
「教えて!goo」にも「マスク焼けをしてしまった」と、マスクの痕がついてしまったユーザーからの投稿があった。マスク形の日焼けは避けたいところだが、紫外線対策になるのであれば、上手に使いこなしたい。
そこで今回は美容皮膚科シロノクリニックの大内恵理先生に話を聞いてみた。
■マスクの種類により紫外線防止効果は違う
普段からのマスク着用が新しい生活様式となるが、着用することでどのくらい紫外線をカットできるのか教えてもらった。
「マスクを付けている部分のほうが、付けていない部分より紫外線の到達量が少なくなるため、ある程度の紫外線はカットできます。しかし100%ではありませんので、特に紫外線の強い時期は、入念な日焼け止め対策が必要です」(大内先生)
マスクの着用だけで紫外線を完璧に防ぐことは難しいようだ。では紫外線をカットできる度合いは、マスクの素材や色などにより違いがあるのだろうか。
「不織布や綿ガーゼなどの天然繊維、ポリエステルなどの合成繊維等、多種素材のマスクが販売されていますが、どれもある程度の紫外線カットが期待できます。色では、黒や紺、緑、黄色などが紫外線を通しにくいといわれています。しかし黒など濃い色は熱がこもりやすいです。真夏は熱中症の危険性が高まりますので、避けたほうがよいでしょう」(大内先生)
ちなみに、王道の「白」の紫外線カット率は60%程度とか。黄色系や薄い色のものがおすすめだ。
■マスク装着部分とそれ以外の部分の紫外線対策
マスクを着用することである程度の紫外線はカットできるが、日焼けによるムラができないか心配である。口元とそれ以外の部分の紫外線対策は同様でよいのか、どのような対策が必要なのか、さらに聞いた。
「マスクをする部分もしない部分も、均一にしっかりと日焼け止めを塗ってください。マスク装着時は汗で蒸れや擦れが生じ、日焼け止めが落ちてしまいがちですので、気がついたときにきちんと塗り直しをしましょう。ビタミンCをはじめ、シミやシワの元になる活性酸素を除去し、紫外線による炎症や色素沈着を抑える効果が期待できる成分などを配合した “飲む日焼け止め”を併用するとより効果的です」(大内先生)
多種多様なタイプから、自分の肌や屋外での活動時間などに応じて選びたいところだ。さらに大内先生は、「紫外線カット効果のあるマスクも販売されている」と教えてくれた。
「素材に関わらず、紫外線カット加工が施されたマスクもあります。マスクの繊維自体に紫外線吸収剤を練りこんだものなどは、何度洗っても効果が持続し経済的です。不織布でも紫外線カット加工のものが売られています。また、紫外線カット効果のあるフィルターを交換しながら使える布マスクや、首元までカバーできるフェイスカバーもあるので、お好みやシチュエーションに応じて選ぶとよいでしょう。紫外線はお肌の老化の原因になりますので、日焼け止めだけでなく、サングラスや帽子、日傘なども活用し、しっかりと紫外線対策をしましょう」(大内先生)
紫外線という観点以外でも、真夏のマスクは肌荒れや乾燥などを引き起こしやすいと大内先生。適切なケアに迷ったら、早めに専門医に相談するとよいだろう。
●専門家プロフィール:大内 恵理
シロノクリニック恵比寿 医師。医学博士、日本美容皮膚科学会、日本医学放射線学会認定放射線診断専門医・研修指導者、日本核医学会認定PET核医学認定医。幅広い年代の方に合わせた最適、最善の治療をご案内し、笑顔を提供できるよう心掛けている。