>何かいい方法は無いでしょうか?



私も発電所で潤滑油管理とか管理指標の改定作業をしていたんですが、なにせい
昔々の話なので思い出しながら...。

現状では、廃油といっても「機器メーカが交換を推奨するから抜き取って廃油
にしている」ってだけでしょうから、要は個々の潤滑油に合わせた管理をして
いる訳でもないでしょうし、言うなれば公約数的な管理で「廃油」として
定義しているんでしょう。

となると、現場次第では再生(再充填)は可能です。
自社に適合した、個々の管理をすれば良いんですから。

ただし....。
ここにご相談されるという事は自社に技術者が居ない&適切なアドバイスを
してくれる人がいないということで、『現場も見ないで大事な事を決めなくて
はならない』って状況だと判断させていただいて、以下に概要を。


まず、発電機油を再利用する事を機器メーカが推奨しない場合(積極的には止めて
くださいと行ってくる場合)においては、潤滑油が劣化し、それが機器破損にまで
至った場合、機器メーカーとの保証問題がこじれる事は覚悟してください。

ですので「自分達で壊さないように管理する」とう社内コンセンサスが必要ですし
それが無い場合、破損したことに対する社内での責任問題が発生し、担当者など
がワリを喰う事になるでしょうしね。

この場合、潤滑油メーカーが相談に乗ってくれていたら故障確率も減りますし
そういうコンサルをする会社もありますが、それを使うか否かは別の問題と
して.....。


一度に出る廃油の量、仕様系統(※1)、潤滑油のメーカ&品番、管理体制が
解らないので、確固としたご回答は出来ないんですが....。

   ※1:ディーゼル発電機でしたら、大抵は本体封入だけと思いますが
      ひょっとしてタンク間との再循環があるかどうか....等。
      (まず、そんな系統は無いでしょうが.....。)


廃油を再利用する際には4つのポイントがあります。

  1)再充填(補充)しようとする廃油自体の性状確認
  2)再充填(補充)後の、運転中の定期的な潤滑油性状確認(傾向確認)
  3)潤滑油全体としての(急激な)劣化防止策
  4)劣化して交換しなければならない場合のバックアップ策

このうち、1)は必須、2)はホボ必須、3)4)は強く推奨される(機器の重要度や運転
状況によって変化する)と考えて良いでしょう。


まずは廃油自体の性状確認から。
確認すべき項目(分析項目)は以下の通りです。

  a)動粘度
  b)比重
  c)全酸価(油によっては全アルカリ価)
  d)水分(通常はn-ヘキサン抽出物質)
  e)色相(ASTM)
  f)汚染度(通常はミリポア重量)
  g)酸価安定度試験(通常はRBOT、油によってはISOT)
  h)乳化安定度試験(抗乳化性試験)
  i)酸化防止剤残存率


これらが『管理値』以内であると判断できた場合、廃油の再投入量と新油の補充
量を決定します。
この分析項目は、運転中の管理項目とも共通します。

なお、管理値は潤滑油メーカーに推奨値に乗る場合が多いですが、過去の劣化
傾向・運転条件・機器の重要度等を勘案して、独自に設定することが理想です。


運転中に定期的に潤滑油の性状を確認し、「現在の性能は大丈夫か」と共に劣化
傾向を把握して、次回交換時期を決定します。

性状確認頻度は、運転状況(運転条件)・潤滑油の種類・機器の重要度によって
変わりますし、それによって分析項目も異なります。
通常のパターンは以下の通りです。

  1)日常点検
    1日に1回、色相チェックと水分混入、乳化の有無をチェックします。
    上の分析方法とは異なり、サンプルを試験管にでも取り 目視で行い
    ます。
    性状値の把握という面では意義が薄いのですが、何らかのトラブルに
    よって機器の損傷に至る事を防止する面では重要です。
  2)月次チェック
    月に1回程度、上記a)~e)を行います。
    中でもc)d)は重要。 他の3点は場合によっては割愛も可能です。
    ディーゼルなら、出来ればf)もやりたいのですが、それは管理体制
    に関わってきます。(自社で分析するならやりましょう。)
  3)数ヶ月に1回のチェック
    運転状況(運転条件)等によって最も頻度が変わる分析です。
    いわば、これが傾向監視の柱で、上記分析項目を全て行います。
    通常は潤滑油メーカーの分析所に送って行いますが、それ以外の
    箇所で行ってもかまいません。

これらの分析値を、絶対値(現在の値がokかどうか)と劣化傾向(次回分析
や点検までに特別な措置を取らないで良いかどうか)の面で判断します。


劣化防止策について。
最近は、潤滑油の性能が上がった事と機器の故障率低下等で、通常はそうそう
急激な劣化も起こりませんが、機器側の故障(例えば水配管系統の破損による
潤滑油への水分混入)等が発生しますと、ダメージがモロに潤滑油へかぶさっ
て来て、機器全体の機能喪失につながりますので、出来たら何らかの防止策を
採りたいところです。

ディーゼルならほぼ無いでしょうが、潤滑油循環系等があるなら、その間に
水分の分離装置を入れるとか、簡易なフィルターをかませるとか。
現実的には、上記の日常点検で防止することになります。


交換しなければならない場合のバックアップ策について。

潤滑油は常に予備を持っておくか、使用している潤滑油の納期を確認してお
くべきでしょう。
例えば、非常用として設置が義務付けられている発電機なら、長期間の機能
喪失は法令(精神)違反の可能性もありますしね。


項目に入りませんが重要な点を。

潤滑油について、知識を持った人を確保する必要があるでしょう。
例えば、発電所ですと化学屋(化学系の教育を受けた社員)に潤滑油管理
の教育を行い、管理を行わせます。

今回は機器メーカーの推奨から外れる、つまり「自分で確認するから良いよ」
ということですから、自社に知識がなければ第一歩も始まらないわけですね。

もちろん、潤滑油メーカーと手を組んで管理していくという方法もあり、コン
サル会社に丸投げする方法もあるんですが、潤滑油メーカーは「自社で何もわ
からない所を相手にして責任を負わされたら堪らないよ」って態度になるでし
ょうし、コンサル会社と相談して色々決める場合にも、自社で最低限の話が
解る技術者を保持する事は必要です。

教育については、潤滑油メーカーに問い合わせ等をすれば解るでしょう。


で、恐ろしく長文になったんですが.... ^^;

これって、上っ面をナゾッただけなんですね。
以上の内容が正しいかどうかは別にして(正しいとは思っていますが)、これ
を書ける位の知識を持った人間でも、過去の劣化実績等の裏づけを無しに管理
しろと云われたら厳しいわけで、それでも機器の重要度を勘案してやっちゃう
場合もありますが.....。
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この回答へのお礼

大変詳しく教えていただきありがとうございます。
早速、実施してみたいと思います。
人材はお国柄いくらでも手に入りますので、後は実行力で何とかしていきます。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/07/16 18:20

オイルで飯を食っています。



コストを考えなければ不可能では有りません。
水分、スラッジ、異物等を除去するのは、ろ過機で除去出来ますが、遠心分離機では大きな異物しか除去出来ませんので、5μ以下の異物まで除去できるろ過機を考えるべきです、が、異物を除去したとしても、問題は添加剤です。

発電機用の潤滑油ですと、ベースオイルが90%、添加剤が10%と思って差し支え有りません。
その添加剤の中で一番多く含有されているのが極圧剤です(発電機の高速回転に耐えられるようになっております)。
そのほか消泡剤、粘度指数向上剤など色々な添加剤が含有されており、長期間使用しているうちに徐々に消滅してゆきます。
理屈からすれば消滅した添加剤を補充すれば再利用できます。事実そのようにしている工場もあります。但し化学(ばけがく)の世界です。性状変化が現れる場合もありますし、何事も無く稼動する場合も有りますが、お薦めできません。

某火力発電所では、潤滑油の管理基準を作成し一定時間稼動すると1/2を廃棄、1/2を新油を補充して使用しております。
何せ潤滑油だけで一台、数千~数万リットル使用しておりますので、全量更油するには膨大なコストが掛かります。

横道にそれましたが、機械に求められている性状を満たしている再生油であれば全く問題ありません。むしろコスト面から積極的に使用すべと思います。
正規オイルのメーカーや機械メーカーは、再生油は駄目とか安全性に責任をもてないとか、恐怖心を煽るようなセールスをする場合がありますが、確りとした管理基準を作成して定期的にオイル分析をして管理すれば問題ありません。
例えば、トヨタ車の取扱説明書には、同じグレードのオイルでも他社のオイルを使用した時には保障できない旨記載されておりますが、殆どのユーザーは他社のオイルで交換しているのと同じ事です。

因みに新油を入れても絶対に故障しないと言う保障は有りません、又長時間使用した汚れたオイルを入れても必ず故障するとは限りません。
またオイルは粘度などの劣化だけではその良し悪しは判断できません。劣化、汚染、磨耗状態などを定期的に、総合的に判断してゆかなければなりません。

メーカー、グレート、性状の同じもの使用し、確りとした管理基準に沿って管理すれば再生油でも全く問題なく使用できます。
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この回答へのお礼

大変貴重なお話、ありがとうございます。
出来るような自信がわいてきました。
おっしゃる通り機器メーカはYESとは言いません。
もっとユーザ側に立って物を考えてくれればと思うのですが。日本の技術力は困難に打ち勝って築き上げてきたものなのに、、、、
本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/07/16 18:27

遠心分離機に掛けただけの再生潤滑油の問題点というご質問でしょうか?




車両用・発電用問わずここは共通なので少し。

1.添加剤残存率が解らない。
   大半の潤滑油には、色々な添加剤が含まれていまして、これが
  完全に消耗されると、その添加剤の効果がなくなる事による不具合が
  発生します。
   特に重要なのは、酸化による劣化防止として添加されている酸化防止
  剤の残存率でしょうか.....。
   これは、通常RBOT(通称ロボット、ロータリーボンブ参加安定度試験)
  という試験方法によって測定しまして、これが0になると、潤滑油のベ
  ースである鉱物油が酸化し、潤滑性の喪失とかスラッジの発生を起こし
  ます。
   特に、最近の潤滑油は、ベースとなる油の精製度合いが高く、その
  分デリケート(ナイーブ?)ですので、添加剤がなくなると、一気に
  (それこそ30分以内とか)性能を失う可能性もあります。

2)新油と再生油をor異種油を混ぜた事によるスラッジ発生
   割合によっても、どちらをどちらに混ぜるかによっても、種類に
  よっても違いますが、スラッジの発生が懸念されます。
   スラッジの発生原因は種々で、添加物同士の反応(滅多にありま
  せんが)、再生油の濃度過多などなど、スラッジ毎に原因がわかれ
  ます。

3)異種油・製造時期違いの混ぜた事による性情変化
   メーカーごと品番ごとに添加物の濃度や成分が若干変っていたり
  ベース油の精製度が違ったりする可能性が高いですが、これを混ぜた
  ことによる性情変化、例えば界面張力だとか乳化安定度だとか(動粘
  度はさすがに変らないでしょうが)、色々なところに不具合が出て
  きそうな感じがします。(予測不可能ってことですな。)


で、発電所なんかでもディーゼル車用と大差ない潤滑油を使ったりして
性状分析の結果から補充とか交換とか添加剤の追加とかするんですが、
その体勢下でも大変なくらい、再生油の管理ってしんどいんですよ。
(コストのかかる多くの分析をしなくちゃ性能の評価ができないです
 から。)

車両用なら、そこまでやるとコスト的に見合わないので、先ずは止めて
置いた方が無難でしょう。


「それでもやりたい!」とお考えなら、また別途ご回答申し上げます。

この回答への補足

ありがとうございます。実は発電機用のエンジンです。コストダウンの為に潤滑油を再利用できないものかと思いまして、オイルメーカの分析(粘度等)は規定運転時間に達していてもまだエンジンメーカの規定内だったものなんで、汚れを取れば使えるはずと思っていました。何かいい方法は無いでしょうか?

補足日時:2004/07/15 15:33
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