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現在、先祖の戸籍の解析をしています。戸籍の記述に「養妹として入籍」という記載があります。これはどういった意味でしょうか?文字上で考えれば、「妹」になったということですが、事実上は親子関係にあったようです。ちなみに時代は明治時代になります。
「養妹」という記載には、どういう意味があるのか教えていただければ幸いです。
ご協力よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

「養子(養継子)、養女」は順位に応じて家督相続権が有ったのに対し、


「養弟、養妹」はそれ以外の養子縁組に用いられた言葉のようです。
(ですから、「養妹」も養子の一人には違い有りません)

なお、「養子、養女」「養弟、養妹」場合によっては「養兄、養姉」などの言葉・制度は、明治時代以前から存在していたことと、
明治初期には戸籍制度が旧民法施行より先に実務的な記載を迫られたことから、
従来の慣習・慣行に従った記載がなされたものと推測出来ます。
明治後期になってやっと旧民法が施行されるワケですが、
それに至る過程の中で「養弟、養妹」としての養子縁組は廃止される流れにあったようです。

参考に下記URLを御覧下さい。

『明治法令抄訓/大郷穆編/東京・葵花書屋/1877(明治10)』
33~36コマ/53(25~28頁)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/788111/34
上記の『明治法令抄訓(26頁)』によれば、
「○養女養弟養妹を貰受る事」に関する秋田縣の伺につき
「嫡子嫡孫有之者勝手ヲ以他ヨリ弟娘姉妹等貰受不苦哉」の質疑に対し
「姉ノ称呼ヲ以テ貰受候儀ハ不相成他伺之通」との指令があることから
…「養女」に関しましては下記のとおり疑義がありますが…
養子縁組において家督相続権を前提としない場合に
「養弟」「養妹」の記載がされていた様子です。

なお、「養女」については、
明治の戸籍制度開始以降旧民法施行に至る間(明治5~31年)の
人事に関する地方からの伺に対する中央の指令などを集めた
『人事慣例全集/自治館編輯局編/東京・自治館/1911(明44.3)』の中の
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/791522/60
明治16年分「實子女ナキ養女ノ相續(72頁)」によれば、
京都府伺(明治16年7月5日)
「實子女ナキ養女ハ獨女タリ共相續權ヲ有セサル儀ニ候哉」との質疑に対し
内務省指令(同年7月28日)
「養女ノ外相續スヘキモノナキトキハ相續致サセ不苦」とあって
養女の相続権を肯定しています。

また、同書の明治21年分「養弟養妹ノ名義ヲ以テ他人ノ貰受(296頁)」によれば、
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/791522/172
富山縣伺(明治21年6月25日)
「養兄養姉ノ名義ヲ以テ他人ヲ貰受ケ候義ハ不相成候處
養弟養妹ノ名義ヲ以テ貰受クルハ差支無之候哉」の質疑に対し
指令(同年7月10日)
「養弟養妹ノ名義ヲ以テ他人ヲ貰受クルコトハ不相成モノトス」とあり
明治21年7月10日に至っては養弟養妹貰受禁止との指令が出た様子です。
(もちろん養子・養女などの養子縁組制度自体は存続していましたが)

残念ながら、旧民法施行以前の明治初・中期の事例ゆえにネット上で上記以上の適切な参照事例を見つけることはできませんでしたm(_"_)m

でも一つ見つけました!!
『これまで「養弟妹」に関しては、まったくといってよいほど研究がなされていない。』と嘆く研究者御自身の論文を御一読頂ければ幸いです。

(但し、アナタ様が翌日が休みで尚且つ体調万全の際に限りクリックして下さい!!
私の場合には専門的すぎて頭が朦朧としてしましましたw)

北海道大学/北大法学論集=The Hokkaido Law Review
第36巻第1・2合併号(1985-09-30)「註釈・民法七九三条(一)/山畠正男著」
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2 …
第36巻第3号(1985-10-15)「註釈・民法793条(2・完)/山畠正男著」
http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/handle/2 …

上記のうち
第36巻第1・2合併号(1985-09-30)「註釈・民法七九三条(一)」の中の
<20~26コマ/44>にて「(3)養弟・養妹」が論じられております。

以上少しでも何らかのヒントになれば幸いです。
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この回答へのお礼

とても丁寧なご回答誠にありがとうございました。「養妹」に関して、とてもすっきりいたしました。
しかし戸籍にはまだまだ謎が多く、これからさらにいろいろと学ばないと、、と思っております。

今週末に体調を整えて(笑)、北海道大学の論集を読ませていただきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2010/10/05 23:16

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