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兵庫県では売り切れ必至!「いかなご」って知ってる?

兵庫県では売り切れ必死!「いかなご」って知ってる?皆さんはごはんのお供に、何をのせているだろうか。海の幸では、ちりめんじゃこを思い浮かべる人もいるだろう。この「じゃこ」は雑魚のことで、実はいろいろな種類の小魚のことをさす。その中にいる「いかなご」という魚をご存じだろうか。「教えて!goo」「『いかなご』って、何故『いかなご』?」という質問が寄せられていた。

当該の質問を見たユーザーからは、「スズキ目イカナゴ科で漢字では玉筋魚と書きます云々」(pompom-pandaさん)との回答やいくつか説があるという投稿が中心で、明確な答えは判明していない様子。そこで謎の魚「いかなご」について、神戸で珍味を売る伍魚福の山中勧さんに、詳しく教えて頂くことにした。

■いかなごの名前の理由


「まず名前の由来ですが、何の魚の稚魚かわからないので『いかなる魚の子』から『いかなご(玉筋魚)』と呼ばれるようになったといわれています。玉筋魚の『筋』という表記ですが、江戸時代の百科事典、和漢三才図会には、竹かんむりに助の『筯』で書かれています」(山中さん)

和漢三才図会は、中国の明の王圻(おうき)がまとめた「三才図会」をもとにして作られた当時の日本の百科事典で、1712年頃に出版された書物である。山中さんが調べたところ、「筯」には箸という意味があり、宝石である玉でできた箸のような魚なので、中国でこの字を当てたのではないかとのことだった。今の「玉筋魚」という表記は、似ている字を当てたか誤用が定着してしまったのではと推測できるという。

「本来、今の文字を使うと『玉箸魚』といったところでしょうか。中国の宝石『玉』でできた箸のような魚というほうが、見た目どおりではないでしょうか」(山中さん)

また、関東地方では小女子(こうなご)と呼ばれることもあり、うなぎのような小さい魚ということで「小うなご」から「こうなご」となった説もあるとのことだ。

ところで、スーパーなどで目にするくぎ煮の状態はイメージできるが、実際はどのような魚なのだろうか。

■くぎ煮の言葉の変遷にも、古い記録がある


「大きさは3~6センチ、親魚『ふるせ』は9~12センチです。江戸時代にも親魚は『ふるせ』と呼ばれており、もともとは地引網でも取れるくらい大量に獲れる魚でした。脂分が多く、江戸時代はこれを鍋で焚いて、取れた脂を行灯の油に使ったといわれています。丸ごと食べる魚なので、カルシウムがたくさん取れます」(山中さん)

また古文書には、『ふるせ』を海水で炊いて灯油を取るという記述の部分には、煎る(いる)という言葉が使われているそうだ。大正の食通、魚谷常吉の著書「滋味風土記」にも、釘煎(くぎいり)という記述があると、山中さんは教えてくれた。

「江戸時代に『煎る』という言葉が使われていたことに注目してほしいです。稚魚を煎ると釘のように見えたことから、『釘煎(くぎいり)』と呼ばれるようになったと推測します」(山中さん)

上述の「滋味風土記」によると、出版された昭和10年以前には、すでに、いかなごの釘煎という漁師料理があり、活けのいかなごを醤油と砂糖で煮詰める製法だったことが読み取れるという。その後、次第に「釘煎」が「釘煮」に転化していったのではないかと分析している。ところで、『いかなご』の料理法は、くぎ煮以外にあるのだろうか?

■地元ならではのレシピがあった


「塩を少し入れたお湯で釜揚げにし、ぽん酢でいただくととても美味しいです。お吸い物にしたり、卵焼きに入れる人もいます。また、唐揚げにするとビールの肴にうってつけです」(山中さん)

「滋味風土記」によると「いかなごを頼むのは長田の駒ヶ林の漁業組合か、垂水の魚市場」とある。2月下旬から3月にかけてが旬だといういかなごを、この付近のお店からとりよせるのもいいだろう。

もともとは、漁師料理として広まったいかなごのくぎ煮。地域ごとに独自の配合で煮詰められたりと、地元ではそれぞれの家庭で考えたられたいろいろなレシピが、今なお伝えられているのかもしれない。

●専門家プロフィール:山中 勧
株式会社伍魚福代表取締役社長。
神戸市で珍味、惣菜、酒の肴などを「エンターテイニングフード」として取り扱う総合メーカー。いかなごのくぎ煮にも力を入れており、オンラインショップの他「くぎ煮.jp」で、くぎ煮検定や文学賞などの楽しめるコンテンツも提供している。

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