母が通院する大学病院で、複数の科にかかっていますが、(他の病院には一切かかっていない)先日母から初めて聞かされ疑問と不安がわいてきたので質問します。
消化器科でコニールを数年間出されていて、半年前くらい?から循環器内科ではメインテート(これも血圧を下げる薬ですよね?)も出されていて、先日ふと、
薬局で薬剤師さんに、これ(メインテート)を飲んでいることは消化器科の先生は知っていますか?と言われたという。そこで私がお薬手帳を見させてもらうと、両方とも血圧を下げる作用があると薬の説明書にある。
これは担当医に質問せねばと母に同行すると、消化器科の担当医「ではコニールは出さないでおきます」とあっさり。それについての説明はしなかった。えっじゃ今までは何だったの?
疑問1.この二つはおなじ効果の薬なのかどうか?
もしそうだとしたら今まで両方飲んでいて問題はなかったのか?めまい・ふらつき・のぼせなど原因がわからない不調がときどきあった。旅行でも温泉で具合が悪くなり、もう温泉旅行は行けないと悲観している。私はこれらの薬の作用が二重に(強く)働いたせいではないかと思っているが。。。
疑問2.薬の重複があったとしたら総合病院に通う意味がないではないか?(怒)コンピューター管理されているにも関わらず気づかなかった。コンピューターで他の診療科が全て見られるにも関わらずお薬手帳を見せてくれと言われ驚いた。他の病院には一切かかっていなくて全てその病院で出す薬しか服用していないのだから、お薬手帳を見せることぐらい構わないがなぜ?と思った。こちらしか通院してませんよと何回も母が言ってるはず。縦割りシステムでお互い他の科には関知しないという総合病院が普通なのか?期待するほうが悪いのでしょうか?患者は自分で気づくべき&自分から質問すべき?(母に薬の詳しいことなどわかるはずもない。お医者さんの言うことは絶対だと信じて言われたとおりにきっちり服用する人だから)
今回、薬剤師さんが指摘してくれなかったらずっと気づかずそのまま疑問も持たず医師の処方するまま全部服用をつづけていただろう。
いろんな病院・医院にかかっている人は、お薬手帳と、何より薬剤師さんが頼りになりますね。
医療に対する素朴な疑問、のような質問ですが、どこもそんなものだという回答が多かったら、これからはそのつもりで構えていかなければと。自分たちも勉強しなければ、と。
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
医療の運営面での話はUSB99さんの回答のとおりです。
ひとつ追加のご質問にお答えすると、日本ではたしかに循環器科が高血圧の専門と目されています。しかし血圧というのは心臓のほか脳、腎臓、足などさまざまな臓器と関係するので少し一面的な見方になってしまってもいます。医学的な一般論としてのお話をします。高血圧症というのが一つの薬だけで改善することはあまりありません。ひとつの薬だけを大量に投与することは、(1)副作用の危険性が高まる、(2)保険適用にならない(実費での支払いをしていただかなくてはならなくなる)ため行われず、二剤以上の高血圧の治療薬を投与されることはきわめて通常の枠内の診療行為です(日本での体系的な調査はないと思いますが、アメリカにおいてほとんどの高血圧患者さんが複数の薬剤を投与されていることが分かっています)。
高血圧の薬で副作用が起こるかどうかというと、基本的にコニールというのはカルシウム受容体拮抗薬という種類の薬ですが副作用はあまりありません。これにメインテートというβ受容体遮断薬という種類の薬を加えて副作用が起こりやすくなるということも知りません。ただ血圧が下がりすぎればめまい・ふらつきなどはあります。これは別に組み合わせなくても一剤でも起こります。β受容体遮断薬自体は比較的副作用が多いほうの薬で、脈が遅くなったり、喘息がある人は喘息が悪化したりします。また心臓がきわめて悪い人には使ってはいけないが心臓がそれなりに悪い人にはよい薬という不思議な薬です。そのほかサイアザイド系利尿薬、α受容体遮断薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬などというのが現状よくつかわれている血圧を下げる薬です。ほとんどの高血圧患者さんはこれらを組み合わせて飲んでいらっしゃいます。組合せで副作用が起こるとすれば、アンジオテンシン変換酵素阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬との組合せで血液のカリウムの濃度が上がりやすいことが知られています。α受容体遮断薬は心不全をすこし起こしやすくするかもしれません。これはごく最近いわれはじめてきたことで、そろそろガイドラインに反映されるかもしれません。
これらにはそれぞれ得意、不得意があります。一般にβ受容体遮断薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬は血圧をさげるほか、心臓によい薬として知られています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬とアンジオテンシン受容体拮抗薬は腎臓によいことがわかっています。アンジオテンシン変換酵素阻害薬は咳が出るという副作用があり(結構つらいです)、しかもこれは日本人などアジア人に多いことが分かっています。アンジオテンシン受容体拮抗薬はアンジオテンシン変換酵素阻害薬からこの副作用を除いた比較的新しい薬ですが、高いうえ、少し効果が弱いと考えられ始めています(ただしアンジオテンシン受容体拮抗薬のうち「ミカルディス」という薬はアンジオテンシン変換酵素阻害薬と同等の効果をもつかもしれません)。カルシウム受容体拮抗薬は先に書いたように副作用が少ないほか血圧を下げる作用が最も強いです。あと日本人に多いタイプの狭心症・心筋梗塞に効果があると考えられています。カルシウム受容体拮抗薬の中にも種類があり、非ジヒドロピリジン系と呼ばれるヘルベッサーという薬は心臓に良いことがわかっています(コニールはジヒドロピリジン系です)。ヘルベッサーやβ受容体遮断薬は心臓にブロックのある方は使ってはいけません。α受容体遮断薬は前立腺肥大症にも効果があるので、そういう方には一挙両得ではありますが前述の理由から最近は少し手控える傾向にあるかもしれません。めまい・ふらつきと言えばこの薬が一番起こしやすいと思います。サイアザイド系利尿薬のメリットといえば安いことです。サイアザイド系利尿薬には血糖値や尿酸値を高くしてしまう副作用があります。あとおしっこがよくでます。大規模な臨床試験によって他の薬と大きな差はないことがわかっているためアメリカをはじめ世界では現在サイアザイド系利尿薬が最も処方が多い薬となっています(安いから)。しかし日本では完全保険診療のもと、薬剤費をあまり重視しない傾向があり、この薬の処方数はあまり多くはありません。そのほか世界と比較した日本の診療の特徴として、たとえ効果がよくても副作用がある薬を使いたがらない傾向があるといわれています。今回のお話ではβ受容体遮断薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬はまさにそのような薬で、世界と比べて日本での処方量はとても少ないといわれています。ただ科学的に効果が証明されたいい薬なので海外、特にアメリカではよく処方されていると聞きます。
というわけで血圧の薬を組み合わせることには問題はないですし、この二剤の組合せというのもまれなものではありませんが、なんで処方をやめたのかについては担当の先生に聞いてみてください。
諸般の事情でお礼が大変遅れてしまい申し訳ありません。
二つ以上の薬の併用は珍しいことではない、一般的である、ということがよくわかりました。専門家の方のとても詳しいご回答をいただくことができ、本当に助かりました。ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
常識的には、メインテートはβ遮断薬で降圧目的では第一選択で投与する事は稀なので、しかもそれが循環器科で処方されたのなら降圧以外の目的も兼ねて投与されていると推察されます。
おそらく、循環器科はコニールが処方されているのを認識してメインテートを処方したのでしょう。よって、消化器科はコニール(Ca拮抗薬)をすぐ処方をやめず循環器科に問い合わせるように薦めるべきだったかと思います。基本的に、後から処方したほう(この場合、循環器科)に責任があるのでそちらに問い合わせるべきです。
先にかかっていた科は、その後にかかる科から何が処方されているかはよほど症状変化がない限りはあまり気にしません。なぜなら、後から処方を追加する科がこれまで何を処方されていて、何が不足しているかを考えるはずで、後から処方をする科がそれまでの処方にまずい点があればそちらに問い合わせ、変更願いをだすからです。
この場合、消化器科に問い合わせたのでおかしな事になったと思います。
この回答への補足
専門家のご意見が聞けて大変助かりました。
たまたま消化器科の定期的な診察が近かったので、また、薬剤師さんに前述のように言われたのが気になって、その通りに消化器の担当医に聞いてみたのです。でもおっしゃるとおり、循環器内科はあとから増えた診療科ですから、そちらに聞くべきでしたね。
それともうひとつ疑問が残ります;コニールとメインテートの両方を飲むことの副作用はどうですか?成分や目的が違うから(重なる部分があっても)同時に出せるお薬だということですか?薬の飲み合わせ的には問題ないですか?循環器のほうに相談してみてくれとも言わずコニールをあっさりやめたという事は飲む必要がそれほどないと判断したからですか?確かに時々血圧は高いですが、どの診療科でも高血圧を最重視しているわけではなく診察で”今どこが具合が悪いかに応じて”お薬を出してくれています。
今後、循環器内科で相談したほうが良いですね(高血圧に対しては)
本来は血圧は循環器の管轄なんですか?
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