

最近、川端康成の「掌の小説」を買いました。でも、その中でどうしても理解できないのが、「恐ろしい愛」という短編です。
主人公の「彼」は、大変なナルシスト。その彼が、死んでしまった妻・その死を、妄想によって語る…?という話の大筋はつかめたのですが。(自分の解釈ですが)
物語の中の「娘」についての描写がよくわかりません。
「はさみ」「白い布」「水道の音」「夜中に爪を切る」「娘の秘密」
。
これらは、一体何を表しているのでしょうか?
父親を殺すことの前触れ?
「爪を焼く臭いで吐きそうだった」というのは、
爪=身体の一部だから、
それを焼くこと=死体を焼く ことを想像させた?
「娘の秘密」は、父親を殺そうと計画を立てていることで、だとしたら、娘が真夜中に泣いていたことも納得できるのですが。
そして、最後。
娘に殺される彼は、そのことまでも妄想によって美化してしまうという解釈で良いのでしょうか。
本当は娘は母の仇でもなんでもなく、ただ父親が憎かったから殺したのに、彼はそれを認めたくなくて、妄想へ走る…
こんな風に感じました。
読んだことのある方、それぞれどう解釈したか教えていただけると嬉しいです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
全くの私見ですが
彼は、妻を極端に溺愛したのですよね?
それで、妻が死んだのは自分の妻への溺愛の天罰だと思い、
以後は、一切の女を遠ざけ、女を諦めようとしています。
というのも、女という女がみんな妻に見えるからでした。
ところが、家には、妻に似た娘の存在がありました。
次の場面を、私は、とても恐ろしいことと解釈しました。
立膝を開いて、鋏を使っていましたね。そして、
夜中にシーツを洗っています。
つまり鋏を用いる行為でシーツを汚してしまった訳です。
どんな行為か、想像がつくと思います。
どうしてこんな行為に走ったか、それは、
亡き母を溺愛していた父親が、自分の中に母親の
面影を見て、女を諦めようとしている彼の決意が揺らぐ
ことになりはしないか、という恐れからだと思うのです。
(女を諦めているのに、夜中に部屋を覗きますね。)
そしてこれは、ついに彼への殺意に発展します。
爪の焼ける匂いで吐き気をもよおすのは、その娘の恐るべき行為の
生々しさを知ったからではないでしょうか。
そして、あまりに妻を愛しすぎたために、妻に似た娘にさえ
尋常な目を向けることができなくなった彼の顛末が
娘からの刃だったのではないでしょうか?
あまりに短い文章で、想像でしか語れませんが
参考までに書いてみました。
toko0503さん
お返事どうもありがとうございます。
私も、「彼」が娘に対して異性としての目を向けてしまって、その気配を感じた娘が彼を殺したのかなぁ。とまでは想像出来たのですが…娘が部屋でしていた行動の解釈がちんぷんかんぷんでした。
toko0503さんの、解釈を読んでなるほど!と思いました。
そう考えるとあの場面はぞっとしますね…
病的な男の愛について、こんなに短い文章の中で、たくさんの要素を詰め込んで完結させるなんて…川端さん本当すごいです。
とってもすっきりしました。
ありがとうございます!
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