No.2ベストアンサー
- 回答日時:
人権活動の中で、セクシャルハラスメント、性的少数者のLGBTなどにより言葉狩りが行われて、
性的特徴で性別を著す「男性・女性」「雄・雌」や既婚者のみを指す「婦人」「寡婦」などが使いにくくなったため、
旧来に「立派な男性・女性」の意味があった「男子・女子」が性的未分化の子供を指すのと同じ言葉の丸い表現のためマスメディアが好んで使うようになりました。
で、別に言葉狩りが今に始まったことではなく、男性・女性・婦人という表現自体、公民権運動で大正時代によく使われる様になった言葉であって、同じ経緯で明治期まで使われていた男子・女子が使われなくなったことのリバイバルです。
No.4
- 回答日時:
一言で言えば「女性の社会進出が進み、女性自身が女性よりも女子を好んで使うようになったから」です。
現代の日本で「女子・男子」は二つの意味をもっています。
①女性性をもつ老人から子供まで・男性性を持つ老人から子供まで、と言う意味
②大人としての役割を担う前の女性・男性、と言う意味
です。
①は「女子トイレ」などのように使います。女性・男性という本来は「(たとえば小さな男の子が女子トイレに入ることが許容されるように)大人じゃなければ区分されない性別を年齢を考慮せず広く区分する場合」です。だからスポーツ競技なども子供から大人まで性別区分するので「女子○○・男子○○」などと表記するのです。
②一般的によく使われるのは未成年者の「女子児童」とか「男子生徒」などの表現です。これは「成人していないので本来は性別で区分するのが適当ではないが、便宜上分けないと問題がでるので、分けるために使う言葉」です。
だから学校では「男子は掃除しない!」などと使われて「男性は掃除しない」とは言わないわけです。
近年「女子力」などの言葉が多用されるようになってきているのは、女性の社会進出が進んだ結果です。実は社会進出が進むと「社会性は男性力に収れんする」という特徴が顕著になり、それに抵抗した「価値観」を得るために「女子力」などの言葉が生まれたのです。
「社会性は男性力に収れんする」というのは言い換えれば「社会は男性社会が基本である」ということです。誤解があると困るので、先に書いておきますが、これは「女性差別をするのが基本」と言う意味ではありません。
元々「社会」を動かし、そのシステムを維持してきたのは個々の人々であり、それは社会に出て働く男性達だった、ということです。
したがって社会においての「責任の有り方」とか「ルールの有り方」とか「評価基準」は男性の持っている能力とその能力の発露の仕方によって決められています。そこに女性が得意とする「共感性」などはない、ということでもあります。
なので「女性の社会進出」とは一般に(日本に限らず)「女性が男性化すること=女性が男性と同等の社会性の中で責任を負うこと」になっていくわけです。これを「社会性は男性力に収れんする」と書いたわけです。
欧米の場合、これがそのまま価値基準になっています。だから男女平等の指標に「政治家や企業幹部など『社会システムの根幹』にどれほど女性がいるか」の評価があるわけです。
そして欧米の女性達はそれまでの歴史で確かに男性と区分されて差別的な待遇を受けていましたので「女性も男性と同等の評価を受ける」と言うことに疑問を持たないのです。
しかし日本は欧米と違って「古来から社会システムの運営に男女が力を合わせてきた」と言う歴史があります。日本の女性は欧米の女性達の歴史と違って「女性ならではの得意分野で社会の維持に貢献してきた」のです。
その為日本の社会が「女性の社会進出」を強化すると、それは欧米的な評価基準なので「古来の女性的な役割分担や女性固有の価値観が壊れて行く」という危機感や恐怖を日本の女性達は覚え始めたのです。
そこで出てきたのが「古来からの日本女性がもっていた価値観を復活させよう」という動きであり、これが「女子力」という言葉の本質なのです。
その証拠に「女子力が高い」と言う言葉で表される内容を見てみましょう。
・いつも周りが片付いている
・気配り上手で行動が早い
・余裕があって焦っていない
・人を悪く言うことがない
・自分に似合う服装をしている
・その場に合わせた服装を取り入れることができる
・必要なメイク道具は必ず持っている
・持っている文房具がいちいち可愛い
などです。
これ「男性が必要とされる社会性=仕事ができるために必要なこと」は一つもありません。大体仕事ができる男性の机は汚く雑然としてるし、気配りもできなくても成果が上がればOKだし、自分本位で人を馬鹿にしていても成果が上がればOKだし、服装はいつも同じ背広でも不潔じゃなければOKだし、文房具なんて書ければなんでもいいわけです。
女性の社会進出が進むにつれて「ハイヒールを強制するのはパワハラ」などのニュースもあります。仕事の能力にハイヒールは関係ないので、それはそれでも「男性は合理的」だと思うのですが(業界によっては異なりますね)、どうも「女子力」というのは「社会進出にともなって、女性が男性化するのをいかに防ぐか」というテーマがあるようにみえるわけです。
つまり「社会性は男性力に収れんする」から「女性も男性力が必要だけど、女子力も忘れないようにしたい」わけです。これは日本人女性の大きな特徴です。
これが転じると「社会で求められる男性力とはちがう女性達の本音、または女性として素のあるべき姿」という意味で使われるようになります。その一番の例が「女子会」です。
女子会の一番の特徴は「男性がいないこと(男子ではないことに注意)」この場合の男性とは「社会的な男性力を私たちに押し付ける人」と言う意味です。だから会社の(男性)上司はもっとも女子会に呼ばれないし、場合によっては「男性力を身に着け押し付ける女性上司」もその対象になるわけです。逆に「まだ男性力が未発達な男子」や「男性力を共わなわないホストなどの男たち」は女子会に参加することもあるわけです。
そして「大人女子」と言う言葉が結局「社会性を持ちつつも、女性的な魅力をいつまでも失わない女性」という意味で使われるようになり、それは「未婚の女性が増えたこと」に由来します。
女性は結婚し、子供を産むと「ママ(お母さん)」という立場に変化します。ママにも女子力は求められますが、しかし「社会性」と言う点では仕事をしている社会ではなく「子供たちを育てる地域の社会性」に移っていくわけです。だからママたちの「社会性」は、男性と伍して働いている女性達とはちょっと異なる性質を持つことになります。
ということは「結婚しないで年齢を重ねてしまった女性はどうなるんだ?」ということになるわけです。一時期「オヤジ化する女性」という言葉も流行りました。
しかし日本の女性達は「オヤジ化するのは嫌だ」と思っているし、しかしアラフィフになるとさすがに「結婚はできるかもしれないがママになってステージを変えることはムリ」となっていくわけです。
この部分を解消する言葉が「大人女子」です。つまり「男性と同等に社会性を発揮しながら、年をとっても男性化しないで女性でいられるようにするためのメソッド」という意味です。
また基本的に社会で働いている男性は「男子」と呼ばれるのはキライです。なぜならそれは「社会性を身に着けていない男」と認識するからです。男にとって「社会性がない」というのは致命的で、これを喜ぶのは学生か、まだ遊んでいたい若い男性ぐらいです。
だから同様に、男性達は「女子○○」を非常に軽蔑する場合があります。それは場合によって「社会性という本来社会参加するために絶対必要なものを放り出すこと」にみえるからです。
男性が社会性を放棄したら社会自体が回らないので、男は子供の頃から「社会性を放棄するな=それが責任というもの」と育てられるからです。ですから「女子○○」は非常に無責任に見えることがあり、それを喜んで使っている女性達を「所詮腰掛の社会性」だとみなし、軽蔑することもあります。
この回答へのお礼
お礼日時:2019/06/11 17:53
とても詳しいわかりやすいお答えありがとうございます。「女性」と「女子」の違いがよくわかりました。このような表現ができたのには女性の社会進出からなのですね。「大人女子」はいい意味だったのですね!
No.1
- 回答日時:
女子トイレ、女子更衣室などを始めとして、性を区別しなければいけない場合は女子男子ってそれこそ昭和の昔から普通に使ってますが、ここのサイトでも「女子って女の子どもだけじゃ?」「何歳まで女子?」などと言う質問がみられ、どうして疑問に思うのかが不思議です。
「女性トイレ」「女性更衣室」なんて言葉は聞いたことがありませんが、雑誌だけは「女性誌」「男性誌」ですね。これは性別もそうだけど大人の女子が読む雑誌ということを意識しているのでしょう。
ただし、スポーツに関して言えば、もともと男子しか行っていなかったようなものは「女子」をつける傾向が見られます。「野球」「柔道」「ボクシング」などですね。これらは男子野球、男子柔道などとはいいません。しかし、バレーボールなど早い段階で女子も行われているようなものは女子バレー、男子バレーなどと言う場合もあります。
私が記憶するに、マラソンや柔道などの競技が国際大会も開かれるようになった1970年代から1980年代にかけて「女子」という言葉がすごく目につくようになりました。性差別の見本でもあるような「女流」という言葉も今は殆ど見なくなりました。この「女流」には先程のスポーツと同じように本来男性しかいなかった職業だったものに付く場合が多いです。「女流評論家」「女流棋士」「女流作家」などです。もちろん「男流」なんて言葉はありません。「女医さん」はあっても「男医さん」もありません。
最近では「女優」という言葉も使わないようにしているマスコミもあり、NHKなどは「俳優」で統一しているようです。
なので女性差別とは関係のない「トイレ」「更衣室」など、明確に性の区別をしないといけない場合は「女子」「男子」と呼称されるのが当然であり、かつては男子しか行っていなかったものや男子しかいなかった職業などには「女」「女子」「女流」などの冠がつくようになったわけです。
ある種の性差別であるとも言えますね。
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