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知らなきゃ恥!? 時代のキーワード「サステナブル」の意味を専門家が解説

知らなきゃ恥!? 時代のキーワード「サステナブル」の意味を専門家が解説近年、何かとよく耳にするようになった「サステナブル」という言葉。「教えて!goo」にも「サステナブルってどういう意味ですか?」という質問があるが、あまり意味がよく分かっていないという人も多いのではないだろうか。そこで、環境問題の専門家、国立環境研究所の田崎智宏さんにお話を伺った。

■リサイクルとはどう違うの?


サステナブル(Sustainable)とは、sustain(持続する)とable(〜できる)を組み合わせた言葉で、「持続可能な」という意味。簡単に言うと、「次世代を見据えて、環境や社会に良いことをしましょう」という理念だ。

「サステナブルという表現は、1987年に国連の『環境と開発に関する世界委員会』が『Sustainable Development』(持続可能な開発)という考えを提示してから使われるようになりました。将来世代のニーズを満たしつつ現在の世代のニーズも満たす開発を目指そうという考えです。環境と開発を両立させようとする考えで、環境と経済と社会という3つの柱がいずれも大切とする考えです。『サステナブル・ディベロップメント』だと長いので、『サステナブル』あるいは『サステナビリティ(持続可能性)』という一語で表現することが好まれて、2000年以降にこの表現が多く使われるようになってきました。私が調べただけでも『サステナブル○○』という表現が300以上もありました」(田崎さん)

エコや環境保全を表す言葉はたくさんある。代表的なのがリサイクル(再生)やリユース(再使用)だが、サステナブルとはどう違うのだろうか?

「リサイクルもリユースも、サステナブルに欠かせない要素であることは確かです。しかし、サステナブルを実現するためには、目の前のものをリサイクルすればよいということでなく、もっと広い視野で考える必要があります。つまり、遠い将来のことや地球レベルで起きている問題をきちんと理解して解決していかなければならないということです。例えば、私たちは化石燃料を使って便利にエネルギー(電気や熱など)を使っていますが、今の使い方のままでは地球がもちません。また、私たちが使っている資源の多くは海外に頼っていますが、資源採掘のときに環境汚染や児童労働や労働搾取といった社会問題を起こしているケースがあるのですが、知らず知らずのうちに、そのような行為の加担者になっていたりします」(田崎さん)

こうした流れを受け、サステナブルに力を入れる企業も増えている。環境や社会に配慮しているかどうかが、投資するために企業価値を測る材料として反映される時代になったからだ。また、2015年に国連総会で合意されたSDGs(持続可能な開発目標)は、具体的に何をしたらよいかを示している。

■「サステナブル・ラベル」を知ろう


地球規模で考えろと言われても、個人でできることには限りがありそうだ。では、われわれ個人としては何もする必要はないのだろうか。

「消費者の立場からできることもたくさんあります。まずは、認証ラベルのついた商品を選ぶことです。たとえばMSC認証(海のエコラベル)は、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物、ASC認証は養殖の水産物に付いています。また、FSC認証は、持続可能な伐採による木製製品や紙製品に貼られているラベルです。ほかには、持続可能なパーム由来原料を使用した製品であることを示すRSPO認証、開発途上国の生産者支援につながる国際フェアトレード認証などがあります」(田崎さん)

ただラベルがついた商品を買うだけでなく、その背景にどんな問題があるのかを意識することが重要なのだという。

「イオンや生協は、サステナブルに力を入れています。こうした企業のホームページを見ると参考になりますよ」(田崎さん)

■省資源・省エネルギーにも注目しよう


また、暮らしや住居についてもサステナブルの考え方は大切だ。

「『いつか枯渇する資源やエネルギー』ではなく、『再生可能な資源やエネルギー』を使うこともサステナブルにつながります。一般家庭でも、太陽光パネルの設置は進んでいますよね。また、リサイクル素材を使った商品も販売されていますよね」(田崎さん)

ただし、リサイクルされた商品を購入したり、太陽光パネルを設置したりしても、無駄遣いしているのでは意味がない。

「まず、資源にせよエネルギーにせよ、そもそもの使用量を見直して、減らすことが大原則です。リサイクルされたものだからといってどんどん使い捨てしてよいわけではありません。エネルギーについては、省エネ製品に買い換えて、エネルギーの使用量を減らすことが大切です。技術開発が大きく進み、かつ常時使用している冷蔵庫などは5年もすれば買い換えを検討してよいくらいですね。また、省エネルギーのエアコンを購入したところで、家の断熱性能が低いのであればエネルギーの使用量は十分に減らないでしょう。住宅そのものの断熱性能を上げることも考慮してはいかがでしょうか。エネルギー価格が増加していくことを想定すると、長期的には元が取れるケースも少なくないですし、家での快適性も増しますね」(田崎さん)

子どもや孫世代の未来のために、小さなことでもできることはありそうだ。

●専門家プロフィール:田崎 智宏
国立研究開発法人 国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター 循環型社会システム研究室室長。3R(リサイクル、リデュース、リユース)や廃棄物に関する政策評価や、持続可能なライフスタイル・消費を促進するための研究に従事。

(酒井理恵)
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