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誰も語らないのでここで語ります。

皆さんはエヴァンゲリオンの魅力についてどう考えていますか?

私はエヴァは機体で戦闘をしている時よりむしろ戦っていない時、特に心情描写の激しいところ、具体的に言えば精神世界のシーンが好きです。そして、そこがほかのSFアニメと一線を画す点であるとも思います。一般的には、エヴァンゲリオンという作品は鬱作品に該当されます。実際のところ、ストーリーが進むにつれて登場人物の精神は皆不安定になっていきます。ですが、エヴァが人の心を打つのは、ただ鬱になるだけでなく、「希望」に向かって歩いているからだと私は考えています。ちょうど、光へ向かって歩むために、自らを闇に落とすように。言ってしまえば、エヴァに乗る前のシンジには、絶望はありませんでしたが、同時に、「人」として生きる意味もなかったように思えます。

こんなシーンをあげればキリがありませんので、ここでは碇シンジについての場合にのみ焦点を当てます。シンジが初号機とともにレリエルのディラックの海に取り込まれた時に、ユイと出会い、覚醒するシーンなどがそうです。この当たりから、具体的に人間が抱える精神的問題が提起されてきていると感じられます。言わずもがな、最後のシーンは、出産、誕生、新生の喜びをイメージして作られているものですが、特筆すべきは、今まで精神世界では基本的にシンジが自身を傷つけるようなことしか行われていなかったのに対し、ここでは初めて「母親」という、シンジにとっての「希望」が描写されます。ある今で「人」として「異常」とも言える、自ら孤立していこうとする性質が、日常や戦闘を通し、「正常」に戻っていき、友を失うことに怯えるようになって行く過程の終着点として、このシーンがあると考えられます。シンジの「…ただ会いたかったんだ、もう一度…」「…嫌だ…1人はもう…嫌だ…」と言ったセリフから、ここで決定的にシンジが「他人」と「共存」していたいと思うようになったと考えられます。
ですが、このことは、シンジの中で新たな「苦悩」を提示させます。それは今までの「幸福」な日常の裏と、父親との関係によってシンジが当然の事として意識すらしていなかった自身の「価値」についてです。

そして、この「問」に対する「解」が、第弐拾伍話:終わる世界、最終話:世界の中心でアイを叫んだけもの、新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にの2通りのエンディングによって表されていると私は思えてならないのです。また、私が思う制作陣の腕が光る点もここだと考えています。なぜなら、このような一種の「思考実験」は現実ではできないからです。究極の自由や、一切の他人との関係を排除する、と言ったことは、フィクションでしかできません。それをこれ程完璧に仕上げる技術と思考能力には、敬意を表せざる負えません。

それではまず、第弐拾伍話:終わる世界最終話:世界の中心でアイを叫んだけものの場合から見ていきましょう。既にこの世界は、既に如何様かの方法によって補完がなされています。第弐拾伍話:終わる世界の方で、シンジは元からエヴァを動かすために利用され、エヴァで他人を傷つけ、殺しまでした最低なクズ野郎であると考え、徹底的に自分には他人と「共に生きる」だけの「価値」がないと「思い込み」ます。また、ここで、あまり精神世界では触れられて来なかったシンジ以外のキャラクターも同様に、自分に潜む「心の闇」とも言うべきものを恐れていたことがわかります。ここでひとつ、これは私の憶測ですが、エヴァンゲリオンに登場するキャラクターは、すべてごく一般的な「人」の側面について語っている、とは考えらないでしょうか?弱気、強気、寡黙、ヒステリック、軽率、真面目、エヴァの登場人物の持つ性質をすべてひとまとめにすると、一般的な「人」にならないでしょうか?時に弱気で真面目で寡黙、時に強気で軽率でヒステリックに自在に変化しうる一般的な「人」に。

それを踏まえてこのシーンを見ると、ここで絶対に制作陣が訴えたかったのは、「これはアニメの中の話ではなく、現実世界でも簡単に起こりうることで、現に起こっている」ということなのではないでしょうか?そして、第弐拾伍話の最後では、この精神世界が、シンジ自身が望んでいるものだと明かされます。他人との一切の関係を排斥し、ただ自分の存在を認知するという堕落を貪ることにしたシンジは、結局のところ、救われはしなかったのです。

そして、話は最終話:世界の中心でアイを叫んだけものにつながっていきます。ここでは最初に、今までシンジが生きてきてどのように感じたのかという内容が描かれています。そして、その中でもまた、登場人物はこれでもかと言うほど自身の「価値」を認めず、生きていることすら許されないと思っています。そして、自分の「価値」は自分で認めるしかないとユイ?に教えられますが、シンジはそもそも自分を構成する価値がない(分からない)ので「自分」という存在が如何なるものかわかりません。ここが、起承転結で言えば転の部分に当たりますが、今までの自分を作り上げてきた「記号」を見ることで、「自分」がどういったものか考えることになりますが、やはり分からず、「思考停止」しようとしますが、これを諫められます。そして、あらゆるものを消した「自由な世界」へと段階は移行します。ここでは、このアニメの核心とも言える「他人と自分」について思考が展開されます。この「自由な世界」で、シンジは、「自分」というものが、その周りのものからも構成されているということを初めて自覚します。そして、現実世界は自分が嫌なものだと決めつけていたということを理解し、自分とその周りが奥深いところで繋がっていることから、自分と他人は分かり合えるという「希望」を見出し、ただそこに「存在」したいという欲望が、「生きたい」という願いへと変わったのです。

さて、ここまでの最終話:世界の中心でアイを叫んだけものの話は、あくまで希望的観測であると私は考えています。それはどういうことかといえば、新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君にの方は悲観的観測であるということです。

シンジが砂のお城を壊すまでのシーンは、いわば先程の思考の短縮バージョンです。自分は寂しくて、他人の温もりをもとめていることを理解します。こちらのパターンで重要になってくるのはここから先のシーンです。次のシーンは、ミサトが加持とおせっせしているシーンと、シンジがアスカを絞め殺すまでのシーンです。ここが第弐拾伍話:終わる世界、最終話:世界の中心でアイを叫んだけものとの決定的な違いであると私は考えています。つまり、ここで言いたいのは「分かり合うことは出来るかもしれないが、実際に触れ合うとはこういう生々しい行為のことだ」ということを訴えているのだと私には思えてならないのです。そして、それに耐えられなシンジは逃げて逃げて逃げ続け、ついには「夢の世界」へたどり着きます。そして、シンジが見ている「夢」は、ひどいと思い込んでいる現実の埋め合わせであり、自分を見つけるためには、そこから抜け出さなければならなくなります。ここから実写のシーンが増えるのは、言わずもがな私たちにも同じことが言えるということを言っています。そして、LCLの海の中で、他人と自分を傷つけても、他人と分かり合おうとする道を選択するのです。そして、今までの「希望」である母親とわかれ、新たな道を進みます。そして、問題の最後のシーンですが、ここに先程の「生々しさ」が集約されています。自分や他人を理解するということは、自分や他人を傷つけることなのです。

ここまでこんな馬鹿みたいに長い文を読んでいただきありがとうございます。エヴァンゲリオンの制作陣が私が今回提示したようなことを考えて作っているのかは定かではありません。ですが、少なくとも私は私の尺度でしかこの作品を測ることは出来ません。それ故に、この作品は私の「希望」として成立するのです。

そして、これが本題ですが、是非とも、あなたの「希望」を、聞かせてください。あなたがこの作品から如何なることを感じたのかということを私は学ばなければなりません。それが分かり合うということだから。

ふいー疲れた。

A 回答 (3件)

お疲れ。



希望は「人間の弱さ」かなと。
弱いからこそ、と思います。
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>皆さんはエヴァンゲリオンの魅力についてどう考えていますか?



 やっぱり、使徒との戦闘ですね!

 先日も新宿で 新たに配備された
「エヴァMark.06」に乗り 使徒と戦いましたが、
なかなか、手ごわかったですよ

 やっぱり!使途を倒すには
「暴走」するか!
「n2爆雷」を見付けて特攻!
しかないですね・・・・
 

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オタクが好む要素を散りばめた「釣りアニメ」だと思います。


昔TV放送があった頃に仲間達と議論を繰り返した後にたどり着いた結論です。
もちろん、釣られて楽しい想いをすることを否定はしません。
質問者さんのように、作品を解釈することを楽しんだ人は大勢いますし。
否定も肯定もなく、ただ「みんな釣られたね」って思っています。
その後同じように釣ろうとしたアニメは多数ありますが、成功したものは少ないです。
私個人は所謂「夏エヴァ」を見て疲れてしまい、釣り針を口から抜きました。
その後オタクも辞めてしまいましたよ。
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この回答へのお礼

あなたに会えてよかった

あなたは、私の意図を意識的に(あるいは無意識的に)汲み取ってくれました。私は、あなたのような真逆の意見をもつ人を認めなければなりません。これは「修行」なんです。ありがとうございます。

お礼日時:2018/06/05 17:03

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