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質問の結論を言えば、「円方体」(2×2×2)というものが数学世界にあるのかどうかです。

 その言葉は、最近出た『吉本隆明 詩歌の呼び声 岡井隆論集』(論創社 2021年7月刊)の中の、「『神の仕事場』の特性」という文章のなかにあります。この文章「『神の仕事場』の特性」は、初出が『短歌研究』(1996年6月号)であり、『吉本隆明 詩歌の呼び声 岡井隆論集』 論創社 2021.7)に収められています。出版業界のことはわからないのですが、もし原稿(?)が残っていればチェックもできるでしょう。しかし、初出はずいぶん前であり、一番は書いた吉本さん本人に聞くことですが、今はもう亡くなられていてかないません。その言葉が出て来るのは、以下の部分です。


「わたしたちは短歌的な表現を交響する音形で比喩してみるとする。いま意味の機能をまったく抜いておくとすれば、細長い葉巻の形をした密雲の塊りのように見做すことができよう。すると岡井隆の『神の仕事場』の交響する密雲は、わたしたちが短歌的な声調にみているものの倍増した円方体(2×2×2)に比喩することができる作品に出遭う。いわば意味句が、下句または上句の全体でメロディを発信している例に出遭うからだ。」(『吉本隆明 詩歌の呼び声 岡井隆論集』P302 論創社 2021年7月刊)


 吉本さんは、文芸批評家、思想家ですが、若い頃遠山啓の講義「量子論の数学的基礎」に出会って数学も学ばれています。『ハイ・イメージ論』という批評では数学や数式表現も活用されています。ところで、上の文学の本の中の、短歌表現に関する数学的な比喩表現ですが、「円方体」(2×2×2)というのがわかりません。検索してみると、高等数学で「円分体」というのはありました。しかし、「円分体」のミスだとすると、(2×2×2)がわかりません。もしかすると、初等数学の図形で、「円方体」というのは「直方体」(「立方体」)の間違いかなと思います。そして、(2×2×2)は、(1×1×1)からの「倍増」でしょうか。しかし、「直」と「円」の手書き文字を編集・校正者などが読み取り間違うのはあり得ないような気がします。しかも、1996年8月の水難事故に遭われた後は、極度に眼が悪くなり書いた文字も判読しにくくなったとどこかで読んだ覚えがありますが、その文章はそれ以前です。

 というわけで、「円方体」(2×2×2)について、あるなしなど、どなたかわかる方、教えてください。

質問者からの補足コメント

  • 回答、ありがとうございます。
    ただ、残念ですがちょっと説得されませんでした。
     わたしは吉本さんの文章に長らく付き合ってきていますが、「昭和中期には、吉本隆明に限らず、批評家全般において、表現したい内容にふさわしい言葉を探すよりも、違和感のある語を文中に配してその意味を前後の文脈から探ってくれ...というスタイルの文章」というのがよくわかりません。わたしは大学では近代文学が専攻でしたが、そういうものに出会った覚えがありません。少なくとも吉本さんにはそういうものはありません。
     初等幾何には「円方体」という言葉はないはずだから、これは誤植ではないかと依然として疑っています。
     ともあれ、回答ありがとうございました。

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2021/10/23 17:30
  • 回答、ありがとうございます。

     以前、吉本さんの文章で、本文の誤植と思われる問題に「エレヴァス」という言葉がありました。以下に述べています。

    1.「エレヴァス」問題
    2016年12月15日 | 吉本さんのこと
    http★s://blog.goo.ne.jp/okdream01/e/0a645cd9fa29e45cb3093d273d5a5991

    2.「エレヴァス」問題再び
    2017年02月23日 | 吉本さんのこと
    htt★ps://blog.goo.ne.jp/okdream01/e/09f08d935375ab5bedeafe351742cc59
     ※ 念のためURLに★を入れています。

     今回もこれと同様の誤植問題ではないかと思っているのですが、そこへ入る前に、念のため数学関係者の「円方体」(2×2×2)というものは数学世界にはない、ある、を知りたいと思って質問しました。

    No.3の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2021/10/24 11:25

A 回答 (6件)

「円方体」は、数学用語にはないと思います。


おそらく誤植ではなく、筆者が説明抜きで造語を使っているのでしょう。
No.3 No.4 さんも、造語と考えておられるようですね。
No.5 さんの https://4travel.jp/travelogue/11516485 には
「円方体」という語の用例がありますが、写真のどの図形を指すのかは不明です。
類似の用例は、ネット検索の範囲では見つけられませんでした。
Google の画像検索で「円方体」を探すと円柱の図が出るようなので、
そのような用法が世間のどこかにはあるのかもしれません。
数学用語ではありませんが。
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しゃのにさんおはようございます。


 名前とその内容の対応が数学の category でこれこれの内容の名前は円方体ですという記述を知りません。底面と上面が円形の立体図形の名前は円筒形です。葉巻は円筒形です。Cohiba Siglo I は直径 15.87mm で長さが110mmです。名前から内容を推測します。上から見たら円で横から見たら方な体で半径2cmと半径2cmと長さが2cmです。直径が4cmで高さが2cmのものはどっしりした感じがします。元は半径0.2cm半径0.2cm長さ11cmだったのが半径2cm半径2cm長さ2cmになったとすると倍増したが辻褄が合いません。短歌は数でいうと57577だから31個です。1次元に並びます。『『神の仕事場』をめぐって』https://www.1101.com/yoshimoto_voice/speech/text …さんが面白かったです。上の句と下の句を2人で作ってたのが1人で作るようになったと言う指摘が良かったです。『曲面体印刷の発明とグーテンベルグ博物館へ資料寄贈の想い『発明と私』 』さんがあります。右を押すと pdf が落ちてきます。https://www.jfpi.or.jp/files/user/pdf/printpia/p …に「円方体、あるいは円錐体、これは解体してしま えば結局、平面にある。 」とありました。『梅雨の中の群馬1泊2日旅 1日目(たくみの里~泰寧寺~ペンションポミエ)』https://4travel.jp/travelogue/11516485さんの写真だと円方体は円筒形です。
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「円方体」なる用語は寡聞にして知らず、数学用語の辞典にも見当たりません。

強いて解釈するなら、「細長い葉巻の形の塊」を(fuzzy?)集合と思って、「交響」を直積と思うことにすると、

Aは赤と緑の二つの(2×1×1の)直方体が「交響」して生じる「2×2×1の」直方体で、これは「2×2の」正方形に「厚み1を加えた」直方体。
Bは赤と緑の二つの「細長い葉巻の形の塊」が「交響」して生じる「円方体」で、これは「2×2の円方形」に「厚み1を加えた」「円方体」。
Cは赤と緑と青の三つの(2×1×1の)直方体が「交響」して生じる2×2×2の立方体で、これはAの「倍増」。
Dは赤と緑と青の三つの「細長い葉巻の形の塊」が「交響」して生じる「2×2×2の円方体」で、これはBの「倍増」。

というような、アナロジー的かつイメージ的な造語かしらん。
「文学の書物のなかの数学的な比喩「円方体」」の回答画像4
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「円方体」


・・・なんか、味のある表現ですね。

「直方体」「立方体」は、いかにも四角四面の角が立った立体。ただの「箱」といえばよいのに、律義に「直方体」などというから余計に角が立つ。

「球体」といえば丸い球。何も言わなければ「真球」であって「楕円体」のようなゆがんだものは指さない。「立円体」とはいわない。

なんか、どちらも「正真正銘の○○」であって、堅苦しさが伴います。
「なんとなく」とか「○○っぽい」などという「あいまいさ」や「うさん臭さ」「混じりもの」を排除しようという「純粋」さを志向しています。
ふつう、数学はそうですね。

でも、実際の世の中には、そんな「純粋なもの」は実は少ないのです。
平面を持っているけれども角張っていない、角が丸まっている、丸味はあるけれど「球」でなはなく「平面」も持っている、そんなものにあふれている。でも、そういうものを指す呼び方って、そういえばなかったですね。
そいうものを「円方体」とよぶのかなあ、などと想像をたくましく考えていると、いろいろな「名もなき形」があることに気づきます。

そういう「どこにも属さないもの」「あれでもないし、これでもない、どっちつかずのもの」「どちらであるかを明らかにしない方がほのぼのとして味わいのあるもの」って、日本の文化の中にたくさんあるような気がします。
「円方体」もそういったものの一つで、そういった「どっちつかず」に呼び名を与えたものなのではないでしょうか。
的外れな考えかもしれませんが。
この回答への補足あり
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> 近代文学が専攻でしたが、そういうものに出会った覚えがありません。



そうでしょうか? 私はめっきり理系で門外漢なのですが、
例えば小林秀男とか、ほぼそういう文章しか書いていない印象があります。
質問文中に引用された文章でも、「短歌的な表現を交響する音形」とか
「細長い葉巻の形をした密雲の塊り」とか、その手の表現技法ですよね。
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「わたしたちは短歌的な表現を交響する音形で比喩してみるとする。


と書いてあるじゃないですか、その「円方体」という言葉は、別段
「立方体」の間違いではなく、数学的な比喩ですらなく、おそらく
なんとなく数学っぽい音形をもった言葉で短歌的な表現を狙ったもの
なんですよ。昭和中期には、吉本隆明に限らず、批評家全般において、
表現したい内容にふさわしい言葉を探すよりも、違和感のある語を
文中に配してその意味を前後の文脈から探ってくれ...というスタイルの
文章が量産され、書く方も読むほうもそれを良しとしていたものです。
私は、まだ孫はいない...といった年齢ですが、我々が中高受験の頃の
国語の長文読解問題は、そういう意味深であることに価値を求めた文章の
「傍線部の意味を説明せよ」的な問題が大流行りでした。そのせいで
「現国」と聞いただけで憂鬱な気分になったものです。私だけでなく、
多くの理系生徒の文系離れを加速させたものだと今でも思っています。
ゆとり時代以降、その手の文章は教育畑でも流行らないのでしょうけど。
この回答への補足あり
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