プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

先日イギリスの旧車修理の番組(CS放送)でミッションをバラして修理しながら説明で「折れたリベットの代わりに剛力ボルトを使います。これで(ナットと合わせて)50ペンス(約100円)で済みました」と言ってました。
二ヶ国語放送での日本語なのでメカの事が解らない通訳さんが間違った翻訳でセリフをあててるのかもしれませんが・・・。
動画でよく見えなかったですが、そのボルトはM6かM8の黒いキャップスクリュー(六角穴付ボルト)に見えました。使用個所はギヤチェンジのホークをホークシャフトに繋げてる部分です。車種はアウディTT初期型でした。
ホームセンターによく売ってる普通のキャップスクリューと「剛力ボルト」とは違う物なのでしょうか? もし違うとしたら注文する時にはなんと言えば店の人は解るのでしょうか?
↑この場合の剛力ボルトの意味と、この番組とは関係なく世間で言う剛力ボルトの意味、両方教えて頂ければベストです。
よろしくお願い致します。m(_ _)m
追伸:ブレーキキャリパーのボルトは市販の物と交換してはいけない、と聞いた事があります。同じ鉄でもキャリパー用は特別折れにくい材質だから、との事でした。これが剛力ボルト?

質問者からの補足コメント

  • うれしい

    早速ありがとうございます。今ハイテンションボルトでググったら「高力ボルト」と言い換えてる所もありました。テレビ音声なので「高力ボルト」と言ってるのを「剛力ボルト」と聞き間違えたのかもしれません。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2018/01/06 01:06
  • どう思う?

    数字の大きい方が強いんですかね? だとしたら「12.9」と書いている物を探してそれが剛力(高力)ボルトなのかな?

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2018/01/06 18:21

A 回答 (3件)

剛力ボルトではなく、高張力ボルトのことなんですが・・・残念ながら、ボルトに関する知識が不足している様です。


 っというわけ、ザックリと『ボルト締結』の解説です。

※ボルトには許容される強度があります。
 ホームセンターで無表示のまま売られているメッキボルトは、引っ張り強度で32kgf/㎜^2、他の回答者様の話に出て来る12.9は引っ張り強度で108kgf/㎜^2・・・っという様に、同じボルトでも強度は3倍以上の差になります。
 ねじの直径やピッチが合ったからといって、そこらのホームセンターの強度区分が無表示のボルトを使っては絶対にいけません。

※高張力ボルトが必要となる理由は、締め付けトルクを上げる為です。
 ねじを締める行為はボルトを引き延ばすことになり、ボルトによる締結は、引き延ばされたボルトが戻るチカラ(軸力と言います)を利用して部品同士を強力に押し付けることで(つまり部品間の摩擦だけ!で)固定しています。ボルト本体にせん断や曲げをかける設計法も無くはありませんが、ボルトの使用法としては少数派です。
 部品を更に強固に結合したいなら①軸力を上げるために、ボルトの締め付けトルクを上げる②ボルトの本数を増やす・・・の2通りがあり、①のパターンでは強い締め付けトルクでボルドが引きちぎれない様にする為に、高張力ボルトが必要となってきます。
 この点、誤解されている方が多いと思いますが・・・・ボルトの締め付けトルクを上げるのは、結果的にはゆるみ対策になっているとしても、設計段階ではゆるみ対策として高張力ボルトを設定するワケではありません。

※バイクではまだ使用例が無いと思いますが、クルマでは既にエンジン内部に14.9(126kgf/㎜^2)というトンでもないボルトすら使われだしています。エンジン技術はバイクの方が進んでいると思われがちですが、こういう機械工学の基礎的部分(機械要素)では、ケタ違いの生産数を誇るクルマが最先端です。

※他のご回答で出ている『黒染め』ですが。
 ボルトに亜鉛メッキをかけると、メッキ工程で水素脆性が発生し、ボルトは折れ易くなります。
 そこで、高張力ボルトではメッキをかけずカンタンな黒染めとすることが多いです。
 ただ黒染めは『箱にしまっておく限り有効』レベルでのサビ止めで、工具をかけただけでもカンタンに剥がれてサビ始めます。犠牲電極として働く亜鉛メッキの代替には、全くなりません。黒染めボルトでアタマが錆びるのは、ある程度仕方のないことです。

※しかし一方、どうしてもサビ止め効果が必要な高張力ボルトでは、メッキをかけた後に水素脆性除去処理を施しますが、この工程は自動化が極限まで進み大量生産されるボルトにあっては確実にコストUPにつながります。故に極めて少数派になってしまっていますが、メッキされた高張力ボルトも存在するということです。(例えば、自動車のシートベルトを車体やシートに固定しているインチサイズのボルトは、水素脆性除去処理を施したメッキ高張力ボルトです。)
 またそれとは別に、ダクロタイズドやレイデントなど水素脆性が発生しない強力な防錆処理も沢山開発されており、このような化学的処理を行った『見慣れない色の』高張力ボルトも存在します。
 黒染めは高張力ボルトとそうでないボルトを分類する一応の目安となりますが、しかし高張力ボルトは絶対に黒染め、とも言い切れないワケです。

※さて、ボルトの種類とその違いが判ったところで、それではナットはどうか?っというと。
 JIS規格ではボルトの強度区分に合わせたナットを使うことになっていますが、ボルトが引っ張られながら使われるのに対して、ナットには圧縮がかかります。
 圧縮荷重で怖いのはバックリンク(座屈。長い棒が圧縮されて『くの字』に折れ曲がる現象)ですが、ナットはバックリンクを起こしそうな形状ではありません。そうなると次は圧壊ですが、鋼材を押しつぶすのは異常な荷重が必要で、ナットが圧壊する前にねじ山がせん断荷重で潰れます。そもそもボルトの軸力では、素材の圧壊限界に対してケタ違いに小さいです。
 っというワケで、ナットはボルトよりも下の等級でも結構持ちます。また締め付けや緩めの手応え感が重くなり、ねじが死にかけていると思える状況でも、ボルトを新品にすると結構使えたりします。(引っ張り荷重がかかっているボルトはオーバートルクで容易に伸びて戻らなくなる為、ナット側よりも先にねじ部に異常が発生します。) 

※最後に、高張力ボルトの運用に関して2つほど。

①締め付けトルクは厳重に守ってください。
 高張力ボルトを使ってどれほど締め付けトルクが上げられるか?は計算でちゃんと出せますが、説明が長くなるのでやりません。工学書を購入しなくても高張力ボルトメーカーのカタログに計算方法が掲載されているので、そちらで勉強してください。
 また締め付け時には必ずトルクレンチを使います。『テルクレンチ』でOKというメカニックもいますが(実は、こういうヒト達の手感はかなり信用出来ます)、それは特殊技能です。自分のバイクをいじっているレベルのヒトでは一生身につけられないので、無駄にカッコ付けずトルクレンチを買いましょう。(設計者側の立場で言うと、高張力ボルトでは締め付けが緩いよりも締め過ぎ=オーバートルクが怖いのです。シロートは往々にして『緩いよりも締め過ぎの方がいいだろ』っと安易に考え勝ちですが、アンダートルクもオーバートルクも同様にダメです。何故オーバートルクが怖いのか?という話は長くなるのでしませんが、高張力ボルトでは、ボルトのトラブルで最も恐ろしい『遅れ破壊』が発生する可能性が高くなるから、とだけ言っておきましょう。)

②高張力ボルトを大きなトルクで締める場合、ねじ部と座面は必ず潤滑しましょう。それもCRC5-56のようなヒヨワなオイルではなく、極圧剤が入った高性能グリスがよいです。
 そんなことをしたら緩むだろっと考えたヒトは、残念ながら工学センスが足りません。理系脳、特に計算よりもモノ作りのセンスのあるヒトは、『なるほど当然そうなるだろうな』と思ったはずです。
 もう字数制限が近いので理由は述べませんが、これもねじ屋のカタログに記載されていると思います。
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この回答へのお礼

詳しい説明ありがとうございました。トルクレンチは小、中、大(450~2000N/m)を持ってるので少しは解ってるつもりでしたが、水素脆性除去処理とかまだまだネジの世界は深いですね。ねじ屋のサイトで更に勉強してみようと思います。

お礼日時:2018/01/17 01:08

一般的にCSの黒染ボルトの材質はSCM435で強度区分は12.9と表記してあります。

ユニクロ(ニッケル)メッキの六角ボルト及び六角穴付きボルトは10.9と表記されています。実際に締めてみると強度の違いが分かります。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

ありがとうございます。ちょっと解りませんでした。黒染ボルトとはホームセンターに普通に売ってる物の事でしょうか? また剛力(高力?)ボルトはどちらの事でしょうか?

お礼日時:2018/01/06 18:19

ハイテンションボルト、高張力ボルトなどの名称で出回っているものです。


材質や熱処理が違います。
ホームセンターのキャップボルトも硬いほうですが・・・やっぱり保証なしのものになります。

キャリパーのボルトはそうですね、ハイテンションボルトの類になり、やはりスペックが違うものになります。
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

早速回答ありがとうございます。「剛力・・・」では殆どヒットがなかったのですが、「ハイテンションボルト」で検索したら、いろいろ出てきました。注文できそうです。

お礼日時:2018/01/06 18:19

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