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電車内で突然人が倒れた時、あなたの行動は違法になる?――弁護士に聞いてみた!

電車内で突然人が倒れた時、あなたの行動は違法になる?――弁護士に聞いてみた!先日、「教えて!gooウォッチ」で「医師が指南。電車内で突然人が倒れた時にあなたができること」という記事を配信した。
突然目の前で人が倒れるということは非日常な出来事だ。とっさには体が動かなかったり、頭が真っ白になってしまった、ということは十分あり得るだろう。しかしながら、ニコニコニュースで思いもよらないコメントが多数寄せられた。

■女性相手だと痴漢だって言われそう


筆者は女性なので考えもしなかったが、「女なら助けない。痴漢っていわれるやろうし」、「女性相手だと意識の確認で触れただけでも痴漢扱いされそうだしな……」といった趣旨のコメントが非常に多く寄せられた。助けてもらっておいて痴漢被害を訴える女性が居るのかは疑問だが、ときわ綜合法律事務所の吉田要介弁護士にこの件について聞いてみた。

「基本的に罪にならないと思います。例外的に、救助という名を借りただけで自らの性欲を満足させるために行った行為だった場合には、強制わいせつや迷惑防止条例違反に問われることがあります。実刑になるかどうかはケースバイケースですが、初犯であれば実刑になることはほとんどないと思われます」(吉田弁護士)

ちなみに、一口に痴漢被害といっても着衣の上から触るなど、一般に程度の軽いものは迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)違反として処罰されるとのこと。下着の中に手を入れた場合などは、これより重い強制わいせつとなる。
いずれにせよ、救助目的で行うのであれば仮に訴えられても問題は無さそうだ。

■自分の行為によって容体が悪化したら?


続いて、「下手に関わると『その行為が適切だったか』『少しでも不適切だと認められた場合、その損害賠償を』と後々訴えられるって事が頭過っちゃうよな」という意見。確かに、専門知識の無い人が救助活動を行うのはいささか不安がよぎることだろう。これに関しては、

「通常の応急処置をして、容体が悪化しても罰せられることはありません。もっとも、一般の人であれば注意していれば避けられるような不適切な処置をした場合、例外的に過失傷害罪で罰せられる可能性はあります。なお、そのような場合でなければ民事上の損害賠償責任も負いません」(吉田弁護士)

とのこと。今回のように、突然倒れた人を救助するケースのことを民法では「緊急事務管理」といい、民法698条で「管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために、事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」と規定されている。
要するに緊急事態の場合、重大な過失が無ければ助けた人の容体が悪化しても賠償義務は発生しないのだが、慎重に行うに越したことはない。駅員や乗務員を呼ぶなど、周りに助けを求められる状況であれば是非声を上げよう。

■SNSにアップした人は罰せられるのか


最後に、あくまで少数派であるが「素早く撮影してtwitterで拡散しつつその場から離脱」といった声も。急速に発展したSNSをめぐるプライバシーとモラルの問題は絶えないが、このような行為は法律上どのように扱われるのだろうか。

「救助の関係で、衣服が脱がされている状態を写真に撮った場合は迷惑防止条例違反になる可能性がありますが、それ以外の場合は、罪に問われることはないと思われます。もっとも、罪に問われないとしても、肖像権やプライバシー侵害で民事上の損害賠償責任を負うことはあります」(吉田弁護士)

民事上では問題になっても、刑事上での取り締まりはなかなか追いついていないようだ。
やや極端なコメントを取り上げてみたが、もちろん、「駅で貧血で倒れた時手助けしてくれたのは知らない女性だったよ。自分もすぐ動ける人間になりたい」、「人が倒れてるのに無関心でいる方が信じられん。心配して行動起こしたら何か損することでもあるのか?」といった意見も。
「助けたい」という気持ちさえあれば、あれやこれやと心配する必要は無いのではないだろうか。

(酒井理恵)

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