タイムマシーンがあったら、過去と未来どちらに行く?

いま、「関口宏の一番新しい古代史」という、好評だった「関口宏のもう一度近現代史」の後継番組を見ていますが、昨日7/2放送のテーマは「古事記・日本書紀特集!神話が伝えるものとは?」でした。この番組には2人の古代史専門家(松浦正剛・吉村武彦)がついていて解説しますが、学界の意見が分かれる部分があるときは、こういう異論もあるということをときどき指摘したりしています。私が読んだ岡田英弘「日本史の誕生」(ちくま文庫)によると、古事記は712年出版とされているが、作者は太安万呂ではなく、9世紀の平安朝初期の偽作であるとしている。いろいろ根拠をあげて偽作であることを示していますが、私には非常に説得的に見えます。偽作を主張しているのは岡田正弘氏だけでなく、注によると鳥越憲三郎「古事記は偽作か」(朝日新聞社)、大和岩雄「古事記成立考」(大和書房)等でも論証されているらしい(わたしは読んでいません)。しかし、「関口宏の・・・」では、古事記については偽書であるという意見もあるということは一言も指摘がありません!この件「古事記偽作論争」について学界の趨勢はどうなっているんでしょうか?詳しい方にお聞きしたい。

質問者からの補足コメント

  • なぜ「古事記」が偽書と考えられるのかについてポイントをいくつか書いておきます(岡田本の。245-251ページ参照)
    ・「古事記」には太安万呂の序文が(西暦にすると)712年の日付でついていて、天武天皇が稗田阿礼に命じて史料を誦唱させ、元明天皇が太安万呂にその史料を一書にまとめさせたとある。この序があやしいことは江戸時代(賀茂真淵等が問題にしている)からある。
    ・当時の朝廷の正式の記録である「続日本紀」には太安万呂の事跡は載っているのに、元明天皇がこの人に史書の編纂を命じたことも、書き上げて「古事記」を献上したことも書いていないこと。
    ・奈良朝のどんな書物にも「古事記」の名前も見えず、一つも引用もないこと。
    ・1814年に完成した「新撰姓氏録」には多くの氏族の由来について「日本書紀」からは丹念に記事を拾い集めているのに、「古事記」からは一つの引用もないこと。

      補足日時:2022/07/06 17:02
  • 補足の追加です。
    ・「古事記」(712年)の内容が720年の「日本書紀」よりも新しいこと。「風土記」の編纂の命令が下ったのは713年だが、編纂は大事業で720年の「日本書紀」には間に合わず、そのため出雲神話がほとんど載っていないが、「古事記」には出雲神話が豊富だ。例えば、因幡の白うさぎの神話は「因幡国風土記」にのっていたことはわかっているが、日本書紀にはない。

      補足日時:2022/07/06 17:03
  • 。補足の追加。「古事記」のWikiにも偽書説の項目があるの、参照してください。上の補足で書いたことダブル部分もありますが、それ以外のことも書いてあります。

      補足日時:2022/07/08 09:02

A 回答 (6件)

皇室の正史に


本朝皇胤紹運録あり。
ここに
天照大神:105000年
天忍穂耳命:1794300年
ニニギ尊:318542年
彦火火出見尊:637893年
ウガヤフキアヘズ尊:836042年

あなたはこの数値をどう解釈しますか。

神武天皇:76年127歳または137歳
崇神天皇:68年120歳または168歳

この辺にして
質問者さんはこれらの数値にどんな感想を持っていますか。

学者さんはこういう数値を見て
本当にこんな年数生きられるわけない。

中国史に比べれば野蛮で文化の遅れた国。
そんな国がマサカで終わるのが日本の古代史。

悲しいでしょうが、どう思いますか。
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#3です。


>これらのポイントは「古事記」擁護派からはどのように説明されているの
でしょうか?
現存している写本が有るので、古事記が存在したのは、間違いのない事
でしょう。
偽書説とかの、論説が有る自体、荒唐無稽でしょう、何故ならば裏付けを
取って、検証するのは、不可能でしょう、太安万侶が編纂した時点でも
同様だったのでは?100歳以上の長寿の天皇が複数います、不明な処を
空白に出来ないので、施した事柄か、大和国を古い歴史にする為に施した
検証する事が出来ませんのです。
歴史学者が口角泡を飛ばして、自説を展開するのは、飯のタネ作りの印税
稼ぎにしか、思えないです。

古事記が有ったと言う事だけで、文化遺産として、誇りに思えます。
古事記は物語として、楽しんで読めば宜しいかと。
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この回答へのお礼

>古事記が有ったと言う事だけで、文化遺産として、誇りに思えます。
古事記は物語として、楽しんで読めば宜しいかと。

平安時代以降に書かれた偽書だったとしてもですか?
岡田英弘氏の言葉を引用しておきます。「「古事記」が偽書であることには、数々の証拠があるのに、多くの人々がそれを公然と認めるのをはばかってきたのは、主としてセンティメンタルな理由からである。日本には古くからの固有の純粋な文化があり、それが後になって、中国文明との接触によって汚染されたので、中国の影響さえ排除すれば、古代日本の高貴な精神が輝き出るはずだというのが本居宣長をはじめとする江戸時代の国学者たちの主張であった」、と。

お礼日時:2022/07/14 13:27

お礼について<「主流」の見解では補足であげた偽書説のポイントはどのように説明されているのでしょうか?>



古事記自体は、天皇家の私的な㊙文書的要素が強い。
だから、正式な公式記録では書きにくい大国主を称える大量の記録・伝承でも多めに書ける。出雲神話の多くが書記に記載されなかったのは風土記の問題ではなく、そういう政治的事情だろう。

また、古事記は秘書なので他の公的記録文書で引用することは憚られる。そもそも奈良時代の他の公式文書の編者が古事記を読める資格があったかどうかすら分からない。

また、古事記は私的な㊙文書的なものであり、現代に伝わっている古事記は後世の書写版で最初の原本ではないので、後世に書き加えられた部分があってもおかしいことは何もない。
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古事記は原本が無く、残っているのは、写本だけです。


一番古い写本とされている、「真福寺本」で1371年に書かれた物です、
1612年に、本居宣長門人の尾張藩士の稲葉通邦が発見した物です。
古事記の偽作説は古くから有り、編者の太安万呂の墓が見つかるまでは、
太安万呂の存在さえ、疑われていました。

歴史学者の印税稼ぎの格好の場で、新しい有力な古文書が見つからない
限り、答えの無い、論争が続くのです。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。偽善説のポイントを「補足」で書いておきました。これらのポイントは「古事記」擁護派からはどのように説明されているのでしょうか?

お礼日時:2022/07/06 17:26

日本書紀は公式の膨大な量の漢籍の史書だが、古事記はどちらかと云えば平易で仮名も使われたもので、読みやすい物語風の史書だ。

文字量も日本書紀に比べればかなり少ない。

おそらく、公式記録として多くの人が読めた日本書紀に比べ、初期の古事記は朝廷内の限られた人達専用の部外秘的読み物だったのではなかったかと思う。日本書紀と比較した最も興味深い古事記の特徴は、大国主などの出雲神話が非常に詳細に書かれている点ではないだろうか。
つまり天皇家とは別系統の王家が畿内を中心とした日本をほぼ制圧していた頃の話だ。
公式の日本書紀で割愛されているのは、天皇家以外の王家を称えてしまうことになるからだろうか。
しかし、皇族や主な豪族たちにとっては、知っておくべき重要な記録だったのだろう。

そういう古事記が一般にも読めるようになったのは、室町・戦国時代の大混乱期に秘蔵されていた朝廷から流出してしまったからではないだろうか。

偽書説が一番盛り上がったのは江戸時代だが、研究が進むと古代の発音文字が使われている本編に関しては、偽書説はほぼ一掃されている。少なくとも現代の学界の主流からは本物に間違いないと認識されており、疑問が残されているのは序文だけだ。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。補足をつけておきました。「主流」の見解では補足であげた偽書説のポイントはどのように説明されているのでしょうか?

お礼日時:2022/07/06 17:23

古事記の専門家でも学界の者でもありませんが、現存する古事記というのはオリジナルではなく全て写本です。

それもオリジナルの写本ではなく、写本の写本の写本の・・と何度も繰り返されたものです。そのなかで、話の内容が分かれたり消えたり、あるいは新しい知識で加筆されたりして異なっているかもしれません。その加筆されたところだけを取り出して、何々が日本に伝来したのは何時以降なので云々と言っても、それだけで古事記のオリジナルが書かれたのもそれ以降だなどということにはならないでしょう。

実際、どれだけ残っているものがあるかとか違いはどの程度なのかとか全く知りませんが、そのあたりまでちゃんと評価しているかどうかなどで、それらの書物がトンデモなのかまともな研究書に近いのかが計れるのではないかと思います。
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この回答へのお礼

早速の回答ありがとうございます。この本は研究書ではなく一般向けに書かれた本です。著者の岡田氏はいわゆる古代史の専門家ではなく、中国史、モンゴル史等が専門で、世界的視野から日本の古代史等についても研究している学者です。著作集8巻もでている立派な学者です。私が取り上げた文庫本は簡単に手に入る本ですし、「古事記」偽書説を主張する部分はこの本の第9章の、245-251ページの数ページに書かれていますので、読んでいただいてから回答していただけると幸いです。以前に読んだ岡田氏の別の本「歴史とは何か」(文春新書)にも「古事記偽書説」が書かれていて、いつか質問しようと思っていたのです。

お礼日時:2022/07/03 19:27

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