■リーズナブルに作れるおせち
安く簡単に作れるおせちレシピ(全4人分)を教えてもらった。
「『栗きんとん』を作るには、生栗が年末にあまり出回らない上、年末の忙しない中、茹でて裏ごしし練り上げる必要があり負担です。ですので、年末に安価に出回る栗の甘露煮とさつまいもで作るとよいですよ」(スガさん)
材料は、栗の甘露煮8〜10個、さつまいも大1本(鳴門金時や紅あずまがおすすめ)、調味料(甘露煮のシロップ大4、みりん大1、塩少々)。
「さつまいもの皮を厚めにむいて、4〜5cm程度の厚さに切ります。鍋に入れ水を加え、柔らかくなるまで煮て水気を切ります。鍋にさつまいもと調味料を入れ弱火にかけ、潰しながら水分を飛ばすように加熱します。粗熱が取れたら、ラップにひと握り分を取り分け、栗の甘露煮を乗せ包み、上をキュッと絞ります」(スガさん)
次は、ご飯やお酒が進む「ナッツたっぷりごまめ(田作り)」だ。
「材料は、ごまめ30g、無塩ナッツ50g(ミックスナッツ、くるみ、アーモンド、カシューナッツなど)、白いりごま小2、調味料(砂糖・酒・しょうゆ・みりん各大1)です」(スガさん)
作り方はこちらも簡単。
「ナッツを粗く刻み、フライパンに入れて3〜4分ほど弱火にかけます。香りがしてきたら、さらに1〜2分炒り取り出します。きれいにしたフライパンにごまめを入れ弱火にかけ、じっくり加熱し取り出します。再びきれいにしたフライパンに、調味料を入れ弱火にかけます。沸騰し少しとろみが出てぶくぶくと泡立ってきたら、ナッツ、ごまめ、白いりごまを加え、混ぜながら調味料を絡めます。オーブンシートを敷いた保存容器に広げて冷ませば出来上がりです」(スガさん)
野菜をたっぷり摂れる「五色なます」は、普段の副菜やお弁当のおかず、酒の肴にも便利な一品とか。
「材料は、大根1/4本、にんじん1/2本、れんこん小1節、干し椎茸4枚、薄揚げ1枚、サラダ油大1、調味料(酢大6、だし汁大4、砂糖大2+1/2、しょうゆ小1、塩小1/4)です。大根、にんじんは細切り、れんこんは皮をむいて3〜4mm幅のいちょう切り、干し椎茸は戻して石づきを落とし3〜4mm幅に切りにし酢水にさらします。薄揚げは油抜きし水気を切り、縦半分に切ってから1cm幅に切ります」(スガさん)
その後は下記の通り。
「フライパンにサラダ油、大根、れんこんを入れて4〜5分ほど中火にかけます。透き通ってきたら、にんじん、干し椎茸、薄揚げを加えます。調味料を加え混ぜ合わせ、沸騰したらさらに30秒ほど煮て火を止めます。バットに広げて冷まし、お好みでゆずの皮を加えます」(スガさん)
高級食材を使わずとも手をかければ、おせちらしい一品が完成だ。
■余ったおせちのアレンジ法
おせちが余ったときのアレンジ法も教えてもらった。
「栗きんとんが余ったら、耐熱容器に栗きんとん2個とバター10gを入れ、オーブントースターで焦げ目が付くまで焼けば、『スイートポテト』に早変わりです」(スガさん)
数の子が余ったら、洋風の酒の肴にリメイクしてみよう。
「数の子1本を筋目に沿って1cm幅に、アボカド1個、クリームチーズ20gは1cm角に切ります。数の子の漬け汁小1を加えて混ぜ合わせれば、2人分の『クリームチーズ&アボカド和え』の出来上がりです」(スガさん)
お好みでわさびチューブ1cm程度を加えてもよいそう。筑前煮が余ったときは茶碗蒸しに。
「筑前煮1/2カップに、卵1個、だし汁200ml、薄口しょうゆ、みりん各小1/2、塩少々を加えます。アルミホイルで蓋をし、強火で2分、弱火で10分蒸します」(スガさん)
今回紹介してもらったおせちは、普段のおかずや箸休めにもなるレシピばかり。余った具材は、アレンジ法を参考に上手にリメイクしてみよう。
●専門家プロフィール:スガ
会社員兼料理家。育児と仕事でハードな日々を乗り越えるべく始めた作り置き生活をきっかけに、レシピサイト「週末の作り置きレシピ」の運営を開始。手軽で美味しく健康的な作り置きおかずに定評がある。「一生役立つ スガ家のおせちとハレの日の作りおき」(エムディエヌコーポレーション)など著書多数。
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