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特許法第34条
(1項)特許出願前における特許を受ける権利の承継は、その承継人が特許出願をしなければ、第三者に対抗することができない。
(4項)特許出願後における特許を受ける権利の承継は、相続その他の一般承継の場合を除き、特許庁長官に届け出なければ、その効力を生じない。

上記内容に関して、質問があります。
(1) 理解は下記内容であってますでしょうか?
  『第3者対抗要件』:継承人は、当事者(譲渡人)以外には権利主張ができる
  『効力発生要件』:継承人は、すべての人に権利主張ができる
(2) 1項を第3者対抗要件としたという理由に、下記内容が記載されていました。
  《効力発生要件とすると事実上、出願前の承継が不可能になるため効力発生要件ではない。》
  ここで疑問が出るのですが、出願が公示手段だとすれば、
  権利継承 ⇒ 出願 ⇒ 第3者対抗要件満たす ⇒ 権利主張
  権利継承 ⇒ 出願 ⇒ 効力発生要件満たす ⇒ 権利主張
  となり、出願前の継承は可能だと考えました。なぜ不可能なのでしょうか?

そもそもの質問(1)の理解が間違っているのかもしれません。
どうかご教示のほどよろしくお願いいたします。

質問者からの補足コメント

  • shareholder様ありがとうございます。
    やはり、『第3者対抗』と『効力発生』の違いがまだ分かっていません。
    甲(発明者)、乙(承継者)、丙(第3者)とした場合。
    ①大前提で甲と乙の当事者間に承継が有効である必要がある。譲渡契約など?
    ②(出願前)出願で、乙は甲・丙に権利者だと主張できる。←第3者対抗
    ③(出願後)届出で、乙は権利者になり、甲・丙に権利者だと主張できる。←効力発生
    となり、あまり違いがないように思います。前者は主張できるだけ?後者は権利効力を持つ?

    >承継人が出願することが、承継の効力発生要件とすると…
    効力発生要件とすると、承継人が発明者に黙って、譲渡契約していないのに勝手に出願して権利者となるのはおかしい。と理解しました。しかし、第3者対抗要件とした場合も、勝手に出願して権利を第3者に主張できるのはおかしいと思いました。

    私の理解力が足りず申し訳ありません。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/08/21 22:44
  • お返事遅くなり申し訳ありません。
    ご丁寧な説明をしていただいて、ありがとうございます。
    しかし、恥ずかしながら、その他の文献などで調べましたが、まだ疑問点があります。

    ◎効力発生要件(対象:甲乙)法律関係が発生するのに絶対に必要な要件
    ◎第3者対抗要件(対象:甲乙丙丁己 or 丙乙己)当事者間で発生した法律関係(効力発生要件を満たしたこと)を第三者に対して主張するために必要な要件
    質問①:第3者対抗要件の対象はどちらでしょうか?

    >(1)有効な契約(効力要件。…) = 権利取得(譲渡人甲にのみ勝てる)
     質問②:この『効力』は4項の『効力』と同じ意味でしょうか?
        4項の出願後の二重譲渡問題が発生した場合、効力発生要件を満たしただけなのに第3者を排除できる。しかし、出願前の場合、有効な契約(効力要件)だけでは排除できない?

    No.3の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/08/26 19:00
  • >まだ承継していない人による特許出願できることになり、おかしいし、…
     質問③:まだ承継していない ⇒ 有効な契約を満たしているけど、承継していない?
         出願前は承継していない状況なので、1項を『第3者対抗要件』としても『対抗要件』としても、そもそも出願できない(冒認出願になる)のでは?

      補足日時:2017/08/26 19:00
  • ありがとうございます。1項が効力要件では不可能を強いてしまうか。第3者要件にした理由は理解できました。
    少し前に戻ってしまう質問になりますが、
    >この4項の場合、効力要件は同時に対抗要件の意味も持つ…
    とありますが、効力要件の対象は(甲乙)ではないのでしょうか?
    この書き方だと、4項は効力要件の対象が(甲乙丙丁…)になっています。
    逆に、1項は効力要件満たさず、第3者対抗要しか満たしていないので、(対象:丙丁…)だけになりませんか?

    No.4の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/09/04 15:55
  • 全てを明文化しないという考え方が法律を読む上で、理解できていないところでした。

    第1項:元々は(有効な契約がある+出願)で「効力」が生じるとし、解釈で「第3者対抗」も可能になるとしたかった。しかし、無権利者の出願は不可とされているし、適切な公示方法もないので、「効力」は民法の「有効な契約」に任せ、出願を「第3者対抗」と明記し、「第3者対抗」問題を解決した。

    第4項:(有効な契約がある+届出)で「効力」が生じるとした。解釈で「第3者対抗」も可能なので、明記しなかった。有効な契約だけでは「第3者対抗」問題に答えが出せないので、届出で「効力」を生じると明記した。
    どちらも、「有効な契約」が必要との内容は大前提なので明示しなかった。

    ということは、第4項は、甲乙間の効力は民法の「有効な契約」に任せ、出願を「第3者対抗」としてもよかったのですか?その必要性はありませんが。

    No.6の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2017/09/05 16:13

A 回答 (7件)

(1)が誤解してるようです。



まず、当事者間で有効に承継の効力生じないと、
当事者間でも、第三者に対しても、承継人(と称する人)は
自己の権利を主張できません。
当事者間で有効なときで、第三者対抗要件みたしてはじめて、
第三者に主張できる(第三者から承継人が権利者でないと主張できなくなる)。
当事者間では有効ですから、第三者対抗要件の有無にかかわらず、
承継人は自己の権利を相手に主張できる(あんたからの承継有効じゃんか、と)。

ということで、
効力発生要件満たさないと、誰にも言えない。
第三者対抗要件満たさないと、相手方以外の第三者には自己が権利者であること対抗できない。

で、
1項には、当事者間の有効要件は記載なし。
譲渡なら民法に基づき有効か否か判定される(相続とか譲渡以外の承継でも同じ)。

(2)《効力発生要件とすると事実上、出願前の承継が不可能になるため効力発生要件ではない。》
これは、承継人が出願することが、承継の効力発生要件とすると、
まだ承継していない人による特許出願できることになり、おかしいし、
まだ承継していない人による特許出願認められないなら、出願前承継は不可能を強いてることになるということではないでしょうか。

4項は出願後だから、効力要件でかまわないし、譲渡による取得なら、
出願者の交代は、当然、出願先へ届け出ないと、特許の手続きが混乱するから、
効力要件とすべき。

なので、4項の場合、届け出ないと、譲渡人に対しても、
他の誰に対しても、承継人(と称する人)は、自己が承継人であるとの主張ができない。
なぜなら譲渡の効力生じておらず、権利はまだ譲渡人のもとにあり、譲受人は無権利者だから。
この回答への補足あり
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特許を受ける権利が譲渡されるとき、


懸念されるのは、発明者甲が、発明を、乙にも丙にも譲渡してしまったときです。
民法上、唯一無二の物を、同時に2人に売る契約は、どちらの契約も有効にできるのです。
そのとき、乙丙で、俺が買ったんだから俺のものだという争いが当然起こる。
このとき、ともに落ち度のない乙丙どちらを勝たせるかを決める方法が、
対抗要件です。
対抗要件を先に備えた者が確定的にその二重譲渡されたモノを取得する。
(負けた方は当然、甲に責任追及する。普通は損害賠償)

これを特許法34条1項は採用した。
特許出願を効力要件としても、上記問題解決できるが、
先の回答に書きましたように、出願を効力要件にすると、
まだ権利取得してない=無権利者の出願ということになり、
不可能を強いてしまう。特許法49条7号で、拒絶査定されちゃう。

そこで、対抗要件にした。
乙丙とも甲との関係では、有効に譲受できてるが、乙丙とも、
出願してない以上、万人に俺が権利者だとは言えない。
有効に取得してるが、まだ対抗要件満たしてないときは、
取得は不完全ということになる。
乙が出願することで乙が丙を含めて、甲乙以外の第三者に対しても、
有効に取得したことになり、第三者からあんた権利者じゃないねという
主張を排斥できる。取得が完全となる。

主張できる、というのは、裁判で争っても勝てるほど確かであるということ。

なお、承継人と称するものが承継したとの噓の出願はできないようになってると思います。事前の登録とか識別番号とか発明者の協力ないともらえないはず。

で、34条4項は、もう出願後だから、まだ譲受てない時点でも、
届け出はできるので、単純明快に、効力要件と対抗要件分けずに、
効力要件に一本化にした。効力要件満たせば対抗要件も満たす。

まあ、1項も効力要件にしたかったんだけど、背理になっちゃうので、
対抗要件という概念で処理した。

そもそもの対抗要件、効力要件などは、民法の本などをご覧になると、
回り道ですが、わかりやすいかと。
(民法の学習者もつまずくとこです。何で一つの不動産を二人に売って、
どちらの契約も有効?!といった感じ)
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何度もすみません。

言わずもがなですが、補足的に。

特許を受ける権利の譲渡方法は、出願前と後で異なる。
出願前に譲渡しようとするとき(34条1項)は、
(1)有効な契約(効力要件。特許法の条文にはないが、契約なら当然民法の定めによる)
=権利取得(譲渡人甲にのみ勝てる)
(2)承継人による出願(対抗要件)=完全な権利取得(万人に勝てる)

出願(発明者が自ら出願済み)後の譲渡(34条4項)は、
(1)有効な契約+届出(効力要件(対抗要件が果たす機能も含む))
=完全な権利取得(万人に勝てる)
のみ。
この回答への補足あり
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>質問①:第3者対抗要件の対象はどちらでしょうか?


第三者対抗要件の対象は、譲渡当事者(甲乙)以外のすべての者(丙丁戊己…)

>質問②:この『効力』は4項の『効力』と同じ意味でしょうか?
そうです。この4項の場合、効力要件は同時に対抗要件の意味も持つので、
第三者丙らにも譲渡人甲にも乙が勝てる。

>質問③:まだ承継していない ⇒ 有効な契約を満たしているけど、承継していない?
出願前の特許を受ける権利を譲渡は、出願したら移転するということになる(有効な契約あるのに承継していないと法が定めるのです。で、それは制度破たんを招くので採用できなかった)。


ちょっと、整理します。
1.特許権の移転
2.出願済みの特許を受ける権利の移転
3.未出願の特許を受ける権利の移転

の3つの場合がある。
それで、とりあえず、譲渡(売買)の場合について考えると、

1.については、特許法98条1項1号で、登録が効力発生要件。
これは、権利関係の明確化のためと説明されています。
(現行特許法は、まず、これを実現したかった。無体財産権なので、物がなく、
二重譲渡とか、対抗問題にするとやっかいだから。)
甲から乙に特許権を譲渡する場合、有効に契約し、乙を特許権者として登録することで、甲乙間の譲渡の効力が生じ、同時に、甲乙以外の第三者に対抗できる(乙がだれに対する関係でも特許権者となった)。
対抗要件は効力発生要件に含まれている。

2.については、34条4項で、効力発生要件。
これは、特許権の移転と同じ扱いにして、権利関係の明確化を図ったと説明されます。
甲から乙に「出願済みの特許を受ける権利」を譲渡する場合、有効に契約し、乙が届出することで、甲乙間の譲渡の効力が生じ、同時に、甲乙以外の第三者に対抗できる(乙がだれに対する関係でも特許を受ける権利を有する者となった)。
対抗要件は効力発生要件に含まれている。

3.についても効力発生要件としようとしたが、はたとコマッタ。
出願を効力発生要件とすると、甲から乙に出願前の特許を受ける権利を譲渡する場合、有効に契約し、乙が出願することで、甲乙間の譲渡の効力が生じることになる(有効に契約があっても、乙が出願しない間は、効力発生要件満たしていないから、効力は生ぜず、権利は甲にとどまっている)。

権利が甲にとどまっており、乙は権利を取得していない時点で、乙に出願を要求するのは不可能を強いる(特許庁は、乙からの出願をまだ権利者ではないという理由で却下してしまう)。

そこで、3.については、出願を効力要件とすることはできない(効力要件として規定すると、出願前の特許を受ける権利は、移転できないことになってしまう。それから、発明者死亡の場合(一般承継)、相続人が出願しない間は、特許を受ける権利を有する者が存在しなくなってしまい、理論的制度的に破たんする)。

かといって、二重譲渡の場合のように、出願前の特許を受ける権利を取得した者と称する者が複数現れたら、どっちが勝つか規定しないわけにはいかない。
民法177条、178条は適用できない。

そこで、第三者対抗要件として出願を定めたのが、34条1項。

この規定に基づき、甲乙間の出願前の特許を受ける権利の譲渡をみると、
まず、甲乙間の有効な契約の締結により、権利は乙に移転する。
この時点では、乙は甲から「乙さんあんた権利者じゃないね」と言われても、
契約の事実を証明して、乙が勝つ(乙は甲に権利主張ができる)。
第三者丙が、「乙さんあんた権利者じゃないね。私が甲からその権利買ったんだから」
と言われたら、
出願していない間は、契約の事実を証明しても、
乙が「いや俺が権利者だ」との主張は通らない(また丙が出願してないと、丙も乙に丙が権利者であること対抗できない。双方決め手を欠く状態。先に第三者対抗要件である出願をした方が勝つ)。
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すみません。


追加です。

34条1項の場合、承継人の出願は、有効な譲渡がされていれば、対抗要件具備前にできます。契約書など適法に承継したことを証明する書類を出して、出願できる。

特許法施行規則5条2項は、これができることを前提としている。
(「できる」という規定だが、ふつうは、承継人からの出願時に、契約書等の提出が求められる。)

(証明書の提出)
第五条 特許を受ける権利の承継を届け出るときは、その権利の承継を証明する書面を提出しなければならない。
2 特許庁長官は、特許を受ける権利を承継した者の特許出願について必要があると認めるときは、その権利の承継を証明する書面の提出を命ずることができる。
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>少し前に戻ってしまう質問になりますが、


>>この4項の場合、効力要件は同時に対抗要件の意味も持つ…
>とありますが、効力要件の対象は(甲乙)ではないのでしょうか?
>この書き方だと、4項は効力要件の対象が(甲乙丙丁…)になっています。
>逆に、1項は効力要件満たさず、第3者対抗要しか満たしていないので、(対象:丙丁…)だ>けになりませんか?

特許を受ける権利の移転の要件(効力要件、対抗要件)について、
特許法がすべてを規定しているわけではないです。
民法等の一般原則に変更を加えるところだけ、特許法が規定を置いているのです。

したがって、
1項の出願前の「特許を受ける権利」の移転が、効力を生じる要件は、
特許法に規定がないため、民法等により判定されます(有効な譲渡契約の成立とか、
相続の発生とか)。

なので、出願するときには(承継を証する書面がだせる=甲乙間で譲渡の効力生じているので)効力要件満たしているのです。
で、出願すると対抗要件具備。
1項の場合、
①甲乙間の有効な契約(効力要件。特許法に規定ないため民法等によって判定される)
=乙は甲に主張できる(まだ、丙には主張できない)。
②出願(対抗要件。特許法34条1項に規定あるためこれで判定される)
=乙は、すでに主張できる状態の甲に加え、第三者丙丁…らにも主張できるようになる。

で、4項の場合、届出が効力要件ですから、有効な契約+届出で、
甲乙間で効力生ずるのです。
(有効な契約があることが、効力要件とされるのは、特許法の条文にはないが、有効な契約がない(たとえば、権利の譲渡契約が詐欺取消された)のに、届出で譲渡が有効になって、甲は乙に「あんたの詐欺だから譲渡無効だ」と言えないとおかしい。特許法の規定はあっても、有効な契約という民法上の効力要件を満たしていないなら、効力不発生=無効としなければならない)
(そういう意味でも、そもそも特許法34条4項の規定だけで効力要件を判定するのではないことは、所与のものとして立法されている)

そして、有効な届出がされて、甲乙間で有効に譲渡された、特許を受ける権利について、
第三者対抗要件はどうなるか?ですが、
特許法には規定がないため解釈となります。

そして、届出は公示方法としては適切ですから、届出がされれは、
効力要件満たし(ここは4項の規定どおり)、
同時に解釈上、第三者対抗要件を満たすとしてよい。
届出に加え、第三者対抗要件の具備のために別途の行為を乙に求める解釈は
ありえないことを念頭に、4項は規定された。

そういう意味では、4項は、効力要件を定めることで、対抗要件の問題も
同時に処理されることになると意識している。
効力要件の規定であるが、立法者は、効力要件の具備により、甲のみならず丙丁…ら
にも乙は権利主張できることになるという効果(対抗要件も具備される)
が生じると解釈運用されるはずだと意識していると思います。

効力要件と対抗要件は条文で明示しなければならないわけではないのです。
規定を置かないとどうなるか(=私人間の権利義務の調整する一般法である民法等によって処理される)、を意識して、立法されている。
規定おかなくて問題ないと意識されれば、規定をあえて置かない。
また、効力要件充足で第三者対抗要件を満たす旨の解釈運用は、
全然OK。
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>ということは、第4項は、甲乙間の効力は民法の「有効な契約」に任せ、出願を「第3者対抗」としてもよかったのですか?



その考え方で、OKでしょう。
no.5の回答に書きましたように、立法時の選択肢にはそれがあったが、
当事者間(甲乙間)のことも含めて、権利関係明確化のため、
民法等に修正加える必要ありと、立法者は判断して、
対抗要件でなく、当事者間の効力要件として規定した。
これで、民法上、甲乙間の有効な契約に疑問符が付くケースを
ある程度、排除できる。
(届出のためには譲渡人甲の協力不可欠だから、甲が譲渡契約に
問題ないと是認してるケースのみ、有効に譲渡の効力生じる。
あるいは、特許を受ける権利をもう渡した、まだ渡してないとかの
争いも生じなくできる)
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