

「百億の昼と千億の夜」の結末の解釈(ネタバレ)
先日、光瀬龍さんの「百億の昼と千億の夜」を読了したのですが、あの結末の解釈に関して教えてください。最後の対話に出てくる「反応炉の内部に発生した高エネルギーの集団」とは、
a. 人類のような知的生命体
b. 転輪王が存在する(= 地球が含まれる)宇宙
の二つの解釈が可能だと思います。これへの対策として「崩壊の方向をたどる因子」が加えられるのですが、上記の二つの解釈に対応して、この「崩壊」のターゲットも二つ考えられます。
1. 知的生命体の文明の崩壊
2. 熱的平衡による宇宙の崩壊
少し混乱するのは、1.の対策と2.の対策が同時に進められているように読めるのですが、2.の対策を取れば必然的にその内部の知的生命体の文明は崩壊するはずです。絶対者は何を考えているのでしょう?誰か説明していただけないでしょうか、気になって落ち着きません。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
1です。
まずANo.1の補足へお答えします。「高エネルギー粒子の集団」は
「変化に対する反応が早く、反撥作用が激しい」とされています。
例えば外部から攻撃されると防御作用が激しく、対応を誤ると逆効果になりかねない、
だからこそ自己崩壊因子を「慎重の上にも慎重を重ねて挿入」したのでしょうね。
転輪王は知的生命体の文明を、高次宇宙からの攻撃に対応し、
転輪王宇宙を守るために作ったと思います。
ところが現実には文明同士が合い争い、滅びていきました。
ここに文明に対する「崩壊の方向をたどる因子」の関与があったのでしょう。
防御・補修システムを破壊すれば直接攻撃がより効果的になる訳です。
それに、MIROKU一派が転輪王の存在を突き止められなかったことが
高次宇宙から転輪王への直接攻撃を一層難しくしていたのだと思います。
転輪王の意識は、高次宇宙から見れば極めて微細なもので
感知されなかったのでしょうし、崩壊因子は転輪王の存在を必死に探したのでしょうが、
今度は転輪王の存在が大きすぎて感知できなかったように思います。
ただ、崩壊因子と転輪王の間は高次宇宙と転輪王との隔たりより遥かに近いものであって、
宇宙的存在たる転輪王が意識を発現すれば、
その意識を崩壊因子が察知することは可能だったのでしょうね。
次にANo.2の補足へのお答えですが、
残念ながら私には判りません。
ただ、こじつけですが
宇宙そのものの存在だからこそ、
宇宙の何処に存在していてもおかしくないと思います。
アンドロメダ星雲の惑星上に擬人化した存在としてあった訳ではなく、
単に意識を発現し伝える場所だったのではないでしょうか。
だからこそMIROKU一派は転輪王の意図を察知できても
その存在は遂に突き止められなかったのでしょう。
そういう意味ならアンドロメダでなくてもいい訳ですが
光瀬さんは読者にこういう想像力を働かせるために
敢えてはっきりさせなかったのかも知れませんよ。
tak7171様、回答どうもありがとうございました。
「原始的な生物」というのは転輪王である、ということを10回くらい頭の中で繰り返すと、おお、そうだったのか、と改めて納得します。
No.2
- 回答日時:
1です。
補足ですが、質問者さんの言う「知的生命体の文明の崩壊」とは
高次宇宙においては「高エネルギー粒子の集団の、変化に対する反応」
「反撥作用」を無効化することです。
もしかすると高次宇宙においてこの「処置」を行う存在を
「絶対者」と誤解するかもしれませんが、
高次宇宙においては単なる科学者であり
高次宇宙における「知的生命体の文明」内のほんの一部の存在のことでしょう。
そしてこの高次宇宙を消去しようとする、さらに高次の宇宙が存在し、
それが果てしなく続くわけです。
この回答への補足
すみません、ついでなのでもう一つ質問をさせてください。本来は別の質問として投稿すべきなのかも知れません、「教えてgoo」のガイドラインに反しているようでしたらご指摘ください。
「転輪王はそれ自体が宇宙であり絶対者」というのは完全にそのとおりだと思うのですが、その「宇宙であり絶対者」が、「実はアンドロメダ星雲の中の一つの惑星に在」る、というのはどういうことなのでしょう。それ自体が宇宙であるものが、その宇宙のどこそこに存在する、というのは非常に違和感があります。まるで「キリンとライオンに混じって『動物』がサバンナを走っている」というような感じがします(ちょっと違うか)。どうなんでしょう。
No.1
- 回答日時:
a・bの解釈はどちらも違います。
転輪王はそれ自体が宇宙であり絶対者です。
ただしそれは転輪王という宇宙の中において、であって、
転輪王を「反応炉の内部に発生した高エネルギー粒子の集団」と捉える、
さらに大きく高次の宇宙が存在する訳です。
(以降転輪王宇宙と高次宇宙とします)
高次宇宙では「非常に原始的な生物」としながらも
高次宇宙自体を崩壊させかねない存在として、それを防ぐために
「崩壊の方向をたどる因子」を「高エネルギー粒子の集団」に加えます。
そしてこの処置が、転輪王宇宙内においてMIROKUであり惑星開発委員会になります。
対して転輪王宇宙内における知的生命体の文明は、
高次宇宙において「高エネルギー粒子の集団の、変化に対する反応」であり
「反撥作用」であるわけです。
だから「熱的平衡による宇宙の崩壊」とは
高次宇宙において、「非常に原始的な生物」である転輪王を消去=殺すことです。
光瀬さんはこの小説において、宇宙の外側に、
それを内包する宇宙が何重にも果てしなく存在することを表現したのだと思います。
そのことは文中において、あしゅらおうとMIROKUの対決での会話や
あしゅらおうと転輪王との対話の中にもその示唆がちりばめられています。
質問者さんには萩尾望都版の「百億~」をお薦めします。
こちらも傑作ですし、より判りやすく描かれていますよ。
この回答への補足
回答ありがとうございます(こんなに早くに回答が得られるとは思いませんでした)。
tak7171さんがおっしゃる「転輪王宇宙」というのが、私の言う「b. 転輪王が存在する宇宙」です。転輪王宇宙内における知的生命体の文明が、高次宇宙において「高エネルギー粒子の集団の反撥作用」であるという説は納得できます。それにしてもやはり、転輪王を消去すること(私の言う2.ですね)によって、必然的に「反撥作用を無効化」することは達成されるように思うのですが、どうなんでしょう。ものわかりが悪くてすみません。
# 実は今回小説を読む前に萩尾さんのマンガで読んだんです。
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