No.1
- 回答日時:
the companyは文脈内で直近に出現した国を指します。
それがthe companyがある国と同じなら"in the country"は「国内の」という意味になります。theは、説明無しで読み手と書き手が共通して認識できる(「the country? ああ、A国のことね」という感じで)特定の事物を指す言葉に付ける冠詞です。ご回答有難うございます。
直前に国が出ていなくてもthe companyの国を指すのですね。
それならば、in its countryの意味でtheを使っていると思うのですが、theがitsのかわりで使える場合と使えない場合の違いが昔からよくわかっていません。
ご都合が良ければ、この点もご回答いただければ有難いです。
No.3
- 回答日時:
theの本来の意味は「たくさんのそれの中から、特定している」ということです。
これは基本として忘れてはなりません。で、前の話にも出てないのにいきなりtheが出る場合、その場の共通の認識として「特定している」ということです。例えば”the king”と言えば自分の国の王のことですし、太陽系の太陽は”the sun”と、たくさんある恒星の中から特定された表現になっています。
例文では”the company”が既にあるので、その企業がある国であるだろうとおおよそ特定出来るわけです。
itsは、前にそれを受ける名詞が無くてはいけません。この文はたまたま”the company”があるのでitsも別の意味として使えますが、前に述べた理由…説明が無くても「その企業がある国」と特定される…ことからtheでもいいということになります。
ご回答有難うございます。
>前の話にも出てないのにいきなりtheが出る場合、その場の共通の認識として「特定している」ということです。
いきなりtheが出来てきても、特定することができるためtheを使うということですね。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは
Theの用法に関しては長い間研究がされていますが,全てを包括する理論は得られてません。
しかし,the + 単数形に対して一番よく使用され広範囲な用法を包括して説明できると考えられている性質は「唯一性」と呼ばれています。簡単に言うと,聞き手が「この人は何ついて話しているのか」唯一に同定できる(と,話し手が想定した)とき,話し手は定冠詞を使用するというものです。例えば,目の前にオレンジが一つ置いてあり,Please give me the orange.と話者が言った場合,話者は聞き手が必ず唯一なオレンジを同定できると自信があるからthe orangeとするのです。だって聞き手の目の前にあるオレンジは一つしかないから聞き手は間違えずにそれだと思うだろうし,聞き手も話し手の目の前にはオレンジが一つしかないから絶対にそのオレンジを指しているなって確信するだろうし。
では,同定の思考ルートはどんなものがあるでしょうか。様々なpathwayが考えられます。分かりやすい例は,近々で話題に上り明らかにそれしかないなと聞き手が同定できる場合です。いわゆる,一度出てきたものと俗に言われているものです。他には先ほどのオレンジの例のように話し手と聞き手に露呈されているものです。他には脳のエネルギーを少しだけ多く使いますが,inferredされたものです。例えば,We drove to Tokyo, but the engine stopped on the way.などと言うときthe engineは,運転していた車のエンジンだと考えるのが「妥当」でしょう。よって話し手は「運転していた車のエンジン」と理解してくれると瞬時に考え,the engineと言うのです。
さてご質問の文ですが,この文の前にその国について触れていたり,あるいは,この文を発話している環境にその国を指示するビジュアルなものが存在していたりする場合は,それによって同定されるでしょう(できるできないを判断するのは話し手です。またそれが当たるかどうかは分かりません。多分,当たります(笑))もし,これらのヒントがない場合は,先ほどのエンジンの考え方を出動させ,「同社の存在する国」という理解に到達します。
よって,上記でお話ししました「国」の「中」という意味になります。
他にも別の性質を使って解釈するアプローチがなされていますが,唯一性で説明することが多いです。
ただし,the + 複数形は「最大性」という性質を使用することが多いです。これは,例えば,机の上にバナナが3本あるのが分かっている場合に誰かが I ate the bananasと言ったとしましょう。この場合,(この机の上にある)3本のバナナ全てを食べたという意味となります。「この机の上にある」という属性を満たす「全て(=最大数)」のバナナを指しています。
実は,「唯一性」も「最大性」も逸脱する例が意外とあります。
「唯一性」を逸脱する例
前触れもなくI walked on the sidewalkと言うことがあります。この場合両側にある歩道の1つに同定できません。
「最大性」を逸脱する例
前触れもなくI went to the mountains in the areaと言うことがあります。全ての山に行っていなくとも山あいという意味で使います。
これらのtheの性質を,「唯一性」や「最大性」を持つtheの「定」に対して,「弱定」と呼んだりします。
どのようなものが「弱定」で表現されるのか,研究者たちは色々な側面を捉えて説明しようと励んでいます。
ちなみに「特定 (specific)」という言葉はtheの説明では「同定する(identify)」という言葉に置き換わることが多いです。特定という言葉は,時にspeaker specificと言いまして,話し手の頭の中(だけ)での特定なものを指したりする場合があり,例えば,聞き手が(聞いたこともないし,突然,何とも関連付けられない→)同定できない,駅前の八百屋の犬も,(唯一無二の存在なので)「特定」なのです。「特定」でも,この場合,同定できないのでtheは使えません。
ご回答有難うございます。
非常に分かりやすく詳しくご説明いただき非常に勉強になりました。
ものすごい知識量と解説で驚かされました。教育関係の方ですか?
>the + 複数形は「最大性」という性質を使用することが多いです。
the + 複数形で全てを指すということは存じていましたが、この性質を「最大性」というのですね。
>前触れもなくI walked on the sidewalkと言うことがあります。この場合両側にある歩道の1つに同定できません。
「最大性」を逸脱する例
前触れもなくI went to the mountains in the areaと言うことがあります。全ての山に行っていなくとも山あいという意味で使います。
これらのtheの性質を,「唯一性」や「最大性」を持つtheの「定」に対して,「弱定」と呼んだりします。
これまで私はこのサイトで多くの質問をさせていただきましたが、「最大性」のはずがすべてを指していないのはなぜかという質問も多くさせていただいていたと思います。「弱定」という性質を知っていれば、これは「弱定」だと頭の中で整理できていたものもあったかもしれません。専門家も頭をひねり理由を説明しようと努力されている内容なのですね。少し安心しました。
>話し手の頭の中(だけ)での特定なものを指したりする場合があり,例えば,聞き手が(聞いたこともないし,突然,何とも関連付けられない→)
確認ですが、仰っている何とも関連付けられないというのは、初出の先行詞を後置修飾で特定できる場合は含まないですよね。
ご説明で使用されている単語「唯一性」、「最大性」、「定」や「弱定」は、ご専門の学問の分野の言葉なのでしょうか、関連する私のような素人でも読める資料島があればご紹介いただけると有難いです。
No.8
- 回答日時:
>>the + 複数形は「最大性」という性質を使用することが多いです。
the + 複数形で全てを指すということは存じていましたが、この性質を「最大性」というのですね。
日本では「theの弱定」がほとんど取り上げられていないためもありますが,「最大性」という用語はヒットしないと思います。英語ではmaximalityという言葉を使用しています。
私はUY_Scutiさんの以前の御質問で触れたのですが,破格に関して研究をしている者です。このtheの弱定用法も,一般に教えられていることから逸脱するという意味で研究しております。特にmaximalityに関しては,中高の英語の先生方に調査したところ,6割の先生が「例外なく全てだ」という回答が返ってきています。
例えば,60人いるクラスで10分の休み時間の出来事の説明として次の文を言った場合:
I talked to the students.
多くの学生に対して話したかもしれませんが,全ての学生ではないでしょう。
maximalityは数が多くなればなるほど適用可能性が低くなると言われています。また,例えば,I talked to the students from Chemistry II that is scheduled for Monday 9:00 am.などというように詳細になればなるほど可能性が高くなると言われています。
「弱定」は,定冠詞に限って言えば,定冠詞の発展の後半で生まれてきたものと考えます。「唯一に同定できるもの」や「全てを指すものとして同定できるもの」として使われていたものが,曖昧性が出てきて単に属性(上の例では「このクラスの」)を付与するだけの使い方も生じてきたと私は考えています。
>>話し手の頭の中(だけ)での特定なものを指したりする場合があり,例えば,聞き手が(聞いたこともないし,突然,何とも関連付けられない→)
確認ですが、仰っている何とも関連付けられないというのは、初出の先行詞を後置修飾で特定できる場合は含まないですよね。
含みません。ただし,下の例の場合,初出でもどちらのパターンもあり得ます。
1. I bought the book that I had wanted to buy for a long time.
2. I bought a book that I had wanted to buy for a long time.
まず2からいきますね。2は買いたがっていた本が複数ある「かもしれない」場合です。1冊でもこの表現は使います。何冊あったかは問題じゃないのです。「買いたかった本」があったのです。1は初出であれば,1冊あるのだと考えろ!と思考エネルギーを多く使わせます。theがあって唯一に同定できるのだから,「買いたかった本」は一冊しかなかったのだ,と結論付けろと。そこまで求めない場合は2を発話するでしょう。
>ご説明で使用されている単語「唯一性」、「最大性」、「定」や「弱定」は、ご専門の学問の分野の言葉なのでしょうか、関連する私のような素人でも読める資料等があればご紹介いただけると有難いです。
論文等になってしまいます。それも情報が散在しているのが現状です。特に「弱定」やmaximalityに関しては,日本では論考が少ないのが現状です。
ご回答有難うございます。
丁寧で詳しくご説明いただき勉強になります。
>私はUY_Scutiさんの以前の御質問で触れたのですが,破格に関して研究をしている者です。
私がこれまで疑問に思ってきたことをこうも理路整然と解説され、只々驚嘆しております。個人的な興味から出申し訳ないのですが、研究はどのくらいされているのですか。
>maximalityは~中略~詳細になればなるほど可能性が高くなると言われています。
限定範囲が狭くなればなるほど、「最大性」が効いてくるということですね。
すなわち、次の2つは反比例の関係にあるのですね。
限定される名詞の数⇔限定の範囲
なるほど、このため、1か0ではなく、中間のグレーゾーンが存在すると理解しました。
私はいつもこのグレーゾーンに悩まされてきました…。
>含みません。ただし,下の例の場合,初出でもどちらのパターンもあり得ます。
~中略~
theがあって唯一に同定できるのだから,「買いたかった本」は一冊しかなかったのだ,と結論付けろと。そこまで求めない場合は2を発話するでしょう。
これまた、目から鱗です。theとaは、発話者の状況で明確に使い分けていると思っていたのですが、発話者が相手に正確性(一つだときっちり言いたいか、そうでもないのか)をどこまで伝えたいかによるのですね。
本当に恐縮ですが、更問させてください…。
③ご説明いただいた1のように話し手が「1つしかないと結論づけたい場合」とは、どのような場合が想定されるのでしょうか。私にはそのような場合は特殊なので、通常2の場合、すなわち一つしか無くても不定冠詞aで表現すると考えてよろしいでしょうか。
後置修飾で限定される場合については、ご回答で理解できました。では、次の場合も「そこまで求めない2の場合」に該当するのでしょうか。
④通常、発出の不定冠詞a+名詞を文頭に持ってくる場合は、there is a+名詞のようにthere isを使うとの認識ですが、there isではなく且つ後置修飾がない、不定冠詞をa+名詞を文頭で表現する場合
⑤文頭ではなく文中に出てくる後置修飾で限定されていない不定冠詞a+名詞
ここまで、詳しくご回答頂きお手を煩わしたことと存じます。ご都合の良い時でいいので、ご回答いただければ有難いです。
No.10
- 回答日時:
>>私はUY_Scutiさんの以前の御質問で触れたのですが,破格に関して研究をしている者です。
私がこれまで疑問に思ってきたことをこうも理路整然と解説され、只々驚嘆しております。個人的な興味から出申し訳ないのですが、研究はどのくらいされているのですか。
研究者に転身してからは十数年になりますが,ほんの駆け出しのペイペイのしがない研究者です。お恥ずかしいです。
>ご説明いただいた1のように話し手が「1つしかないと結論づけたい場合」とは、どのような場合が想定されるのでしょうか。私にはそのような場合は特殊なので、通常2の場合、すなわち一つしか無くても不定冠詞aで表現すると考えてよろしいでしょうか。
と考えて宜しいのでないかと思います。1つしかないと同時に伝えたい場合は(うーん,難しいですね),例えば下のはどうでしょう。
面接で部屋に入ってもらうintervieweeに説明する際に「部屋に一つしかない(厳密にいうとinterviewerのイスがあるわけですが…)イスに座って下さいね」と同時に言いたい場合などGo in and sit on the chair.など言うかもしれないですね。(ただ,そういう場合でもGo in. There is a chair in front of the interviewer. Please sit on itと言うほうが多いと思います)
The house next to ours caught fire last night!なんかはどうでしょう。息せき切って短文で一気に色々な情報を伝えたい時など。でも自信ないです。その家を話し手と聞き手が既に知っていて互いに同定できるときは,もちろんthe houseで,そして自然ですよね。
>後置修飾で限定される場合については、ご回答で理解できました。では、次の場合も「そこまで求めない2の場合」に該当するのでしょうか。
ごめんなさい,色々な状況/内容によって簡単には答えられません。今,色々な状況を考えてみたのですが,まとまった答えが出せませんでした。でもトライしてみます。
>通常、発[初?]出の不定冠詞a+名詞を文頭に持ってくる場合は、there is a+名詞のようにthere isを使うとの認識ですが・・・
ご質問を間違って理解していたらごめんなさい。初出であっても
A man came into the bar.
などのように文頭に来ても問題ありません(There was aもいけますが)。
一人しかいないということを伝える意味で
The man came into the bar.
と言えるけども,無理して言わずA manと言うかというご質問でしょうか。
theは必ず属性指示があります。(属性指示という用語は,ここでの説明のために作った言葉です。属性があるよと聞き手に語り掛けているという意味です)先ほどの面接室のthe chairの場合the chair [(you would find) in the room]というように属性が指示されています。ですので属性指示がない突然の使用は不自然です。ただし(!),小説等では効果を狙って,あたかも前から筆者と読者に繋がりがあったかのように「(ほら)その男が入っていたよ」というように小説の書き出しをよくします。
>文頭ではなく文中に出てくる後置修飾で限定されていない不定冠詞a+名詞
I met the man on the street.
I met a man on the street.
属性指示ができて,したければthe manを使いますし,属性指示できてその属性をもつ「ある男」という意味でa manも使えますし,属性指示ができないからa manとすることもありますし…。common groundという共通の枠組みがどれだけ意識されているかが関わってきます。common ground…すなわち共通認識としての枠組みです(この中で話が展開している。この枠組みの中のこれ,この枠組みの中のあれ。「この枠組みの中の」←属性)。強く意識される場合はa manとしても,その属性を持つ男のなかの一人と解されるでしょうね。話者が単なる「男」と伝えたくとも。
この枠組みと強い繋がりを持つ定や不定を,それぞれassociative definites, associative indefinitesと呼びます。これもどういう場合にassociativeになるかならないか研究をしている人がいます。でも白黒じゃないですね。途中の灰色もあるし,聞き手による感じ方の違いもありますし(笑)。
この辺の話はそういえば文頭も同じですね。
下手な文章でごめんなさい。分かりますか?多分,私の頭の中が整理されていないので分かりづらい文章になっているのだと思います。反省しています。
ご回答有難うございます。
これまでお早いご回答本当に感謝の言葉もございません。
すぐに回答いただく必要はなく、ご都合の良い時で結構ですので今回のご回答を私なりに纏るた⑥~⑧について、間違いをご指摘頂けると有難いです。
重ねて感謝申し上げます。
⑥common ground
話し手と聞き手それぞれに、元から備えた情報(例えば一般常識)を持ち、更に両者が置かれている共通した環境の情報があり、更に会話により順次情報を共有していく訳ですが、ある会話の時点での、それら全ての共通情報
⑦冠詞+単数名詞
⑦-2これで単数名詞は全て網羅されたと思うのですが、漏れはあるでしょうか。
●the
・common groundで特定
・common groundではないが、聞き手に属性があることを明示
・☆common groundではないが、聞き手に一つしかないことを明示(最大性)
●a/an
・common groundで特定されるが、1つしかない初出
・common groundで特定されるが、複数あるものの1つ
・☆common groundでは特定されない(複数あるものの1つ、或いは1つしかない)
☆について、common groundではないが、1つしかない場合で、1つしかないことを明示したければthe、そこまで伝える必要がなければa/an
複数あるものの1つの場合は、a/an
⑧定冠詞/無冠詞/some+複数名詞
●the
・common groundで特定される複数名詞(定及び不定)
⑧-2不定は、最大性即ち全てではないだけで特定されていますよね?
・common groundではないが、聞き手に属性があることを明示
・☆common groundではないが、聞き手に複数名詞の全てであることを明示(最大性)
●some
・common groundで特定されるが、初出
・common groundで特定されるが、複数あるもののいくつか
・☆common groundでは特定されない(複数あるもののいくつか、或いは全て)
☆について、common groundではないが、複数あるものの全てを明示したければthe、そこまで伝える必要がなければsome
複数あるもののいくつかの場合は、some
●無冠詞
・common groundで特定されない当該名詞一般
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