■おすすめのドラマ作品
まず、人気ドラマの続編である2作品を紹介しよう。
「人気医療ドラマの続編、『ラジエーションハウスⅡ~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)と、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)は注目です。前者の主人公、『五十嵐唯織(いがらしいおり)」は、一見“ポンコツ”の放射線科医です。一方、後者の主人公『大門未知子(だいもんみちこ)」は一匹オオカミの外科医です」(Y.B.さん)
前作に引き続き、五十嵐唯織役を窪田正孝さん、大門未知子役を米倉涼子さんが演じる。
「2人のキャラクターは全く異なります。しかし医療の知識や経験が豊富で、『患者を救いたい』という強い信念がある点が共通しています。『ドクターX~』では、舞台となる大学病院が“感染症治療と内科を最優先する”という設定です。過去のシリーズでも最新医療や世相を反映してきました。今回は“コロナ禍”を思わせる設定がどのように描かれるのか、気になるところです」(Y.B.さん)
女優の江口のりこさんがゴールデン・プライム帯で連続ドラマ初主演を務める、フジテレビ系の「SUPER RICH」にも注目とのこと。
「江口さんはベンチャー企業の女社長役です。同社のインターンシップに参加する貧乏学生を赤楚衛二(あかそえいじ)さん、人事責任者を町田啓太さんが演じます。それぞれが成功や失敗を経て、“本当のRICHとは何か”を模索するというストーリーです」(Y.B.さん)
赤楚さんと町田さんは、世界各国で配信された『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京他)以来のドラマ共演となる。
「お2人が『週刊TVガイド』に登場する度に反響があるほど、海外ファンから熱い視線が送られています。国内外から注目される本作で、3人がどんな化学反応を見せてくれるか楽しみです」(Y.B.さん)
ラブコメディ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)にも期待しているとか。
「放送時間帯は、契約結婚を描いた『逃げるは恥だが役に立つ』と同じ火曜ドラマ枠です。今回は清野菜名さん、坂口健太郎さんの共演にて、“偽装結婚”を描きます。共感度の高いドラマになる予感がしますね。『逃げ恥』のプロデューサーや演出家が携わっている点でも見逃せません」(Y.B.さん)
マンガを原作としたドラマ作品を見るたびに、「ドラマ化に適した原作を見出すスタッフ陣に拍手を送りたくなる」とY.B.さん。今季も、注目作が目白押しだ。
■おすすめのアニメ作品
次にアニメ作品だ。最も注目しているという『ヴィジュアルプリズン』(TOKYO MX他)について教えてくれた。
「原作者は音楽プロデューサーの上松範康さんです。音楽は、同氏率いる音楽制作集団『Elements Garden』が手掛けています。ヴァンパイアという宿命を生きる者たちが、歌と仲間を通して自身と向き合っていく物語です。メインキャスト(キャラクターボイス、以下CV)は、千葉翔也さん、古川慎さん、七海ひろきさん、堀江瞬さん、江口拓也さん、島﨑信長さん、永塚拓馬さん、矢野奨吾さん、増田俊樹さん、蒼井翔太さんと豪華です。ビジュアル系メイクで撮影した彼らの写真も話題になりました」(Y.B.さん)
音楽はストーリー展開においても重要な役割を担う。そのクオリティの高さが期待できそうだ。NHK総合にてドラマ化されたマンガ、『古見さんは、コミュ症です。』のアニメ化(テレビ東京他)からも目が離せないとか。
「主人公はコミュニケーションが苦手な、いわゆる“コミュ症”の『古見硝子』(CV:古賀葵)です。彼女にシンパシーを感じたり、コミュ症の人間にも普通に接する『只野仁人』(CV:梶原岳人)のような男の子がいてくれたら……と切望したり、それぞれのキャラクターに感情移入する視聴者も多いのではないでしょうか」(Y.B.さん)
最後に、今勢いのある声優のひとり、下野紘(ひろ)さん主演の2作を紹介しよう。
「1作目は『進化の実』(テレビ東京系)です。いじめられっ子だった主人公、『柊誠一』が異世界に飛ばされ、“進化の実”を口にします。そこから“勝ち組人生”を歩みはじめる物語です」(Y.B.さん)
ファンタジー要素あふれる世界観がどのように描かれるのかにも注目だという。2作目はスクウェア・エニックス制作の『ディープインサニティ ザ・ロストチャイルド(Deep Insanity THE LOST CHILD)』だ。
「舞台となるのは、眠りから覚めなくなる『ランドルフ症候群』が人類に迫りつつある世界です。その原因である巨大地下世界『アサイラム』を、主人公である『時雨・ダニエル・魁』が調査します。この作品は、ゲーム事業や出版事業を手掛けるスクウェア・エニックスによる『メディアミックスプロジェクト』の一貫で制作されています。TVアニメ、マンガ、ゲームにて、共通の世界を舞台に、異なる時間軸の物語が展開されます」(Y.B.さん)
音楽へのこだわりや多様なメディアでの物語展開など、近年ならではの工夫が感じられるものが多い。同じ声優が異なるアニメでどう演じ分けるかも楽しみのひとつだ。さまざまなジャンルの注目作が放送される今秋。おうち時間をドラマやアニメで満喫してみてはいかがだろうか。
●専門家プロフィール:TVガイド編集部Y.B.
週刊TV情報誌「TVガイド」(東京ニュース通信社刊)編集者。ドラマのグラビア取材や、本誌およびTVガイドwebにて掲載中の週刊TVガイド声優連載「恋するVoice!」を担当している。
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