
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
私はちょっと歴史的な解説を試みてみます。
ヌーベルバーグをより深く楽しむためには
30~50年代ハリウッドのスタジオ・システムのことを
押さえておいた方がイイと思います。
ハリウッドのスタジオ・システムというのは
要するに日本のかつての松竹なんかの原形ですが
撮影所が専属の俳優やスタッフを雇うことで
映画を大量生産し始めたんです。
これはプログラム・ピクチャーと呼ばれますが
簡単に言うと、各監督が個性を競う、といったものではなく
スタジオが主導権をもって作品の均質化を図ることで
映画の世界基準をつくろうとしていたんです。
プログラム・ピクチャーは
30~40年代に数々の名作とスターそして、職人的な監督を生み出した一方で
50年代に入るとマンネリになってきます。
60年代に入るとハリウッドに対するアンチテーゼとして
ヨーロッパからの回答が
フランスの映画批評雑誌が中心となったムーブメントで
これが「ヌーベルバーグ」と呼ばれ
アメリカ自身による回答が
インディーズが中心となったムーブメントで
これが「アメリカン・ニューシネマ」と呼ばれます。
特徴としては何よりも監督が主導権をもって
ハリウッドが打ち立ててきた基準を破壊しようとしたことです。
破壊の仕方は作家によって様々でしたが
象徴的なのが、やはりゴダールで
突然ストーリが中断して、映画の登場人物が
観客に向かって語り出す、といったような
今ではめずらしいことではないですが
当時としてはさまざまな実験的手法が導入されています。
ゴダールは「私の映画に細部はない。あるのは全体とか形式といったものだけだ」
などと言っていますが
こんな視点をもっていた方が
よりヌーベルバーグを楽しめると思います。
ちなみに、彼の言う「細部」とは「映画の内部」のことです。
「全体」とは「歴史的存在性」や「時代的存在性」といった視点です。
そろそろまとめます。
ヌーベルバーグやアメリカン・ニューシネマは
30~50年代ハリウッドに対する批評的存在として個々の作品が動機づけられています。
そのヌーベルバーグが90年に入って存在意義を失い始めます。
それは90年代前半の以下の現象として現われます。
すなわち
ヌーベルバーグの最終世代であるレオス・カラックスの沈黙。
リュック・ベッソンのハリウッドへの転向(転向というよりカミングアウトかな)。
その一方で
キャメロンが世界的メジャーになり
スピルバーグが難解な作家になっていきます。
何か、まとめになってませんね。
デジタルハリウッドから「ロスト・イン・アメリカ」という
本が出ています。
青山真治、阿部和重、塩田明彦といった
蓮実重彦の門下生たちによる対談集です。
これを読むとよく分かると思います。
No.6
- 回答日時:
おはようございます(^.^)
目が覚めた時に起きちゃう沢木耕太郎みたいなranraraです(^^)
ちょっとエラッソーな事書いたので訂正と書き忘れたかな?
なんてしつこく回答してます。(くどいよね。ごめんなさい)
私はジェラール・フィリップの大ファンで、“古きよきフランス映画~”が
好きで、3292mbさんのように、「ヌーヴェル・ヴァーグってなあに?」と
思ってアテネフランセに一気にだだだーっっといろいろな作品を観てしまい、
???だったので、
そのカタログを買ったんです。
で、そのダダダーっと観た映画の全てが
作品の写真⇒監督から始まって拘わったスタッフ全て
(勿論出演者含む)の一覧⇒なになに賞受賞⇒解説⇒あらすじ
なので、私にとっては「参考書」でした。
「どういう意味だったの?」とか分からない事だらけで、
そのカタログ読んで「そういう事か」みたいな(笑)
なので、回答になっていなかったので
反省してます(^^ゞ
古いフランス映画から観てからヌーヴェル・ヴァーグの作品観ると
No.1の方のご回答の「新しい波」という意味があてはまるのかな、
などと“自己流に”感じてます(^.^)
No.5
- 回答日時:
「死刑台のエレベーター」「地下鉄のザジ」ルイ・マル
「勝手にしやがれ」ゴダール
「大人は判ってくれない」「ピアニストを撃て」トリュフォー
「24時間の情事」アラン・レネ
などが有名でしょうか。
ヌーベルバーグは監督の作家性、芸術性にこだわりすぎたあまり、
一般観客の足を映画館から遠ざけたという見方もされていますね。
僕も一通り観てはいますが、個人的には、監督の個性と娯楽性が
うまくミックスされたニューヨークの監督のものが好きです。
No.4
- 回答日時:
No.2のranraraです(^.^)
姉から取り戻しました^^;
『Retrospective de Georges de Beauregard』
レトロスペクティヴ/ジョルジュ・ド・ボールガール
という、カタログです。
(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)さんが編集されてます。
大島渚監督のインタヴューも載ってます。
映画の写真が沢山載っていて、
その作品について詳しすぎるくらい
(録音・衣装・会計のスタッフの名前まで^^;)
その後にその映画の解説もされているので、
結構お薦めです。
ただ、これはアテネ・フランセ通いでの「私の思い出」なので、
これだけ愛着を感じているのかもしれません(^。^)
皆さんのご回答もとても分かりやすくて
私も皆さんのご回答で勉強させていただきました!!
No.2
- 回答日時:
アテネフランセで『ヌーヴェルヴァーグ祭』(だったっけな?そんなタイトル)
に毎日上映3回、一週間通ったranraraです^^;
詳しいパンフレット(これって結構すごいもんだった)というか説明の
書いてあるものを購入したのですが、
今姉の家にあるので、明日詳しくお教えしたく、
・・・というより、そのパンフレット、
多分アテネフランセに聞けば在庫があるかも、なので・・・
あ、でももうkonkon0421さんのご回答が一番か・・・^^;
>konkon0421様
『勝手にしやがれ』のベルモンド、
『モラン牧師』でまるで逆の演技にシビれ、
『ハーフ・ア・チャンス』でがっくりきた私はどうしたらいいのでしょう(;_;)
憧れの人が・・ああ、でも、ベルモンドは大好きだし・・・
なんであの映画に出演してしまったの・・・(いや、ファンの方がいたら
ごめんなさいm(__)m )
No.1
- 回答日時:
ヌーヴェル・ヴァーグ Nouvelle Vague (新しい波、新しいうねり)
フランスで1960年代ごろに若手の映画監督を中心として送り出された作品群・及び作風を指します。
ゴダールが日本では一番知られているのかもしれませんが、他には、故フランソワ・トリュフォーやエリック・ロメールが代表的です。
この二監督は、個人的に大好きでエリック・ロメールは今も健在です。
ヌーヴェル・ヴァーグの監督たちは「カイエ・デュ・シネマ」という理論派の映画雑誌(今でもあります)の編集者・執筆者出身が多いのが特徴です。
それゆえ、映画製作も理論的に新しい方法を築いた、らしい。(これはよく分かりませんが)
私見ですが、ゴダールはいささか前衛に走りすぎていて、難解な作品も多いです。
前出のトリュフォーとロメールの作品は、いかにもフランス映画らしい雰囲気のある、面白いものも多いと思います。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/04/06 17:46
明確な回答ありがとうございます。
「新しい波」とありますが、逆に当時はどういった映画が主流だったのでしょうか?
また、ヌーヴェルヴァーグの代表的な作品は何がありますか?
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