■おいしい白菜の見分け方
まずはおいしい白菜の見分け方を教えてもらった。
「頭頂部の葉がしっかりと巻き込まれていて、ずっしりと重みのあるものがおすすめです。外側の葉の色がはっきりとした緑色で、葉にゴマのような黒い斑点がないものを選ぶようにしましょう」(小島さん)
白菜の「ゴマのような黒い斑点」はよく目にするが、その正体は何なのか。
「『ゴマ症』と呼ばれる生理現象のひとつです。栽培中や輸送中に何らかのストレスがかかり、ポリフェノールが蓄積し起こります。最も大きな要因はちっ素の過剰といわれています。食べても問題ありませんが、料理を美しく仕上げたい場合はゴマ症のない白菜を選びましょう」(小島さん)
カットされた白菜は切り口が盛り上がっていると、切り分けてから時間が経っているサインとのこと。購入する際には、切り口の状態にも注目しよう。
■白菜の適切な保存方法
白菜のおいしさを保つ保存方法について伺った。
「新聞紙に包み、日の当たらない涼しい場所に立てて保存しましょう。冬場なら玄関やベランダなどがおすすめです。夏場は室内でも気温が上がるので、なるべく冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。カットしたものは季節に関係なく、ラップで包み冷蔵庫の野菜室に立てて入れておきます」(小島さん)
白菜の状態によって葉の取り方を工夫するとよいという。
「白菜を丸ごと使用する場合は外側から葉を1枚ずつはがし、カットしてある場合は内側の葉から使うようにしましょう。おいしさをキープしやすく、より長く楽しむことができます。葉が黄色く変色したり、茶色く傷んできてしまったら、取り除くと他の葉への影響が少なく済みますよ」(小島さん)
長くおいしく食べられるコツとして、留意しておくとよいだろう。
■白菜を使ったおすすめレシピ
小島さん直伝のおいしい白菜レシピをふたつ紹介しよう。まずは王道の「白菜漬け」だ。
「少量の白菜でおいしい白菜漬けを作る方法をご紹介します。まずは適量の白菜をザルや新聞紙に乗せ4~5時間天日干しにし、湿気の少ない涼しい室内で一晩置きます。その後、白菜の重量に対して3%の塩を芯にすりこみ、ジッパー付き保存袋に入れます。空気を抜いたら、白菜の約2倍の重さの水を入れたペットボトルで重しをします」
塩だけで下漬けをするのだ。
「2~3時間経ったら一度水分を捨て、白菜を軽く絞って袋に戻します。適量のだし昆布と唐辛子を加え、再び空気を抜いて重しをしましょう。1日に2、3回手で軽く押しながら3日ほど冷蔵庫で漬けると食べ頃になります。5日後くらいには酸味の乗った本格的な白菜漬けになりますよ」(小島さん)
続いて、とろとろの白菜をたっぷり食べられる「白菜のラザニア風」だ。
「材料は白菜1/4個、ホワイトソース1缶、ミートソース1缶、シュレッドチーズ適量、オリーブオイル少量です。白菜は芯と葉に分け、それぞれザク切りにしておきます。次に、オリーブオイルを薄く塗った耐熱皿に芯の部分を敷き詰め、ホワイトソースとミートソースを半量ずつかけます。その上に葉の部分を敷き詰め、残りのソース類をすべてかけてください。シュレッドチーズを乗せて電子レンジで600W×2分加熱すれば完成です。仕上げにトースターでチーズに焼き目をつけると、香ばしさもアップしますよ」(小島さん)
ホットプレートで作って、大人数で食べるのもおすすめとか。
「ホットプレートの場合は、白菜、ソース、チーズを重ねたら、ふたをして弱火から中火で加熱してください。チーズが溶けて白菜がやわらかくなったら完成です。肉味噌をミートソースの代わりに使用し、和風にアレンジしてもおいしいですよ」(小島さん)
加熱時間は家庭の調理器具にあわせて調整するとよいとのこと。漬物などの常備菜としても、メインのおかずとしてもおいしい白菜。旬の時期に目いっぱい食べ尽くそう。
●専門家プロフィール:小島 香住
野菜ソムリエプロ。管理栄養士。「野菜、果物をおいしく食べてキレイに健康に!」がモットー。食品メーカーでの営業、商品企画開発、メニュー開発などを経て、現在は2歳男児を育てながらWEBサイトやSNSにて野菜、果物の情報を発信中。インスタグラムも好評。
画像提供:ピクスタ