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巨大ロボットアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズには、「アルキメデスの熱光線」の規模を大幅に拡大した「ソーラーシステム」や多数のスペースコロニー向け宇宙太陽光発電パネルから得た電力をスペースコロニーを改造した発振器でレーザー光に変換する「コロニーレーザー」等の太陽光エネルギーをエネルギー源とした大規模破壊を目的とした戦略兵器が登場します。
 これら「ソーラーシステム」と「コロニーレーザー」という2種類の戦略兵器の内、前者の「ソーラーシステム」は一年戦争で連邦軍が使用したものが唯一であり、その後は同様のものが建造された様子が皆無である(小説や漫画等の派生作品を除く)のに対し、後者の「コロニーレーザー」は初の実用化例である一年戦争時のジオン軍の「ソーラレイ」に続き、一年戦争後にも連邦軍が「グリプス2」を建造し、この「グリプス2」は『機動戦士Ζガンダム』の作中において3回使用された後、損傷して放棄されるも、その後、『機動戦士ガンダムUC』で修復されて復帰・使用されましたし、更に時代を下って『機動新世紀ガンダムX』の時にも新たに建造されたものが登場しています。
 つまり、「ソーラーシステム」が何故か廃れたのに対し、「コロニーレーザー」の方は繰り返し使用されているわけです。

 しかしこれはおかしな話です。
 「ソーラーシステム」も「コロニーレーザー」もどちらも太陽光エネルギーをエネルギー源としている以上、その出力は太陽光の受光面積とエネルギー変換効率に比例します。
 「ソーラーシステム」は単なる鏡の集合体ですから、エネルギー変換効率は使用している鏡の反射率に等しく、反射率が最高の鏡は銀メッキ鏡ですが、銀は資源量が少ないので、反射率はやや劣るものの資源量が豊富なアルミ鏡を使った場合、反射率は80%~90%ですから、低い方の80%を採用したとしてもエネルギー変換効率は80%にもなります。
 それに対して「コロニーレーザー」の方は膨大な面積の太陽光パネルが必要となりますから、資源量に制限が少ないシリコン太陽電池を使わざるを得ず、太陽光から電力への変換効率は理論限界ですら29%しかありません。
 そうして得た電力をマイクロウェーブ送電でコロニーを改造した発振器に送るわけですが、マイクロウェーブ送電の効率は一般的なもので約70%、実験室レベルでも80%がやっとです。
 マイクロウェーブ送電で給電された電力をレーザー発振器でレーザー光に変換する際の効率は、レーザー発振器の種類によりも大差があり、初代の「ソーラレイ」の場合は炭酸ガスレーザーという設定なので効率は10%~30%、次の「グリプス2」のレーザー発振器の種類は不明ですが、劇中で描かれた発振器の外観を考えると半導体レーザーや自由電子レーザー、ファイバーレーザーであるとは考えられず、YAGレーザーのような固体レーザーか又は透明容器に充填した気体を媒質とした炭酸ガスレーザーのような気体レーザーのように見えます。
 気体レーザーで効率が最高なのは炭酸ガスレーザーで、その効率は先述したように10%~30%、固体レーザーの中でも効率が格別高いのは半導体レーザーで電力を一旦単色光に変換した後、その単色光で特殊ガラスであるYAGを励起させるLD励起YAGレーザーで、その効率は約15%です。(但し、LD励起固体レーザーは高出力が出せません)
 太陽光発電の効率の限界が29%、マイクロウェーブ送電の効率が高くても80%、レーザー発振器の効率が高くても30%という事は、総合効率は7%弱しかない事になります。
 因みにレーザー発振器は光や電力の形で外部から投入されたエネルギーをそのままレーザー光に変換するだけであり、エネルギーを蓄積する事は事実上出来ません。
 「ソーラーシステム」の効率は80%ですので、「コロニーレーザー」の太陽光パネルと同じ面積の鏡を使えば約11.5倍もの出力が得られる計算になります。

 「ソーラーシステム」の弱点として良く小回りが利かないとか、大量の大型の鏡は敵からの攻撃に対して脆弱、といった話がありますが、それは大面積の太陽光パネルを大量に必要とする「コロニーレーザー」も同様です。
 むしろ変換効率が悪いが故に、損失したエネルギーが熱に変わり、広大な面積の赤外線発生源となる「コロニーレーザー」の方が被発見率が高い分だけ、より脆弱だと考えられます。

 超高純度のシリコンに極微量の添加物を精密に濃度調整しながら製造しなければならない太陽光パネルや、マイクロウェーブ送電の送信部と受信部、レーザー媒質を励起するための電極とそれに給電するための電気系統、レーザー媒質の容器としてのスペースコロニー、等々、複雑でコストのかかるシステムが複数種類必要となる「コロニーレーザー」は、超高コストで、建造にも手間と時間を要し、故障し易く、整備性にも劣ります。
 一方、「ソーラーシステム」は単なる鏡とその展開機構に、(「コロニーレーザー」の太陽光パネルにも付いている)姿勢制御装置を取り付けるだけという簡単な仕組みで、故障し難く、量産も容易で、低コストで済みます。
 また、「コロニーレーザー」は1回発射すると次回の発射までにインターバルが必要になるのに対し、「ソーラーシステム」は姿勢制御装置の推進剤が続く限り、幾らでも連続して照射し続ける事が出来ます。

 このように出力をはじめ、多くの点で劣っている「コロニーレーザー」が何故か使われ続けているというのに、何故それよりも優る「ソーラーシステム」が廃れてしまったのでしょうか?

A 回答 (2件)

>「ソーラーシステム」は一年戦争で連邦軍が使用したものが唯一



ひょっとして「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」を
知らないのですか?
小説版や漫画版ではなく、れっきとした有名な映像作品です。
ちなみに、第11話後半でデラーズがシーマの人質になったあたり。
その後、見つかって多くを破壊されたので、出力が低い状態のまま
発射したのでコロニーの破壊ができず、コントロール艦を沈められて
コロニー落しの阻止に失敗しています。



>初代の「ソーラレイ」の場合は炭酸ガスレーザーという設定

どこからそんな設定が出てきたんですか?

ロマンアルバムエクストラ 50
「機動戦士ガンダム Ⅲ めぐりあい宇宙編」 P104

 気体レーザは連続的なレーザ光を得ることができ、現在
 炭酸ガス・レーザ、ヘリウムネオン・レーザ等がある。
「ガンダム」に登場したレーザはこの気体レーザの発展型式
 であると言える。
 (中略)
 円筒内に充満する80パーセントのヘリウム、15パーセントの窒素、
 5パーセントの二酸化炭素。

ちなみに、ホビージャパンでの「GUNDAM CENTURY」の広告で
炭酸ガスレーザーと書かれていたそうですが、

「GUNDAM CENTURY」 P53

 レーザー発振にはヘリウム80%、窒素15%、二酸化炭素5%の
 大気が使用され、ポンピングにはジオン公国のほとんどすべての
 パワーユニットが使用された。

と、本紙ではやはり同じ組成です。
十分な資料の読み込みをせずに出展が不明のネットの知識だけで
作品を批判するのはいかがなものかと。



>太陽光パネルを大量に必要とする「コロニーレーザー」も同様

前述の「GUNDAM CENTURY」 P53 からの引用にある通り、
コロニーレーザーのエネルギー供給にはジオン公国の総電力を
流用する形で使用しています。つまり、既存の施設からの流用で
劇中でその場所に新たに展開しているよう見えるのはその一部です。



>「ソーラーシステム」が廃れてしまったのでしょうか?

ミノフスキー粒子の影響下で、数百万枚のミラーを制御するのは
困難なうえ、制御する艦が落されると使えなくなります。
また、防御に弱いうえに照射側に艦隊を配備できないので
守りにくいうえに、広域に展開するので目立ちやすく
的になりやすいです。(0083でも肉眼で認識されています)
1年戦争ではティアンムが使用準備中に囮部隊が攻撃して
目をそらしていましたが、この時も見つかって衛生ミサイルで
半壊しています。
つまり、使うにはとんでもなく手間がかかってしまうのに
大きいから隠れて展開できない上に防御が困難という、
兵器としてはとても使いにくい大きな欠点があるからです。
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この回答へのお礼

御回答頂き有難う御座います。

>ひょっとして「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」を知らないのですか?

 元々は小説作品だと勘違いしておりました。
 しかしその作中で「ソーラシステムⅡ」を使用していたティターンズも後継機としては「グリプス2」というコロニーレーザーを選択しているわけですから、結局

>「ソーラーシステム」が何故か廃れたのに対し、「コロニーレーザー」の方は繰り返し使用されている

というおかしな事になっている事には変わりがないわけです。


>どこからそんな設定が出てきたんですか?

 意味不明です。回答者様御自身で

>ホビージャパンでの「GUNDAM CENTURY」の広告で炭酸ガスレーザーと書かれていたそうですが

と書いておきながら、何故、私がコロニーレーザーは炭酸ガスレーザーと書いた事に異を唱えているのですか?

>円筒内に充満する80パーセントのヘリウム、15パーセントの窒素、5パーセントの二酸化炭素

>レーザー発振にはヘリウム80%、窒素15%、二酸化炭素5%の大気が使用され

 その組成の媒質を使ったレーザーは炭酸ガスレーザーそのものではありませんか!
 どこが

>どこからそんな設定が出てきたんですか?

だと言うのですか?
 十分な資料の読み込みもせずに表面的な情報だけを鵜呑みにし、自分の頭で考える事もせず、思い込みだけで回答するから、そんな頓珍漢な回答になってしまうのです。


>コロニーレーザーのエネルギー供給にはジオン公国の総電力を流用する形で使用しています。つまり、既存の施設からの流用

 その話はとっくの昔に当方も存じておりますし、あれだけ多数の太陽光パネルを必要とするのですから

>ミノフスキー粒子の影響下で、
>制御するのは困難なうえ、制御する艦が落されると使えなくなります。
>防御に弱いうえに照射側に艦隊を配備できないので守りにくいうえに、広域に展開するので目立ちやすく的になりやすいです。
>とんでもなく手間がかかってしまうのに
>大きいから隠れて展開できない上に防御が困難という、兵器としてはとても使いにくい大きな欠点がある

というのはコロニーレーザーも全く変わりありません。 
 いや、ミノフスキー粒子の影響下でより使い難いのは送電をマイクロ波で行っているコロニーレーザーの方でしょう。

お礼日時:2025/05/07 06:49

発展型のソーラシステムⅡが0083で使用されていますが焦点コントロール制御に難があるような描写をされていましたよ。

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この回答へのお礼

御回答頂き有難う御座います。

 「ソーラシステムⅡ」って小説作品とその設定を導入した漫画作品内における独自の存在かと思っていたのですが、それは私の勘違いだったのですね。
 しかしながら、「ソーラシステムⅡ」を使用していたティターンズも後継機としては「グリプス2」というコロニーレーザーを選択しているわけですから、

>「ソーラーシステム」が何故か廃れたのに対し、「コロニーレーザー」の方は繰り返し使用されている

というおかしな事になっている事には変わりがないわけです。


>焦点コントロール制御に難がある

 それは「ソーラシステムⅡ」固有の欠陥に過ぎません。
 ソロモン攻略戦で使用された初代のソーラーシステムにはそのような欠陥は無かったのですから、ソーラーシステムが廃れる理由にはなりません。
 そもそも「ソーラシステムⅡ」には技術的に見て不合理な点があり過ぎます。
 ミラーの姿勢制御を全てコントロール艦だけで行ったせいでシステムが肥大化してしまい、コントロール専用の艦が必要となったそうですが、何故そんな欠陥のあるシステムにしているのかわけが分かりません。
 個々のミラーに制御装置を搭載しておき、コントロール艦からは目標の座標情報のみを全ミラーに発信し続けるようにすれば、後は個々のミラーが自動でミラー自体の現在の位置座標と目標との位置関係、及び太陽光線の入射方向を測定し、反射光が目標に向かうように全自動で姿勢制御を行うように出来るので、システムは肥大化しませんから、専用のコントロール艦も必要ありません。
 コントロール云々などよりも根本的に問題なのは「薄いミラー膜をロール状にして格納する方式」であるという点です。
 ミラーは、ロール状に巻いた際に加わった応力の残留応力により、展開した際には残留応力の影響で丸まってしまい、平面鏡にはなりません。
 それに加えて事実上剛性の無い膜を使ったのでは、ミラーの向きを変えるためにバーニアを噴射した際に、例え空気抵抗の無い真空の宇宙空間であっても慣性力によってミラー膜が(振られた旗のように)はためいて波うってしまう事で平面鏡ではなくなってしまいます。
 これらの影響により、膜状のミラーでは平面鏡にはならず、反射光が拡散してしまうため何十㎞も離れた場所に焦点を合わせる事は不可能なのです。
 膜状ミラー式は実現不可能な欠陥構想です。

お礼日時:2025/05/07 05:19

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