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マナーの悪化により深刻な食べ歩き問題、条例を可決した鎌倉市職員に話を聞いてみた

マナーの悪化により深刻な食べ歩き問題、条例を可決した鎌倉市職員に話を聞いてみた観光地や行楽地での楽しみの一つが「食べ歩き」だが、最近は客のマナーの悪さにより自粛を要請する地区もある。完全に禁止になると、客にとっては「旅の楽しみ」が一つ減り、店舗にとっては「売上」ダウンの原因になるだろう。「教えて!goo」にも「食べ歩き」についてのたくさんの質問や投稿が存在しており、興味のほどが伺える。そこで今回は、実際に「食べ歩き」を含め、そのような行為におけるマナー遵守を呼びかける条例が可決した鎌倉市の市民生活部観光課、廣川正課長に、本条例の意図などについて話を伺った。

■問題となっている行為やマナー違反


ゴミのポイ捨てや商品を汚す、すれ違った人の衣服を汚すといった問題行為やマナー違反の種類はさまざまだ。鎌倉市では条例内でどのように定めているのだろう。

「我々が問題ととらえている行為は、本市においてマナーの向上による良好な環境の保全および向上を目的として平成31年4月1日付けで制定した、『鎌倉市公共の場所におけるマナーの向上に関する条例』で、次のように『迷惑行為』として掲げ、周知啓発に努めています。まず、『土地所有者、管理者その他の許可の権限を有する者の許可無く行う次に掲げる行為』として、

1) 車道において、立ち止まる等車両の通行の妨げになるような方法で撮影を行うこと
2) 線路の周辺等危険な場所で撮影を行うこと
3) 山道等通行の用に供された場所から、その場所の外へ立ち入ること
4) むやみに竹木を伐採し、若しくは植物を採取し、又はこれらを傷つけること
5) 広場又は山道等において、草木その他の燃焼のおそれのある物の付近で火気を使用すること
6) 誤った情報を表示し、又は他者の通行に支障を及ぼすような看板を設置すること
7) 山道等の狭あいな場所又は混雑した場所で、走りながら歩行者等を追い越し、若しくはすれ違いを行うこと、又は競技会等を開催すること

の7つを対象としています」(廣川課長)

鎌倉は自然や山道も多い。当然守るべきことにも思えるが、観光客が増えるにあたり、明示しておく必要が出てきたのであろう。

「次に、

1) 山道等の狭あいな場所又は混雑した場所へ、自転車又はバイク等の車両により歩行者に危害を及ぼすような乗り入れを行うこと。
2) 狭あいな場所又は混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為をすること

という行為も禁止しており、この『歩行しながら飲食を行う』という部分が各種メディアで『食べ歩き』と呼ばれている行為に該当します」(廣川課長)

食べ歩きが迷惑行為とは、どういうことなのか詳しく聞いた。

「今回、『マナー条例』において『歩行しながら飲食を行うこと』に係る『迷惑行為』は、前述のとおり『狭あいな場所又は混雑した場所で、歩行しながら飲食を行う等他者の衣類を汚損するおそれのある行為をすること』として定めました。ここで重要なのは、前段の『狭あいな場所又は混雑した場所で』と、後段の『他者の衣類を汚損するおそれのある行為』です。本条例は、前述のとおりマナーの向上による良好な環境の保全および向上を目的としており、この部分についても『歩きながら食べる行為』自体の自粛を求めるものではなく、周囲の状況に注意を払い、『歩きながら食べる行為』をされる方もそうでない方も楽しめる街であるように配慮いただきたい、という理念を表現したものになりますことをご理解頂ければと思います」(廣川課長)

なるほど、「迷惑行為=禁止行為」ということではないようだ。あくまでも、節度ある範囲での食べ歩きであれば、問題なさそうだ。

■対策とマナーを守るために必要なこと


次に、実際に対策している市区町村の例や、客として最低限のマナーの注意喚起などの事例について尋ねた。

「先ほど説明した条例に基づき、鎌倉市観光協会のHP『鎌倉観光公式ガイド』で繁忙期記事とともに掲載したり、鎌倉市が発行する観光マップなどの刊行物に掲載し啓発に努めています。条例の施行に伴い多数報道された『小町通商店会』様には啓発に協力をいただいており、市が作成した啓発チラシの配架やポスター掲示をいただいております。また、商店会として街灯に付属する旗で『八幡宮の参道です。マナーを守って鎌倉観光』というスローガンを独自に掲げていただいており、ゴミや購入したものを入れるための、『おもてなし袋』の作成配布によるマナー啓発も検討いただいています」(廣川課長)

こうした地域ぐるみの活動を続けていくことが、観光地のマナー向上につながっていくようだ。

観光地でマナーを遵守することは当たり前のことだが、条例として決められなければ実行できないというのは、少々情けない気持ちになる。今後は、我々ひとりひとりが、マナーに対する意識をさらに上げていく必要があるのだろう。

●専門家プロフィール:廣川 正(ひろかわ ただし)
鎌倉市市民生活部観光課長。

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