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例えば、夫の死後、夫の借金を妻が相続放棄し、本来は、払わなくてもいいが、責任を感じいくらか払ったとします。そうすると、今度は、それを認めたことになり、支払義務が生じるようになる、というような話を聞いたことがあります。根拠法令などがありましたら教えてください。

この場合、いくらか払った後に、やはり支払は厳しいので、やめます、ということは、できなくなるのでしょうか?

A 回答 (4件)

相続放棄により,妻は初めから相続人とはならなかったことになる(民法939条)のですから,夫の債務は他人の債務として,本来弁済する責任はないはずです。


「法定単純承認」といって,相続財産について処分や隠匿などの特定の行為を行ったときに単純承認したとみなすという規定(民法921条)がありますが,債務の弁済がそれにあたるとは考えられません(そういう判例もありません)。
ただし,他人の債務でも弁済できる(民法474条1項)ので,すでにした弁済は当然有効であり,もはや「返してくれ」とは言えません。

この問題に関する判例は見当たらないので,これからは私の意見です。
たしかに,民法1条2項は信義則を規定しています。そして,債務が時効消滅(民法167条1項)した後に,債務者自身がそれを知らないで弁済するなど債務を承認した場合,信義則によりもはや時効消滅を主張できないという最高裁判例はあります(昭和41年4月20日判決)。
しかし,民法の「信義則」は法律の規定であり道徳ではありません。
本件の場合,あくまで他人の債務(:友人の債務と同じこと)ですから,未亡人が「やっぱりやめます」といったところで,債権者が未亡人に債権として請求できる法的根拠があるとは考えられません。また,債権者にしてみれば支払ってもらっただけ儲け物であり,支払いをやめたところで損害を被るとは考えられません。
よって,債権回収を期待した債権者から「道義的に」非難はされようと,「法的に」それ以上の支払い義務があるとは考えられません。

もし,本件のような実例があり,支払いたくないのだったら,以上のようなことを自分の意見として持った上で,専門家に相談したらよいと思います。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
あくまで事例であって、実際に困っているわけではないです。
やはり、支払った分については、ともかく、特になんらかの義務が生じるわけではないんですね。

お礼日時:2008/07/02 13:17

(法定追認)


民法 第百二十五条にありますが
第百十九条により追認しても効力がありませんので今回の件は、追認事態は無効になります


第四節 無効及び取消し


(無効な行為の追認)
第百十九条  無効な行為は、追認によっても、その効力を生じない。ただし、当事者がその行為の無効であることを知って追認をしたときは、新たな行為をしたものとみなす。

(取消権者)
第百二十条  行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2  詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

(取消しの効果)
第百二十一条  取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

(取り消すことができる行為の追認)
第百二十二条  取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。

(取消し及び追認の方法)
第百二十三条  取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。

(追認の要件)
第百二十四条  追認は、取消しの原因となっていた状況が消滅した後にしなければ、その効力を生じない。
2  成年被後見人は、行為能力者となった後にその行為を了知したときは、その了知をした後でなければ、追認をすることができない。
3  前二項の規定は、法定代理人又は制限行為能力者の保佐人若しくは補助人が追認をする場合には、適用しない。

(法定追認)
第百二十五条  前条の規定により追認をすることができる時以後に、取り消すことができる行為について次に掲げる事実があったときは、追認をしたものとみなす。ただし、異議をとどめたときは、この限りでない。
一  全部又は一部の履行
二  履行の請求
三  更改
四  担保の供与
五  取り消すことができる行為によって取得した権利の全部又は一部の譲渡
六  強制執行

(取消権の期間の制限)
第百二十六条  取消権は、追認をすることができる時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
何か私が理解し間違えていたようですね。

お礼日時:2008/07/02 13:20

法律上の手続きによって、相続放棄しているのに「責任を感じいくらか払ったとします。

」と云うことは実務上考えられないです。
もし、そうであるなら「非債弁済」と云って「返して」とは云えないことになっています。(民法705条)
そうだからと云って、相手が「引き続き支払ってください。」と云う権利があるわけでもないです。(そう云う条文はないと云うことです。)
ですから「今度は、それを認めたことになり、支払義務が生じるようになる、というような話を聞いたことがあります。」と云うことはないです。(それは、一部弁済で時効が中断していることを云うのだと思います。)
以上で「いくらか払った後に、やはり支払は厳しいので、やめます、ということは、できなくなるのでしょうか?」は「なりません。」
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
よくわかりました。とくに今後の義務が生じるものではないんですね。

お礼日時:2008/07/02 13:18

そういう場合は債務を支払うわけではないということをはっきりさせておく必要があります。


そうでないと相手側は債務を支払ってくれるものだと期待しますから、あとで支払わないと言うのでは信義に反しますからできません。
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この回答へのお礼

どうもありがとうございます。
テレビで、亡き夫の借金を道義的に妻が支払っている、と言っておりまして、法的には、どうなんだろう?と思い、質問しました。

道義的ということは、相続は放棄しているのだろうと思いました。
その上で、支払ったら何がどうなるのかなと思ったわけです。

お礼日時:2008/07/02 13:14

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