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概要
ナムコは任天堂の問屋流通組織「初心会」を通さずにソフトを自前で流通させなかったのはなぜ?

詳細
昔のファミコンの業界裏話を読んでいます。
こんな内容です。

【任天堂からファミコンが発売されると、ナムコは
「このゲーム機はなかなか性能がいいぞ。このゲーム機で動作するソフトを作ったらきっとたくさんの本数が売れるに違いない」
と考えて、ハードウェアの解析に着手。任天堂からの技術開示なしに自前でハードウェアの解析に成功し、ゲームソフトを完成させることができました。
そして任天堂にファミコンソフトの製造、販売を打診し、任天堂からはサードパーティ参入の許可を取り付けます。
この時の条件は以下のようなものだったといいます
”1 ナムコは任天堂から技術開示書を1000万円で購入する。
 2 ナムコはソフトの制作、ROMカセットの製造を自社で行う。
 3 ナムコは任天堂に対し、ソフト1本につき21円のロイヤリティを支払う。”】

さてここで疑問が起こります。
 3 ナムコは任天堂に対し、ソフト1本につき21円のロイヤリティを支払う。
の条件です。
通常のファミコンサードパーティ(参入ソフトウェア会社)はROMカセットの製造を任天堂に委託することが条件になっていましたから、任天堂は
「この会社のこのソフトのROMカセットは何万本製造した」
ということは当然知っています。そして任天堂はその本数に応じた製造委託費をサードパーティから徴収して儲けていたわけです。

しかし
「ナムコがどのソフトのROMカセットを何本製造したか?」について任天堂は知るすべはありません。
なぜならナムコに対しては前述の条件2によってROMカセットの製造は自前でやることを許可していたからです。
すると当然ナムコはこう考えるでしょう。
「任天堂に対して、製造本数を過少申告し、ロイヤリティ支払いを過少にしよう」
と。
まあ、商売の仁義からは外れますが、普通の商売人ならそのぐらいは多少考えます。
それにナムコの(当時の)社長と任天堂の(当時の)社長はあまり仲が良くなかったとも聞きますので。
(もっと言えば当時のゲーム会社は、組織こそ会社化しているものの、実態は”裸一貫からのし上がってきたオーナー社長の個人商店”みたいなところが多かったので社長同士の仲が良い、というケースは稀だったとも聞きます)

閑話休題
しかし、ファミコンカセットを流通させるには任天堂の問屋組織である初心会の存在を忘れてはなりません。初心会を通さないと事実上、初心会問屋→二次問屋→三次問屋→小売店、という流通経路に乗れないので、ファミコンカセットを売ることができません。
初心会を通せば出荷本数が全部バレてしまいます。
ですので、
「任天堂にはソフトの製造本数を過小申告し、1本あたり21円のロイヤリティを過少に支払う」
という手が使えません。

しかし、ナムコには全国の主要都市に直営のゲームセンターを多数展開していましたし、多くのデパートの屋上遊園地なども運営していました。(大体、各都道府県の県庁所在地および主要都市にナムコ直営店がありました)
これらのゲームセンターには日々、自社のゲーム基盤の輸送などをしていましたので、その流通に自社のファミコンカセットを載せ、ゲームセンターのカウンターや屋上遊園地の受付などで自社のファミコンカセットを売ることも可能でした。
前述の通り、ナムコはROMカセットを自前で作っていますから任天堂の初心会に卸す品物とは別に自社販路に乗せる分を内緒で作って売ることも可能だったわけです。
100万本売れるファミコンソフトなら、本来は任天堂に支払うロイヤリティは21円*100万本=2100万円
もし、仮に初心会には90万本だけ卸し、自社の販路で10万本売れば、10万本のロイヤリティ210万円を抜くことができます。(しかも製造直販だから出荷価格と販売価格の差が全部利益となります。近隣の量販店で1割2割引きされていて、それと対抗しても十分利益が出ます)
当然、任天堂には
「このソフトは90万本だけ製造しました。だからロイヤリティは21円*90万本=1890万円をお支払いします」
と申告することになります。任天堂はナムコが自己申告した本数を信用するしかありません。ウソを暴くためには工場にスパイを放って真の製造本数を突き止めるしかありませんが、それは無理でしょう。

ナムコは50万本、100万本を売り上げるファミコンソフトは多数持っていましたから
このようにしてロイヤリティの支払いを少なくすることで自社の儲けを大きくし、任天堂の儲けを少なくすることもできたはずです。

なぜそれをやらなかったのでしょうか?

詳しい方、お願いします。

A 回答 (2件)

面白い疑問ですね。



ちなみに、「自主流通出来るからそもそも任天堂とライセンス契約をしません」と言ってやってたソフトウェアメーカーもありました。
悪名高い「ハッカーインターナショナル」ですね。

ハッカーインターナショナル:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%83 …

で結果はどうだったのか、と言うと・・・・・・。
彼らは悪名高かったけど、作ったソフトウェアは「知る人ぞ知る」、つまり、どっちかっつーとマイナーソフトウェアの類になっています。

この辺難しい問題で、例えば市場にそこまで流通しなくてもライセンシーにならなければ「ある程度売れた」だけでそこそこ儲けられました、と言うような場合も考えられます。
しかし、当時のハッカーインターナショナルの社長は

「技術資料を開示されないで、自分らでハードウェアを解析する方が金がかかる。ライセンシーになった方が結果安いかもしんない。」

とも言ってるんですよね~(笑)。
ハッカーインターナショナルは「ライセンシーにならない」事をポリシーとしてたようなんで、これをやり続けるのはビジネス上の判断だけじゃなくって、ある種「こだわり」があった、と言う事です。

さて、ナムコがゲームセンターやら直営店でカセットを販売する、と言う戦略を取ったとしましょう。
貴方が言う通り「ある程度上手くは行った」かもしれません。
ただし、今のファミコンの「記録」で見るように「バカ売れ」したかどうかは全く分からない。
多分それをやったら「記録に残る」程売れなかったんじゃないですかね。
と言うのも、ファミコンの当時想定してた主な購買層は小中学生です。
そして、今はどうだか知らんのですが、当時の小中学生はゲームセンターに入れなかった。
つまり、「主な顧客」がゲームセンターから締め出されてたのです。

当時のファミコンのヒット要因は、「小中学生がゲームセンターから締め出されてた」から、ってのも一つなんです。「ゲームセンターから締め出されていた層が」家でゲーセン並のゲームが出来る、っつーんでファミコンに飛びついた。
そこでナムコが直営店でファミコンソフトを販売したにせよ「そこに行けない」= 「買えない」わけです。そんな商売やってて売上が上がるわけがない。
しかも、当時の親御さんはゲームセンターを「不良の溜まり場」として敵視してた。子供が「ゲームセンターで✗✗買ってきて」って頼んだからと言って買ってきてくれる親御さんはそんなにいないでしょう。むしろ

「ゲームセンターで売ってるような商品を家で遊ぼうなんてダメだ!」

とファミコンそのものを取り上げてしまう可能性さえある。
「おもちゃ屋で買ってきてくれ」って頼むのとはワケが違う。
確実に「ゲームセンターで直販する」と言うのはビジネス上のリスクとなり得る。

もっと言うと、初心会を通す、と言う事は極論「日本全国にあるおもちゃ屋さん一つ残らず販路となる」と言う事を意味します。
比するとゲーセンの数は?おもちゃ屋とゲームセンターの個数を比較すると圧倒的におもちゃ屋の方が数が多い。
今じゃ想像しづらいかもしれませんが、80年代のおもちゃ屋、なんつーのはトイザらスが日本に入ってくるまで「個人商店」を含み、もっとたくさんあったんですよ。
数から考えるとゲーセンの比じゃない。要するに貴方が考える以上に「圧倒的に販路が弱い」のです。

ナムコなんかのメーカーも要するに家庭にビジネスとして入りたい、と言う目的があった。結果、トータルで考えると「直営店で販売する」と言うのはメリットにならなかった、って事なんですよ。
今のファミコンでの「売上記録」を見て、「これだけ売れたのなら・・・」と言うのはあくまで結果論だし、かつその「結果」を導いたのはあくまで任天堂のルートに乗ったから、なんです。任天堂のルートに乗らなかったそこまで売上をあげられたのかどうか、正直言うと「分からない」ですよね。
多分失敗してたんじゃないか、と思います。

ところで、貴方の言う「普通の商売人ならそのぐらいは多少考え」る、と言うのをナムコは別の視点で「やっちゃって」ます。
平たく言うと、カセット製造の受託を任天堂とは別に請けてて、それもあって任天堂はナムコを苦々しく見てたんです。
つまり、任天堂とライセンス契約を結ばないメーカーが(恐らく任天堂より安い契約料で)ナムコと契約を結んで「ナムコットブランド」としてゲームを出したりしてた。
例えば有名所で言うと「女神転生」なんかがそうです。当時のアトラスは弱小メーカーで、任天堂とのライセンス契約を結べる程の資金力が無かった。
そして「女神転生」はナムコの企画じゃないです。どう考えても徳間書店とアトラスがナムコに「カセット製造を依頼した」って考えた方が良い。
こういう「ナムコと契約を結んだ」ナムコサードパーティがいて、ナムコットブランドでのカセットが流通してた。これも「カセットを自社製造出来て」「年間ゲーム本数」の縛りが無いが故のナムコだから出来た事です。
だから商売上の仁義をナムコはたしかに犯してたんです。それもあって任天堂との仲が険悪になっていったんですよね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。

「小中学生お断りのゲームセンターでファミコンソフトを並べても小中学生は買いに来れない」
ごもっともです。よくわかりました。


>カセット製造の受託を任天堂とは別に請けてて、それもあって任天堂はナムコを苦々しく見てたんです。
つまり、任天堂とライセンス契約を結ばないメーカーが(恐らく任天堂より安い契約料で)ナムコと契約を結んで「ナムコットブランド」としてゲームを出したりしてた。

ナムコの後期のファミコンタイトルはこういうのばかりでしたね
てっきり、他社のソフト権利を完全買い取りしてナムコ名義で出していると思っていましたが、
まさか弱小ソフト会社に
「任天堂に内緒で、任天堂よりも安いロイヤリティでファミコン参入させてあげるよ」
なんて口説いているとは思いませんでした。

でもまあ、利にさとい商売人なら当然のことなのかも。

後年、経済誌か業界誌でナムコの中村社長が、ファミコン参入時はロイヤリティが優遇されていたのにその契約から5年後の更新時には優遇事項が無くなったことについて
「ファミコン市場はゲーム業界全体のもの。業界挙げて育てるべし
 そのためには優良ソフトを量産するわが社を引き続き優遇せよ」
の旨を任天堂に主張し、それを一蹴した山内社長が別の誌面で
「要するにナムコさんは任天堂になりたいわけですわ」
と吐き捨てた、というのを見て
「まあ、お互い、自分の立場では自分が正しい、と思うわなあ」
と感じました。

中村社長は
「ファミコンを育てたのは俺だ、ナムコだ」
なのでしょうが、山内社長は
「中村は一介の小作人に過ぎず
 その小作人が地主のような振る舞いをするのは許さん
 地主はこの山内、ただ一人だ!」
だったわけですね。

ま、ナムコのファミコンロイヤリティ優遇および優遇解除の話はまたいずれ・・・
(文字数制限の為に書ききれません)

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2022/02/22 19:18

10000も個売れた商品を



「100個しか売れません」って言って売って

売れると思うの?
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

貴殿のご回答がよく判りません。
私の日本語読解力が足りない様で申し訳ありません。

お礼日時:2022/02/22 15:12

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