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広い意味での(20世紀初め~現在)現代音楽に関心があって、CDなど集めているのですが、現代音楽の聴きかたとして、曲を「分析的」に聴かないと聴いたとは言えない、ということがあるのでしょうか。
もちろん、原則としてどんな音楽もどんな仕方で聴いてよい、と思いますし、音楽理論や譜面に親しんで聴いてみれば、クラシックやポピュラーを問わず、より作品への理解が深まるものだと思います。
それを前提にした上で、「特に」現代音楽に関しては、理論をベースに作品の構造を聴く、スコアを手に入れて分析しながら聴く、という聴きかたが「普通の聴きかた」なのでしょうか。
ある雑誌である批評家が、ヴェーベルンに熱中したときに、楽譜をすべて暗譜して、音列の織物のような構造を聴き取ることが、高尚な楽しみだと思って聴いていた、ということを言ってました。
ネットなどでの現代音楽のコミュティには、専門で音楽を勉強していて、趣味で作曲を少しやる、みたいな人が多く、曲の構造を理解して、「ここの、こういうところがいい」というような話し合いがよくされています。
ですので、現代音楽を「聴く」というのは、分析的に聴くというのが当たり前のことなのかな、と疑問に思った次第です。
どうぞ宜しくお願いいたします。
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No.4ベストアンサー
- 回答日時:
少しご質問の趣旨を誤解していたようです。
ごめんなさい。正直に申し上げると、「普通の聴き方」という表現に少し抵抗を覚えたので前回のような回答をさしあげたのですが、おっしゃる趣旨はまったくそのとおりだと思います。ただ、シベリウスの例を出したのは、音楽には感覚的な楽しみ以外にも構造や分析によって得られる「おもしろさ」があり、それは現代音楽には限らないのではないかと思ったからです。逆に言えば、感覚的な楽しみが少なくても、後者の「おもしろさ」を中心に聴くことがありえるわけで、いわゆる「現代音楽」の場合はそうした場合が多いとはいえると思います。そうした作品についていえば「分析的に聴く」ことが必要なのでしょうね。私自身、シェーンベルクやライヒは伝統的語法になじんだ自分の耳でも感覚的に楽しく聴くことができますが、ケージやブーレーズとなると難しいと感じます。
というわけで、あまり参考にならない回答で申しわけありません。
こちらこそ、最初の質問で内容をうまく表現できなくて、誤解を与えてしまったようで申し訳ありません。
仰られるように、分析で得られる面白さは、現代音楽ばかりでなく、クラシックでもポピュラーでもあると思います。
>「現代音楽」の場合はそうした場合が多いとはいえると思います。
こうした指摘を頂き、現代音楽をより知るためにも、分析して聴けるような知識や感覚を持ちたいと思うようになりました。
>あまり参考にならない回答で申しわけありません。
いえいえ、とても参考になる回答でした。
本当にありがとうございます。
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No.3
- 回答日時:
たとえば、ストラヴィンスキーの「春の祭典」は、いろいろな計算が背後にはあるそうで、ブーレーズなどはそうしたものを読み取った上で指揮しているそうです。
しかし、そんなことはわからないまま聴いてもブーレーズの「春の祭典」を楽しむことはできます。さらにいえば、おそらくそんなことはほとんど意識していないであろうスヴェトラーノフの指揮でも、この曲を楽しく聴くことは可能だと思います(好き嫌いは別です)。すでに回答があるように、私も分析的に聴「かねばならない」ことはないとおもいます。ただ、現代音楽であるかどうかにかかわらず、ある曲を好きになって聞きこんでいけば、もっとよく知りたくなります。そうすれば、その曲をもっと知るために音楽理論についても知りたくなることはあるでしょう。
それはたとえば、翻訳で大好きになった外国の小説を原文で読みたくなって、その言葉を勉強するのと同じではないでしょうか。そうすると、翻訳では伝わらなかったニュアンスや、言語表現の巧みなところ(たとえばうまいだじゃれ)に気がついて、さらにその作品が好きになる・・・となれば幸せですよね。音楽でも同じだと思います。
いぜんこの「教えて」でシベリウスのヴァイオリン協奏曲について「音楽理論的に不自然なところがある」という質問があり、それに対して「その不自然さをうまく使っていることこそがこの曲のすばらしさなのだ」という回答があいついだことがありました。私はその理論上の分析についてはさっぱりわからなかったのですが、私も大好きなこの曲について、そうした形で魅力を発見できることを、とてもうらやましく思いました。そして、やっぱりアナリーゼできるようになりたいなあと思ったものです(まだ実行できていませんが)。
私見のみになってしまいましたが、参考になりますでしょうか。お役にたてば幸いです。
この回答への補足
丁寧な回答をありがとうございます。
少し補足させて頂きます。
ストラヴィンスキーは、作品にも依りますが、感覚的に楽しめますし、理論的に深く掘り下げようと思えば、伝統的な音楽理論で理解できるように思います。
そうした作曲家に比べて、例えばシェーンベルクなど、無調音楽を始めた人たちの作品は、感覚的に聴こうと思っても、クラシックを聴くときのような、聴き手の感覚的な楽しさに応えるような音楽になっていない、と思ったのです。また、理論的にも、それまでの音楽理論だけでは不十分で、新しい音楽語法についての知識が必要になってくるのではないかと思えるのです。
つまり「感覚的に聴く」という態度で接しても、伝統的な調性音楽に馴れている耳では、楽しさを感じられないのではないか、新しい音楽語法を学んで、「分析的に聴く」という態度の方が求められている、というように思ったのです。
現代音楽は、セリーやクラスターやミニマルなど、使われている作曲技法の名前でジャンル分けする傾向があるようですが、20世紀のどこかで(おそらくシェーンベルク辺りから)伝統的な音楽理論から逸脱して、もっと自由な立場から作曲しよう、ということになり、それと並行して、従来の耳では鑑賞できなくなる作品が作られていった、と思ったのです。
ただ、私が書いてきたようなことは、現代音楽のうちの、ほんの一部の傾向であって、現代音楽すべてがこのようになっている、とは思わなくなりました。
No.2
- 回答日時:
No.1です。
理論・構造に基づいたタイトルが付けられている事も、現代音楽に限った事ではないですよね。それらは(優れた作品であればなおさら)単に『理論・構造を理解した上で』という事を示すものではなく、タイトルから独立して見た時にも立派な表現作品になっているはずでしょう。練習曲集だって『ただ練習する為だけ』のものなら、到底『優れた表現作品』としては成り立たないものになっているでしょう。
もし『理論・構造を理解している前提でしか聞けない音楽』として作られていたとしても、それは現代音楽においても『たくさんある表現手段の1つ』に過ぎないのではないでしょうか。
逆に、現代音楽の多くが『理論・構造を理解していなければならない』上で作られた音楽だとしたら、到底つまらないものでしかないと思いますが、自分は決してそんな事はないと思いますね。基本的に音楽(あるいは表現作品)とは理論や科学の様な理屈内に収まらないもの・・・感覚的なものだと思いますので。
これらの話こそあんまり専門的ではなく感覚的な話でしかなく恐縮なのですが・・。(苦笑)
でももしorihs74さんが「分析的に聴くべきなのでは」と思ったならいいきっかけと思って、そういう観点から追求してみるのもいいと思いますよ。楽しみ方の幅も広がるでしょうから。
早速回答して頂きありがとうございます。
そうですね、ご指摘頂いた通りで、逆に言えば、作品の構造の理解を前提としない音楽が、現代音楽に全く無いかというと、そんなことはありませんし、感覚的に楽しめる作品もたくさんありますね。
自分は体系的に音楽理論を学んだ経験は無いのですが、仰られるように、これを機会に勉強してみようと思いました。
どうもありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
理論や構造の観点から分析して語られるのは、何も現代音楽に限った事ではなく、クラシックのヘビーリスナーや評論家であればどんな時代の音楽対象にしている人でも、よく目にすると思います。
音楽理論や譜面に親しんで聴く・・・音列の織物のような構造を楽しむ・・・これは古典だろうと近代だろうと、どのジャンルでも普通にあり得る楽しみ方だと思いますよ。
ただ、現代音楽はモーツァルトやチャイコフスキー等とは違いクラシック初心者を寄せ付けませんので、現代音楽専門のコミュニティに行けば必然的にディープな観点からの話をよく目にする、ただそれだけの事ではないでしょうか・・・。
この回答への補足
回答ありがとうございます。
仰るとおり、分析して聴くという楽しみ方は、現代音楽に限らないと思います。ただ、現代音楽は、分析して聴くという聴きかたが「普通」であって、分析せずにただ聴く聴きかたのほうが「特殊」なのかな、と疑問に思ったのです。
例えば「○○の音列による~」というような曲名の作品がありますが、こうした作品を聴く場合、どういった音列が使われていて、配置はどうなのか、ということを理解してからでないと、ただ聴いているだけではナンセンスなのかな、というように思ったのです。
ライヒなどのミニマル音楽や、ペルトなどのような作品を、分析などせずに純粋に聴いて楽しむ、ということは分かるのですが、それは例外的なことで、セリー音楽やクラスターなどは、普通は譜面を手元において、構造を理解しながら聴く、という聴きかたを前提にして作られている音楽なのかな、と思ったのです。
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